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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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243話 誰が納得する? 挿絵あり

 そう。それが認識を育てる存在証明。そんな存在証明を真正面からぶん殴るのが物理境界線。でも、人ってその物理境界線を勝手に壊し続けてるから、多分問題ない。なにせ、幽霊は見えないのに幽霊の絵はある。


 天使を見たことないのに天使の絵もある。なんなら仏像やらも沢山あるし、御神体と言って木やら剣も奉る。そう考えると、人は見えないものを見ようとして勝手に形を与え続けてるんだよなぁ〜。


 偶像崇拝禁止?禁止されても言葉で伝えて勝手に神様作ってるんだよ!まぁ、人に都合のいい神様をと言う部分が強くて、逆に都合の悪い神様は敵認定されてるけどさ。


「そりゃぁ、電気精神体も怒るし曖昧でいさせろって言うよなぁ〜。押し付けだし。と、そろそろ時間か。領地へ戻ろうか、ブライト。・・・、ブライト?」


「いや、なんでもない。」


「そう?ならいいけど。」


 面倒な事するなぁ・・・。普通のゲームならNPCに話しかければ普通に返す。医療提携型だからこそ、聞こえなかったやら別のことを考えていたが成立するし、本当に耳が聞こえないも成立する。


 流石に手話覚えろと言うところまで踏み込みはしないけど、簡単なハンドサインやら筆談、或いはNPCのジェスチャーでなにを伝えたいかを考えるなんてこともある。プレーヤー同士?メッセージも吹き出しもあるからプレーには困らないよ・・・。


 なにせ、考えた言葉をそのまま、本人が送ると思えばメッセージとして送れるんだしねぇ。そんな事を思いつつ、領地に戻って桃を渡す。渡す・・・。


「ちょっとそれ返して。」


「なぜだ?やらんぞ?」


「いや、今の桃はそこら辺の倉庫から出した桃。でも、多分それじゃダメなんだよ。」


 雪山でブライトを・・・、ブライトになる前の妖精王と呼んでいた時代のブライトを帰した時は、残った桃の種が俺の中にスッと入ってきた。そこでラベル不一致と考えたけど、そもそも大多数が入り込める妖精王と言うラベルじゃあ意味がない。


 それはもう姫子さんが証明した。なら、これから渡す桃は文字通りトラブルオンライン内で俺の中から取り出した桃。ブライトが不思議そうに見ている中で、一度インベントリに桃を入れて取り出す。


「これでいいのか?なにが違うか分からんが。」


「多分違う。そもそも妖精王の頃に私はブライトに桃を3つあげて、その種は全部私の中に消えた。なら、こうして私が取り出した桃を食べるってしておけば、種は確実に消えた種だしブライトが確実に来るでしょう?」


「どこかまじないのようだな。」


「そりゃぁ、巫女だからねぇ。お守りもおまじない、お祓いもおまじない。なんなら神託もおまじない・・・。いいことを教えて進ぜよう!まじないは漢字にすると呪い。それすなわち、口うるさく兄から教えられたってことで、経験則をバカにするなと言う意味がある!」


「そうなのか・・・。と、信じると思うなツキ!本来は神聖な祈りや言霊だろう!」


「だから、兄なんだよ。弟か妹に伝える神聖な言葉。それは本人がやらかして怒られて学んだ経験則。名前つけるときに言ったじゃん、三郎とかがいいって。上に2人もいれば三男坊はかなり学べる。」


「だから・・・、流石に今から三郎はマズイだろう?」


「マズイと言うか、美形白人が三郎だと破壊力は上がる的な?なんにせよ設定では弟なんだから、暴虐なる姉の言うことには逆らわず盲目的に信じ、要請には速やかに答えること。」


「・・・、配信ではマイシスターと呼べばいいか?」


「それだと姉か妹が確定しない!と、言うかどこ語録?」


「九品仏?世界が我を呼んでいる気がする・・・。」


「学習範囲どうなってんだよ・・・。」


 と、言いつつも人が作ったものから学習するのもAIの手段なんだよなぁ〜。電子書籍に著作権切れの書籍、個人小説にネットゲーム。結局は文章を媒体として電子化されて且つ、それが読めるならAIはすぐに知識として引っ張ってくる。


 リアルアレイスターと化した東京図書館とか、一度は行ってみたい。もしくは、滑り台のある海外の図書館とか?流石に本燃やしたら怒られるから、やるなよ絶対。捕まるよ、マジで。


「まぁいいや。どうせ過去にあった戦争歴史読み込ませすぎて、AIが人殺しOK判定下すのを回避のために、それ以外のサブカルとかを戦争史以上に詰め込んだ名残なんだろうし。じゃ、そろそろ行くから!また後で。」


 ゲームからログアウト。昼食が遅かったせいか夕食が早く感じるな。まぁ、普通に食うけど。そんな夕食を持ってきてくれたのは敷田さん。今晩実験・・・で、いいのかは分からないけど立ち会うのだろう。


「マリちゃん、マリちゃん。とうとうこの時が来ましたね。」


「そうですね。とうとう来てしまったのかも知れません。」


「いや〜、ハルPとしても腕がなります。なにします?合法的に外に出て活動できるなら、存在証明としても色々できますけど。」


「いやいや、気が早いですって。確かに合法的に外には出れますけど、先ずは下見と言うかならしから始めないと危なくないですか?」


「別にマリちゃんが出る必要はないんじゃないですか?姫子さんは見た目だけなら普通の人ですし。」


「姫子さん?それよりもブライトじゃないですか?今度は羽の生えた人ですよ?」


「ブライトさん?なんでまたブライトさん?」


「えっ?」


「えっ?」


「受肉後の話しですよね?」


「チャンネルを箱として運用する話ですけど?」


 敷田さんが年明けから飛ばしてるなぁ〜。確かに人数が増えて全員存在証明が必要と言う話なら、箱としてのチャンネル運用は理にかなっている。でも、それって既に百鬼夜行状態なんじゃ・・・。違いがあるとすれば、呪いはないけど笑いはあるとか?


 どうせ練り歩くなら大名行列よりもちんどん屋の方が面白そうだし、なにより仮装行列なら全員紛れ込める。なにせ、周りもトンチキな格好してるんだろうし。


 挿絵(By みてみん)


「箱・・・。そもそも私はいいとして、ブライトは外に出してもいいんですか?」


「いい悪い以前に、そんなに長く留まらせるんですか?首を切って戻すと考えてましたけど。」


「・・・。仮に・・・、仮にですよ?ブライトの首を落とすのはOKで、姫子さんの首を落としたらダメな理由ってなんですか?」


「そんなもの、マリちゃんが納得する答え以外ありませんよ?」


「そんなサラッと・・・。」


「サラッとではないですよ。医者としての持論ですけど、例えば無理心中しようとした殺人犯を延命できたのに、殺された側を助けられなかった。それをどうして?と考えた時に、自分の技量不足も機器の技量不足もなんなら、運ばれた時間と応急処置も考えます。でも、結局はそんな事を考えても今はなくて、これからどうするのか?なんですよね。」


「う〜ん・・・。納得する理由・・・。」


 性別は関係ないし、触れ合った時間を考えればブライトの方が上。なんなら、姫子さんは木本さんの嫁だから管理対象じゃないからとか?なら、自分の管理対象なら好きにしていいのかと問われると、そんなことはない・・・、と思う。


 古い時代には毒親なる言葉があったらしい。子を所有物にするとか、政略結婚の道具にするとか、或いはずっと子を頼り続けるとか・・・。俺には子供がいないから分からないけど、そんなに雑に扱っていいものではないし、逆に大切にしすぎてもおかしくなる。


「・・・、ない?」


「逆にあったら私も知りたいですね、その理由。」


「・・・、一緒にゲームで旅したいとか?」


「こっちで旅すればいいんじゃないですか?」


「う〜ん・・・、やっぱり苦しそうなのを見たくないから介錯?」


「それを今晩試すんじゃないですか?」


「なるほど、納得するのは商談以上に難しい。でも独り善がりで互いに納得するなら、それはまた別の形での納得なのかもしれませんね。」

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