245話 テルマエ?
華澄の胸で耳が潰れる。まぁ横にペタンとしてればいいか。これも練習したからナチュラルにできる。多分、そのうち撮れ高につながるはず!と、言うかここに男物の服とかないよな?TPOでも弁えてるのか、毎回服着てでてきたのに今回だけ全裸とかやめて欲しい。
「とりあえず服どうします?」
「牛丼もっちゃもっちゃ食いながら言うセリフではないですが・・・、どうしましょうか?」
「白衣とか着せときます?或いはローマ風?」
「この病院に勤めるお二人は宿直があるはずですが、お泊りセット等の準備は?」
「いや、華澄。ブライトに女物の下着はちょっと・・・。ん?醤油・・・、豚骨味噌ラーメン?なんかガーリックバターの香りもしますけど。」
「珍しいタイプのラーメンで普通なら香味油のところ、このカップ麺には固形ガーリックバターが入っています。」
「へ〜、ネットで見かけたら買ってみようかなぁ〜。結構美味しそうだし。と、言うかいつお湯沸かしたんです?」
「この部屋には小型電気ケトルがあるんですよ。私としても正しい生活週間を目指したいるのですが、それでもこうして夜中まで研究をしていることもあります。敷田さん、流石に羊羹とラムネとどら焼では糖分過多です。」
「頭使うと糖分欲しくなっちゃって。でも、後どれくらいで終わるんですかね?」
敷田さんそんなもん食ってるのか・・・、確かに甘いな。むしろ、そのまま行くと糖尿病に・・・。まぁ、ナノマシンがあれば糖尿病と診断されてもほぼ日常生活はおくれる。逆を言えばほぼだから、定期受診とかしないと普通に悪化する。
「いや、ほぼ一瞬と言うか桃だけの時はスッと現れる感じだったじゃないですか。・・・、先に言いますけど、私は目隠しされてて見れませんからね?」
「・・・。敷田さん、酸素供給は?」
「マスクからですけど、それも付けてない?と、言うか暴れもしない?」
「マリちゃん!水中行動時間は!?」
「1時間!ノーリスクなら30分!」
「おや?なにやら医療ポットの表面にブライトが手を・・・。」
「桃を食べてからもうすぐ30分経過します!」
「強制排水!或いはブライトさん、聞こえるなら横の酸素マスクをつけてください!」
「華澄、今どうなってる?」
「ブライトがマスクを付けて、溶液は排水されてるわね。真利の感覚としては?」
「う〜ん・・・、危ないとは感じないけど・・・。ねぇ、雪女。奪衣婆って着てるもの追い剥ぎして木に引っ掛けて、そのしなりで罪を見るんだったよね?」
「脱がすのが婆様で掛けるのは爺様。まぁ、今はその爺様の事を語る者も少ないがの。」
「それって、解釈を変えると人間じゃなくなるって事だよね?」
「・・・、なにが言いたい巫女殿。」
「いや、ブライトはブライトとしてのデータがあるけど、そのデータってのがメインコアに入れたものとするなら、血肉と核と羽なんだよ。だから、それ以外にを後付されたものとするなら、全裸が正解なのかなぁ〜と。」
妖精王を倒してドロップした核に血肉に羽。そして、その後にドロップしたメインコア。こんな事態になるなんて考えたなかったし、育てられればいっか!程度にやって今ここ。
別にあの時の判断が悪かったとは思わないし、仮に羽を入れてなかったら飛べなかったと言われたら、それはそれでもったいない。でも、逆に羽を入れなければ羽のない妖精王と言うかブライトが出てきていたのだろうか?
・・・、よそう。それはもう罪のあり方の話になってしまうから・・・。と、言うかブライトってなんの罪もないから普通に天国なんじゃない?この世が地獄と言うならそれまでだけどさ。
「ブライトって今話せる?」
「四つん這いでむせながらブラブラ・・・。」
「なにがとは聞かないけど、華澄もあんまり見ないほうがいいんじゃない?」
「私はいいのよ。真利のを見慣れてるから。」
「言わないでよ、懐かしくなるから。まぁ、今は大麻があるからいいとして、結局服はどうしようか?」
「患者衣使うみたいよ?」
「患者衣?羽が邪魔そうだけど。なんにせよ下履いたら手をどけてよ?」
「履いたらいいわよ。どのみち真利が見ないと判断できないところもあると思うし。」
華澄はいいとして・・・、そもそもここで男の全裸見て騒ぐ奴っている?元男に刑事に医者2人。あるとすれば雪女だろうけど、その雪女も雪山に男を幽閉して新婚生活楽しむような感じなんだろうし・・・。そんな話をしていると華澄からの目隠しも取れた。
「ツキ・・・。」
「とりあえず桃残り2つ、さっさと食べる。」
「あ、あぁ。ここは稀人郷でいいんだな?」
「稀人郷・・・、間違いないよ。ただ、私達は現実世界って呼んでるけどね。」
腰巻き姿のブライトに桃を手渡し食べさせる。多分、これでいいと思うけどどうだろうか?姫子さんの時のようになにか足りないと言う感じもしないし。と、言うか今から俺がトラブルオンラインにログインしたらどうなるんだろうか?また省エネモードのブライトがいる?
「そうか・・・、我はちゃんと来れたのだな。」
「ちゃんと来れた?どう言う意味?」
「うむ・・・、例えば。自身が信じる大いなる者が頼り信じる者があるとするなら、ツキはどうする?」
「う〜ん・・・、気にしないかな?別に人間関係もそれぞれだし、誰か1人のことを完璧に分かることはない。そして、自分が信じていても、それが確実に正解とも言えない。だってそうじゃない。日華が落ちるときに焼かれたNPC達に感情があったら、全員が全員バン・ホーになることを望んでいたとは言えないし。」
だからこそ名もなき兵士はバン・ホーとしか呼べないんだけどね。相手を慮る事はできてもそれはあくまで考えただけで、本当にそう納得していたのかは分からない。だからこそ、俺は話す道を選んだのだし。
「相手を完全に理解すれば、より寄り添うこともできると思うが?」
「完全に理解したらお互いになにもしないんじゃない?もしくは喧嘩とか?下手したら同じタイミングで喉乾いて飲み物持ってきてって声上げるかもしれないし、どっちが取り行くかで言い合うし。」
「我が取ってくるが?」
「話す前にそれをしたら理解じゃなくて隷属だよ。主張なく示す行動は時として体のいい駒にされる。別にそれでいいというなら止めはしないけど、それをするなら私は妖怪食っちゃ寝のままベッドで過ごす・・・。」
あ〜・・・、自分で言っててこれは暇だと分かる。八百理事も暇になるって言ってたけど、どんな形であれ止まり続けて最終的に出る答えは暇だし、その場しか見れないから視野も広がらない。
「話すのは後にして、先に検査等をしてよろしいですか?」
「む・・・。」
「私は三枝 時子といいます。こちらにいる敷田の上司です。」
「神社ぶりですブライトさん、一旦体を調べさせてくださね。今のナノマシンが安定しているか調べないと、また腹ペコやらエネルギー不足にも・・・。」
「いや・・・、不思議なことに今は安定していると思う。」




