241話 オケアノス
三枝先生が準備しにいなくなった間に昼飯を食べて再びゲームへログイン!デイリークエストやってなかったから、今の時間軸の方を選択すると杭はインベントリに送られて入ってる。この場合のスタート地点は領地か。
そんな領地にいるブライトと挨拶を交わしつつ、そのまま連れて外に出ると、御霊送りをしている日華へ出る。学生が多いのかやはり人は多いなぁ〜。逃亡して2章やってたから追う人はいないけど、見つけられたら追われるかも。
まぁ、どこかで配信して2章やるから、杭集めは出来ないとでも宣言するかな。成り行きで始めてしまった2章だけど、時間軸考えると2章から始めて1章がいい風にも思うし。流石にここで両方の章を進めても、変に混乱しそうだしストーリーも楽しめない。
「そして、今日のデイリーは色塗り・・・。うげっ!梵字かよ・・・。」
筆やらハケで指定された建物の修繕箇所見つけて、ペタペタ塗るタイプならそこまで面倒じゃない。逆にぬり絵みたいに色塗りするタイプは、はみ出しとかに厳しいから結構面倒。誰が梵字とか使うんだよ・・・。墓石とか作る人?そんな事を思いつつペタペタ筆で梵字の形を整えていく。ちっ!少しはみ出した。もう一枚!
「とりあえず、デイリー終了。この後は闘技場でサクッと死んでから2章進めようかなぁ〜。それとも先に今もマップ整理か?」
「ツキは大体の所は旅したんじゃないのか?かなりポータルで行けるところも多いが。」
「そりゃあかぐやまで行ったしねぇ。時には観光に時にはクエストで、色々ビューポイント巡りもしたよ。ほら、アルバム。」
スクショとは別にあるアルバム昨日。スクショがプレーヤーの勝手な写真だとするなら、アルバムは運営がご褒美的に設定した観光スポット。まぁ、楽に行けるかは別とする。海底とかそれこそもう、かなりめんどいし。
「ほう・・・、この海底神殿は?」
「あぁ、それ?なんかギルティ方面の依頼で難破船のサルベージってのがあってね・・・。」
とりあえず、プレーヤーは海の上を走ったり魔法で足裏水上スキーしたりもできる。それとは別に普通に泳げるし、潜れる。ここは緩いと言うかゲーム的で、潜ると時計マークが出て30分は何もない。そこを超えると、視界が暗くなっていきゼロで死亡。合計1時間潜れるけど特に苦しさとかはないな。
水泡がボコボコ上がってるところやら、下手したら普通の魚とかから出る水泡からもゲージが回復できるし、泳ぎの不得意な人が泳げるようになるための措置でもある。今時中々学校にプールがあるところも少ないのよね・・・。
と、言うかブライトが海底神殿に反応するとか、もしかしてここもなにか過去と関係がある?う〜ん・・・、今の時間軸で過去を掘ってもネタバレで面白くないしなぁ〜。でも、ちょっと気になるし・・・。
「ドン・スミスに会えたらあってみるかなぁ〜。」
「隠された街へ行くのか?我は構わぬが、行くなら早くしたほうがいいと思うぞ?」
「え・・・。」
ブライトがキョロキョロしているので、俺も辺りを見回す。相変わらず弟子募集、師匠募集、杭を買い取る、杭の欠片を買い取ると旗を掲げる人も多いし、2章に突入した人たちはそれを尻目に足早に立ち去る。
まぁ、2章へ行くのに杭が手放せないからなぁ〜。そして、プレーヤーからプレーヤーがなにかを盗むことも出来ない。結果として、買取やら交渉という話になってくる。でも、それでも解決策がないわけでもない。弟子募集の人は師匠募集の人見つけて一緒に旅しに行ったしね。
「ツキさんですよね、これから一緒に1章を!」
「サヨナラ!私は2章からプレーするんで1章できません!ブライト走るよー!!」
走って逃げてフィールドへ!日華周辺は砂漠、北へ向かへば雪国アレイスター。そんな中で探すのは名も無き村。どこでもいいから見つけられればいいけど、名もなき村は勝手に潰れたり勝手に出来たり、下手すると遊牧民風のキャラバンだったりと、見つからない時はかなり見つからない。
「そこの盗賊ー!!死ね!」
『稀人か!ゴールド置いてけーー!!』
『チャージアタックー!!突撃だーー!!』
『援護は任せろ!精密射撃!』
「なんだ?盗賊狩りか?」
「いんや?あの盗賊頭の馬だけはどうにかして残して!オラっ!お前は落ちろ!そして死ね!」
『ぎゃ!』
さっさと盗賊モンスターを倒しまくって、お頭もサクッと倒して馬ゲット!流石に砂クジラとかを相手にしたくないし、潜伏するならドン・スミスのところがやっぱりいいか。なにせ、さっきも追われたし。
「ほら、いい子いい子。ブライトは後ろに乗るか馬に乗って紐を括り付けて。」
「これでいいか?」
「多分?流石にこれは初めてだからねぇ。まぁ、大丈夫だとは思うよ?」
「待て。その毎回未確認なのはどうにかならないのか?」
「無理無理。だってメイン・コア・・・、ブライトを連れて移動犯罪都市オケアノスへ行った人なんて知らないし!認証コード、裏で笑う者ツキ。」
『コードが認証されました、オケアノスへ向かいます。』
称号の裏で笑う者を馬に認証させて走らせる。知らない人は知らないし、そもそもオケアノス自体がメインストーリーに絡まないとされるから、ほぼサブコンテンツなのよね。そして、捕まえた馬が走っても直接オケアノスに行けるとは限らない。
なにせオケアノス自体が空飛んでたり海に浮かんでたり、下手したら地中にあったりするし、称号持ってないと入れないし。馬が走り出して少しすると名もなき村についたので、ローブをすっぽり被ったNPCを探し称号を提示。そうすると、移動ポータルなる俺達プレーヤーが欲しがるものを見せてくる・・・。
絶対に戦うなよ?コイツ・・・、上級騎士くらい強いし倒しても『移動ポータルはドロップしません』と、倒した後に表示されるからな?
「気になったんだけど、ブライトはいいの?」
「それは稀人さんの一部でしょう?我々がどうこうすることはありません。」
「なるほど、そう言う処理か。なら、ブライト行こうか。どこに出るかな、どこにあるかな?」
ポータルを使って移動犯罪都市オケアノスの前へ。なんで中じゃないかって?2重チェックです・・・。いきなり街中へ飛んだら、犯罪系の称号持ってない人も来れるかもと言う処置だろう。とりあえず、周囲を見回すけど・・・。
「ここは空の上か?」
「多分海上の空の上。私達は空が飛べないし、特定の誰かしかこれないを作るならこれが1番かなぁ。さぁ、眺めはいいけど中に入ろうか。門番さーん、中に入れて〜。悪い狐が来ましたよ〜。」
「むっ!・・・、認証コードを確認しました。どうぞ中へお入りください。」
扉が開かれたので中へ。中はまぁ、普通の街である。ただ、イベントやらを繰り返して来てから見ると、これもまた昔は宇宙にあったのかな?所々に幾何学模様のなにかが少し見え隠れするし。
「割とここにも稀人は多いのだな。」
「そりゃぁ、悪人と言うか犯罪プレーするとお声がかかるしねぇ。」
街で盗みやら器物破損やらをしていると、上級騎士に殺されたり普通の騎士に追われたりする。でもそれを繰り返し称号を得ると、今度はオケアノス側からお声が掛かる。割と面白いのは、分かっててもなぜかそんな事をするプレーヤーが一定数いること。
流石に壺破壊1回じゃ称号はくれないし、盗みも1回だと買取で手打ちなんて話もある。でも、やる人は繰り返すのよねぇ。そして最後は普通の街NPCから舌打ちされたり、信用度が低くなったりしていく。
「しかし、ツキはなにをしたんだ?」
「大体の悪い事はやった。でも、捕まらなかった。だから、私には称号と言う事実が残ったけど、周りからは一般人。へっへっへっ・・・、割といい称号なのよ?これ。ギルティ方面の依頼受けると、高確率で潜入して何々ってのが出るけど。」
「前に言っていたサーカスか?」
「そうそう。変なモーション覚えたりするのはここが多いかな?まぁ、モーションなくても自分で動けば出来ないこともないけどねぇ。」
人はお手玉が出来ないのか?答えはできる。なら、それが5つの玉で出来るのか?それは高度技能では?でも、頑張れば出来る。なら、瓶とナイフでやって?=大道芸だぞ?それ!となる。モーションもアシスト付けて練習するか最初から自力なのかの違いなんだよねぇ。
「ブライトはここしってる?」
「知らんな。我からすれば、なぜこうなると分かっていてやるかが分からん。」
「まぁ、それが多分普通の感覚だよ。と、言うかここのNPC殆どがスッポリ頭からローブ被ってて分かりづらい!前からそうだけど、もちっとどうにかならないのかな・・・。」
一応、種族はわかるよ?三角の盛り上がりなら亜人、四角い盛り上がりなら供物族、耳が横に長ければ神族で、ローブから1本角が出ていれば魔族。人族?なんもついてないやつだろ、それ。
「咎人は顔を隠す。古くからの習わしだ。」
「まぁ、ドン・スミスとプレーヤーだけは顔出しだけどね。いや、面布付けて私も顔を隠しておく?ちょっとギルド行って掲示板見てから考えるか。」
スタスタ街中を歩きギルドへ。この都市ならではの依頼と言うか・・・、相変わらず王家へ潜入やら、どこどこの貴族暗殺、裏帳簿の奪取にアイテムの賭け試合なんてものが・・・。そしてここにも杭難民がいるなぁ〜。と、言うか変な人が杭を出す代わりに、獲得条件が俺に土をつけることなんて言う中々な客引き決闘モードな人も・・・。
「って、クインズさんかよ・・・。」
「クインズさんだよ・・・。」
「ん?おおっ!陸亀さん、ハロ〜。」
「ツキさんにブライトもハロ〜。なに?なんでまたここに?潜入任務とかしたくなった?」
「いや〜、追う側から追われる側になりまして・・・。」
「ツキは稀人達に、共に今を進めようと願われながら追われてな。」
「杭が足りない人達か。若いねぇ、全く。」
「ですねぇ。トラブルオンラインの運営は悪い文明。だから、私達が思いつく悪い事は大体運営はやる。」
「そして、思いもよらない悪い事もやる。まぁ、割と杭難民は効率重視者だけみたいだそうだ。なにせ、交換を限界までやってそれでも足りないと、最後にはゴールドにしちゃったからな。」
「それよりも稀人クインズはどうなのだ?」
「ん?ブライトはそこが気になるのか。今は盛大にPvPを楽しんでるみたいだぞ?闘技場でバトルが成立して、顔見られたらそのまま介錯してくれって人もいたらしいが、今は本気で闘いにきてるってな。」
「まぁ、勝ちさえすれば杭1本はある意味魅力的かぁ。なにせ、制限付けて一試合5分とかで回してもかなり遊べるし。なによりここにいる人って、半端なレベルってわけでもないし。」
オケアノスで依頼を受けること自体が高難易度!なにせ、レベル足切りが最低170以上。メインストーリーを攻略出来るギリギリが150くらいで、楽に攻略するなら200と言われる中で考えると、やっぱり中間エンドコンテンツ枠なんだよなぁ〜。まぁ、面白いからたまに受けるけどさ。
「稀人陸亀よ、その中で勝ったものは?」
「いはするよ。流石に殿堂入りのクインズと言っても、無敗のクインズじゃない。そんなプレーヤーがいたら、プレーヤーは先に興味を失う。だって、それってただの壊せないオブジェクトだろ?まぁ、その勝ちを拾うのが難しいから挑む側も全力。挑まれるクインズも全力なんだけどね。」
「うわぁ〜。見れるならその試合見たいかも。なにせ?真正面から?それとも徹底的に距離開けてからの削り?」
「ツキさんも分かってるだろ?古参になればなるほど、お気に入りの武器は決まってくる。でも、それでもプレーヤーはオールマイティになっていく。武器の変更やら種族、体型、果てはモーションまでな。俺も挑んだけど、ジャストガード外しされてぶん殴られた。」
「やっぱりつぇぇ~。まぁ、私は逃げてる狐なのでわざわざ挑まない!もう2章始めてるし!」
「まぁ、逃げ込むならここはある意味いい隠れ家か。まぁ、なにかあったらメッセージくれ。まだ正月休みでそこそこ昼間にもログインしてるから。」
「あいあい、その時はお願いしましょうかねぇ。」
そんな話を終えて陸亀さんはなにやらクエストへ行くようだ。俺の方としてはオケアノスの寺院と言うかドン・スミスなんだよなぁ。なにせ、ドン・スミスは寺院にいるし、その寺院からしかログイン中は2章へいけない。
没入感と言う人は多分、ログイン時から2章を選んでるんだろうなぁ〜。なにせ、プロローグ終えた時点で日華は燃えてたし、モンスターはせめて来てたし。
「さて、ブライト行こうか。」
「うむ。」




