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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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247話 何人が彼を知ってる? 挿絵あり

「逆になんで同じものだと?三枝先生自身が人は空を飛べないと言ってたじゃないですか。」


「それは分かっていますし、今も人は空を自由に飛べないと考えています。それこそ、タケコプターを頭につけて飛ぶ。この場合、特殊な重力フィールドでもない限り、飛ぶ前に首がネジ切れるとさえ思っています。」


「こわっ!確かに現実的に考えるとそうなんでしょうけど・・・。って、話がズレてますよ。」


「失礼。しかし、マリちゃんと言う実例があるのも確かです。尻尾が生えた、それが動かせた。それをMRI等で検査すれば骨も筋肉も血管もある。そして、不要とはいい難いほど使いこなす。」


「つまり。三枝先生が言いたい事は、あるなら使えると言うことですか?」


「ええ。要は訓練の問題か他の要因があると考えています。柊さん、なにか心当たりは?山で羽が生えたヤツを見たとブライトさんは言っていましたが・・・。」


「師匠ですね、天狗なので羽もあります。そして空を飛び木を飛び移り、邪魔なら風で雪も岩も打ち払う。」


「・・・。医者としての常識が揺らぎますが、そう言う者だとして扱いましょう。」


 確かに鞍馬さんは空飛ぶんだよなぁ〜。それも、俺と敷田さん。言ってしまえば100kg近い重りを抱えて。鞍馬さんの体重を考えるとトータル160kg以上、それが空を飛ぶ。・・・、飛行機かな?


「もしかして、ブライトは飛んだんですか?」


「真逆です、羽が動かないと狼狽えていました。」


「羽が動かない?あっ!肩甲骨理論?」


「真利、なによ肩甲骨理論って。」


「前に三枝先生とブライトと話したんだけど、肩甲骨から天使の羽が生えても飛べないんだって。でも、ブライトは背中に羽があるからやっぱり重り?」


「それがやはり現実というものでしょう。一部喧嘩を売ってる方はいるようですが、現時点では飛べない。その代わりマリちゃんの尻尾の様に骨はある。」


「骨がある・・・、やっぱり岩戸さん案件かなぁ・・・。」


「その方ならなにか分かると?」


「分かると言うか・・・、三枝先生。例えば3Dグラフィックモデルを滑らかに動かす。この時どうすると思います?」


「3Dモデルをですか?極力平面をなくす、でしょうか?」


「それは完成時の動きであって、構築段階だとボーン・・・。つまり骨をどれだけ入れるかによって滑らかさが変わってきます。そして、肉付けする前の棒線人形時に羽を想定した太いボーンがあれば・・・。」


「それはより強く定義されていると?」


「流石に専門じゃないから、そこまでは分かりませんよ。でも、ブライトの飛行自体は短時間だし、逆を言えば短時間だけ飛べるだけの機構でいいとするなら、人とは違う筋肉やら神経もあるのかなぁと。」


 研修医の解剖モデル作ってくれって依頼で、かなり難儀したなぁ・・・。昔なら献体とかを使ったりするんだろうけど、今だと人体のデータもかなり集まってる。だから、症例を含めた各種病気を再現できる3D人体モデルの構築依頼。


 その話は分かるけど難易度やら進行段階別、果ては特殊な事例になぜ失敗したのかの実例落とし込み等々・・・。後から後からこう言う状況を作ってほしいやら、こういった転移状況を作ってほしいと要望が膨大に・・・。


 確かにその分支払額は大きくなるんだけど、要点くらいまとめとけよ!あの3Dモデルの・・・、名前がないと呼びづらいからとサディーと適当に呼んでたモデルは、全部の落とし込みを適応したら人間なら死んでる状態だぞ!俺は要望を届けて作るってもらう仲介だけどさ。


「なるほど、そこは盲点でした。確かになにかを作る場合元となる設計図は必要で、ナノマシンで治療する際も明確な病名や治療方針を指示する必要がある。だからこそ、疑問に思っていた1つが解消されました。」


「羽ですか?」


「いえ、なぜ綺麗に作り上がるのかと言う部分です。既にマリちゃんのナノマシンやデバイスは、マリちゃんを作ったと言う実績と経験があります。つまり、人体と言うかアバターを作る感覚で姫子さんや、ブライトさんも形づくっているのかも知れません。」


 アバターを作る感覚か、確かにそれはあるのかも。トラブルオンラインでアバター作る時は全身スキャンして、それを最初の素体としてから身長やら顔つきやら、髪の毛やらをどんどんいじる。


 それこそパーツも調整できる部分も多くて、それだけで悩む人はずっと悩むし、逆に既存パーツをどんどん当てはめる人は当てはめて調整する。そして、そんなアバター制作の中には、種族決めもあるから羽やら角やら尻尾なんかのパーツも・・・。


「そう言えば華澄が神族アバターで羽生やしてたよね?あれって動かせるの?たまに羽ばたくみたいな感じで動かす人はいるけど。」


「一応動かせるわよ?でも、そこまでして動かさないかしら。その代わり、翼でモンスターを叩くなんて事はできるみたいだけど。」


「そこは尻尾と同じ感じか・・・。どのみち岩戸さんがこないと分からないかぁ〜。アバターキャンペーンとかやってたから、なにかパーツが増えてるかもしれないし・・・。」


 その前に、ブライトがブライトで良かった?と、言うか俺が亜人で良かった!下手に供物族とか選ぶと外を出歩く難易度がベリーハードからナイトメアに突入する・・・。なにせ、単眼箱ヘッドがデフォだし。


  挿絵(By みてみん)


 でも、逆を言えばそれを成立させられるのだろうか?単眼の症例はあると言ってたし、トラブルオンラインが俺のルールだとするなら成立は出来そうだけど・・・。


「私は朝食を置いて戻ります。」


「ブライトには会えますか?」


「今のところは大丈夫でしょう、食事も取れてますし。」


「食ってるなら一応は大丈夫か。・・・、メイプルシロップってあります?ないならカブトムシが食べる餌でもいいんですけど。」


「メイプルシロップはどうにかなるかもしれませんが、カブトムシの餌はちょっと・・・。なぜカブトムシの餌が?」


「前に話したときに樹液を飲むって言ってたので、もしかしたら趣向的にそういう物が好みかなぁと。いや・・・、野菜とか果物が好き?」


「それは本人から聞くとしましょう。ただ、なにか根拠が?」


「ユニットを動かすならバイオ燃料。それがトラブルオンラインのルールです。それが確実ってわけではないですけど、もしかしたらタンパク質と野菜で吸収率が上がるかもしれません。」


「一応、今朝は米と鶏肉を食べてもらいました。今回の食事と照らし合わせて、その部分も見てみましょう。面会については後で呼びに来ます、では。」


 三枝先生は部屋を出ていったけど、なにやら電気精神体を受肉させるより大事になってるような・・・。いや、大事になるしかないのか。少なくとも電気精神体は人間からの派生と言う部分がある。でも、ブライトに関して言えばそんな背景もなく、更に基盤は弱い。


 それになにより・・・。本人は妖精と言い張るしゲームやってる人からすれば、邪悪なる妖精王は絶対ではないけど見るよな?普通に神秘洞窟周回して素材集めたりして、ボステーブルに乗ってるんだから、確実とは言わないでも見てる人は見てる。


 更に言えば邪神リローデッドイベントで、神秘洞窟周辺に邪神の塔が現れて、内部ボスも放出されたから知名度だけならかなり上がった?う〜ん・・・、プレーヤー人口をざっくりと10万人とする。


 その中でどれくらいがアクティブかは別として、邪神の塔への飛び移り配信はかなり同接数が跳ねてた。それを考えると、あそこに挑んだプレーヤーは概ね邪悪なる妖精王を見たことになる。それをそのまま基盤とできるなら?


「難しい顔してどうしたの?もっと朝ごはんが欲しいなら、何か買ってくるけど。」


「いや・・・、例えば電気精神体が名前を10万人に知られるのと、姿も形もあるブライトが10万人に知られるのはどっちが強いと思う?」


「10万人に聞かれる曲と10万人を集客できるアーティスト。どちらが知名度は上かしら?」


「アーティストだね。なら、ブライトは電気精神体よりももしかしたら盤石?」

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