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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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253/326

閑話 13 1歳の稀人

「秋吉くん、秋吉くん。」


「なんでしょうか卜部さん。」


 年始の宮内庁は忙しい。1日の早朝の祭祀から分刻みのスケジュールが組まれ、1/7の昭和天皇祭まで区切りがない。そんな中で私達は1日の四方拝に注力し、後は他の職員達に任せる。本質的に私達は皇宮護衛官であり警察官。ただ、それでも宮内庁職員と混同されることもすることも・・・。


「君、ゲーム得意?」


「ゲームですか?ジャンルにもよりますが、どのような?クローズドゲームですか?それともVRですか?」


 そして糸目の上司、卜部さん。いつも笑顔だけどどうも・・・。フットワークが軽いと言うか、元旦からこうしてあまり多くない人員のなか、電気精神体事案に目を光らせている。まぁ、俺はまだ体を鍛えろと言われて、毎日筋トレや剣技を練習したりしてる。


「VRだよ。」


「う〜ん・・・。実戦でも使えるから、全宇宙プロレスとか侍はプレーしましたよ?」


 両方とも良かった。チマチマと考えずに、とりあえず殴ればいい。HPバーもなく、プロレスなら技を掛け合ってスリーカウント。侍なら一撃で相手をどう倒すか考える。シンプルなゲームで割とやってる人は多い。


「仕事熱心なのはいいことだよ秋吉くん。トラブルオンライン、このタイトルは?」


「確か年末年始でバンバンコマーシャル出してたのは見ました。でもMMOですよね?マッチングして戦って再マッチングして鍛えてって言う格闘ゲーム系ならいいですけど、レベルを上げたりしながら装備変えてチマチマやるのは・・・。」


「うん。君は多少せっかちなところがある。だからトラブルオンラインをプレーして・・・、可能ならツキ。後ろにナンバリングのない、ただのツキと言うプレーヤーに近づいてほしい。」


「それは・・・、かなり難しくありませんか?プレー人口次第では一生出会わないプレーヤーもいますよね?」


 卜部さんがなにを指示したいのか?それは俺には分からない。多分、木本さんとか柊さんなら分かるのかもしれない。2人は先輩で俺よりも先輩の人数なんて考えるのがバカらしくなる。いや、協力者もいるから実質的な先輩は少い?いや、今卜部さんからせっかちとも言われたしな・・・。


「あぁ。だからレベル上げ。雑魚いプレーヤーを紹介しても仕方がない。最初からカンストしたアバターを渡しても、挙動でバレる。だから、手っ取り早く初心者にプレーしてもらう。」


「・・・、期限とかは?」


 公務としてゲームをしろと言われて、嫌がる人はいるのだろうか?手放しで喜べる奴は多分好きなジャンルしかしてこなかった奴。悩む俺はある程度好き嫌いがある人。仮にパズルゲームが好きな奴が格闘ゲームをしろと言われると苦痛になる。


 なにせ判断が違う。特にVRならなおさらで殴って蹴ってコンボを繋げて相手を倒すのと、旗を立てて地雷除去をさせられるのでは、時間の感覚が違う。


 そして、俺は後者よりも前者の方が好きだ。シンプルでいい。自分のアバターを使い体を使い、脳波で判定が出るにしても、明暗ははっきりする。VRMMOを俺の感覚で言うなら自分育成ゲームだろうか?


 脳波によるフィールドバックは侮れないにしても、レベルのない現実世界を考えると、どこまで強くなったのかは分からなくなってくる。


「う〜ん・・・、早いほうがいいとは思う。でも・・・、メインストーリー。それはできるだけ進めないで欲しい。」


「なにか意図が?」


「接触する手立ては多い方がい。そのツキと言うプレーヤーは1章のメインストーリーを未攻略なんでね。」


 変なオーダーだとは思う。さっさと協力者に強いアバターと言うか、動けるアバターを用意してもらい、任務に支障のない範囲でデータを用意ししてもらえばとも思う。しかし、トラブルオンラインは確か医療提携型VRMMO。下手なチートと言うか、データ改ざんはアマテラスに弾かれる。


「分かりました、頑張ってみます。」


「頼むよ。今からインストールしてくれたまえ。」


 そう言われてゲームを持ち運べるようスマホへインストール。色々と悩んだがアバターを持ち込むのではなく、新たなアバターとして始める。インストールが終わり、全身スキャンを経て目の前には、自身と似た形のアバターがいてシステム音声が響く。


『種族を選定して下さい。この種族はアンインストールするまで変更できません。詳しくは詳細を観覧して下さい。※各種障害に対応していますが、不明な部分は脳波チャットで質問して下さい。』


 目の前には各種族のオーソドックスな姿が並ぶ。当然、男女及びその他の姿で、だ。性別はいいとして各種族の詳細を見ると育ちやすさが見える。但し、プレーヤー側の行動でその育ちやすさも変わるようだ。


 そうなると、どうする?種族としては5つ。人族はオーソドックスに人間。魔法防御と物理防御が最も育ちやすく他は並。神族は速度と魔法攻撃力が高い。魔族は魔法防御と物理攻撃力が高く、供物族は命中率が最も育ちやすく次にHPがそこそこ育ちやすい。最後に亜人族は魔法攻撃力と物理攻撃力が高いかわりにHPは最も育ちにくい。一長一短と言えばそれまで。なら、聞いてみよう。


「体型ボーナスがあるとCMで見だが?」


『現在はキャラメイク中です。種族選択後も体型によるボーナスを参考に種族変更は可能です。』


「なるほど。なら・・・。」


 一旦人族を選びプレビュー状態で脳波同期を行い、違和感がないかを確かめる。目標が置いてあり利き目、反対の目、両目での見え方も違和感なく身長もそこまで違和感ははい。ほかの種族も試すが供物族は若干キャラメイクに気を使うか?


 箱型頭の単眼種族。常に効き目で見ている感じで、確かに命中率はいいのかもしれないが、個人的にはなにか違和感がある。まぁ、頭を変えていけば普通に両目ヘッドもあるから、それを選べばいいのか。


「体型メイクによるボーナス。」


『体型メイクによるボーナスは、主に身長や体重に起因してきます。身長を高くすればリーチへ。ふくよかな体型ならHPへと言うふうに反映されます。詳しくは一度試してください。』


 ステータスとアバターを見ながら体型をいじる。長身ふくよかならHPとリーチ。速度は中程度か?逆に体型そのままに身長を低くすればHPと防御力。代わりに速度はゲーム内での最低保証。


 なら、デメリットを潰そうと色々いじる。最低身長、最軽量を作ってみたが速度と回避率は高いものの紙防御力でHPは相当育ちにくい。種族と体型でこんなに悩むとは・・・。アバターのパーツを考えると、この他になにがあるか・・・。


「標準は?」


『アナタの考える標準は、ガンガン攻撃するタイプでよろしいですか?それならば亜人です。当たらなければどうと言うことはない。モンスターからの攻撃が当って死ねば再度チャレンジする。この表現は成人されている方に適応しています。マイルドな表現がいい場合は・・・。』


「そのままでいい。」


 性別は男でいい。問題はツキと言いうプレーヤーと接触すること。いや、ならどちらでもないか?中性的にされるかわりに、男女共に取れるアバターパーツが多い。種族は・・・、相手のプレースタイルが分からない以上、特化よりもオールマイティ?難しい・・・。


 仮に相手がタンクなら、俺がタンクだとポジション被りでいらないと言われるし、同じような攻めるタイプなら役割分担的にはタンクや回復、バフ要員が欲しいとも言える。卜部さんは知っているのだろう、ツキと言うプレーヤーを。しかし、せっかちって言われたしなぁ・・・。


 キャラメイクしつつネットで情報を漁るが、大きく出てくる情報とするなら、とりあえずプレーしろが多い。主な理由とするなら、キャラメイクで考えこむよりもさっさと始めてからプレースタイルを考えた方がいいらしい。但し、容姿はこだわれと・・・。


 確かにキャラメイク後のアバター変更と言うか種族変更不可なら、体型や容姿変更も不可とある。つまり、腕四本のアバターを作れば腕四本のアバターを使い続ける必要がある。確かに支援アームを日常的に使う土木作業員にはいいのかもしれないが、普段それを使わない人間には持て余す。むしろ、腕10本や尻尾10本はキャラメイクとして必要なのだろうか?


 目の前にあるアバタープレビューを見ながら、これは動かせるのか?と考えると、増えた腕も尻尾も結構動く。う〜む・・・。数が多い方がお得・・・。と、言うわけでもないだろう。下手に増やせばそこにダメージも貰いそうだし・・・。


「あぁ、そうだ。ペイン設定は?」


『ペイン設定・・・、痛みの設定はペインビジョンを利用しこれからとなります。最低値は軽く指で押される程度、最大でスネを階段にぶつける程度となります。連動器具等でのEMS効果はご本人設定なので考慮されません。また、連動器具での筋肉痛発生に関しましても、本ゲーム外での出来事とさせていただきます。』


「ふむ・・・、筋肉痛の事例。」


『筋肉痛の事例は主に全身連動器具を使用したプレーや、試練等で普段使わない筋肉を使用した動きを行った場合に報告があります。』


「それはいい。医療提携型以外は連動器具を使うなとか、非対応というものが多い。設定は全開にしてくれ、特に筋力負荷部分を連動器具に最大にするように指示。」


『サルコペニアに対する筋力アップトレーニング。アスリートに向けた高負荷トレーニング等の・・・。』


「アスリート向け、最高負荷。」


『本人による指示を了解しました。プレー後は筋肉を休めることをお勧めします。この設定はプレー開始後にも変更は可能です。詳しくはUIを確認して下さい。』


 高々ゲーム。確かに器具は家にいいものがあるにしても、俺は若い。体も鍛えているし、軽い負荷ではダメだろう。アマテラスも健康を推進しているのだし・・・。


 しかし、MMOとは考えることが多い。柊さんほど猪突猛進ではないにしても、逆を言えば柊さんくらい猪突猛進でも許されるのでは?木本さんの部下である柊さんは、ちょっと昼食に誘っても『彼氏がいるので行きませんが?』と、一切周りを見ないし・・・。美人な分、彼氏にちょっと嫉妬する。別れたはずなのに、いつのまにか寄りを戻してるし・・・。


 アバターをプレビューしつつ、脳波同期をさせつつ、また弄って同期して動かして・・・。おかしい、何故かゲームが始められない。かれこれ1時間近くアバターをいじくり回している気がするが・・・。


『正式には1時間2分です。』


「それはいい。ほかの人も?」


『ほかのプレーヤーで最長は2日です。』


「長い!しかし、目の色やパーツに体型まで考えると・・・。」


 多分、選べるパーツが多いのが悪い。種族と体型は決まった。しかし、髪型も長髪やらモヒカンやらアフロがある。別にそこにボーナスはないが、プロレスゲームをやっていると髪を掴まれることも・・・。


「えぇい!これで行く!」


『キャラメイクを終了しますか?YES/NO』


「YES!」


『アバターが作成されました。最後にアバター名をつけてください。同名の方がいる場合、名前の後ろにナンバーが付与されます。』


「むむむ・・・。アッキーは?」


『アッキー9999996359994です。よろしいですか?』


「却下!」


『アッキー9999996359994が却下されました。アッキー名をつけてください。』


 どうするべきか・・・。ありきたりな名前だと対象に有象無象の一部と思われないか?と、言うかAIがアッキーと呼んでくる。それほどまでにありきたりか?・・・、確かにあだ名を考えると『あき』から始まればアッキーと呼ばれる?


 くっ!どうしてこんな!卜部さんは飽きたのか仕事なのか席を外して、狩衣を着て帰ってきたし!どうする?ここでまだアバター作ってますと言えば、遅いと言われないか!?


「あから始まる採用されてない名前!」


『候補としては秋吉台、アローたけざき、変化球ならアンタッチャブルアッキー、ユックリ秋吉です。候補の中ではユックリ秋吉がオススメです。』


「ユックリ秋吉・・・、遅いのはいかんな。」


『ユックリ秋吉は遅くありません、すぐ死ぬだけです。そして、プレーヤーは死ぬものです。失敗を恐れるな!』


「死んでたまるか!秋吉台!その中なら秋吉台だ!」


『アバター名を秋吉台にしてよろしいですか?YES/NO。』


「YES!」


『プレーヤー名、秋吉台が稀人としてトラブルオンラインの世界にログインしました。ゲーム的チュートリアルを行ってください。』


 そう言われて流れるムービーをスキップ。そんなもんは要らん。さっさとレベル上げしつつツキと言うプレーヤーを探さなきゃならん。別に俺はこのゲームをしたいわけじゃない、任務なんだよ。


 そんな思いとは裏腹にAIからの指示で再度アバターを動かす。俯瞰視点と一人称視点。後から変更は可能だとしても、一人称視点の方がトレーニングをしている気分になるから一人称視点。そして、指示されて走る草原の先に長い刀を腰に下げた1人の猫人・・・、亜人か?


「む?新しい稀人かにゃぁ?」


「そうだ。そして、さっさとゲームを・・・っ!!」


「・・・、見えたかにゃあ?」


 走り寄る、それは普通の行為だろう。そんな俺の目の前には切先がある。恐ろしくリアルで、下手すれば切れると思えるその長い刀を、猫人はいつ抜刀したのか分からなかった。


「覚えておくにゃぁ・・・。拙者は切る気がなかった。だから、お前は切られなかった。モンスターは止まらないし普通に殴るし斬るし蹴る。稀人も稀人を殴るし斬る。まぁ、稀人同士で闘うのが嫌ならさっさと稀人に5回殺されるのがいいにゃぁ。そうすれば、その日は稀人に殺されなくて済むにゃぁ。」


________________________


  

 トラブルオンライン内ルールの説明が開始されます


 説明をスキップし、後からUI上で振り返ることも


 できます。


 スキップしますか?YES/NO 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 知っている、攻略サイトで見た。ここでYESを選択すると『トラブルによりPK対策以外観覧できません』と表示されるんだろ?確か緊急回避モーションは勝手に選択され、ヒールの指輪と武器一式はインベントリに送りつけられるらしいが・・・。


「俺はなにをすれば?」


「そこに座って左右の足の裏を見る。次にラジオ体操をする。最後に前転と側転をする。レッツゴーだにゃ〜。」


「足の裏を見ればいいんだな?」


「・・・、いきなり両方見てもいいけど、後ろに転がるにゃあ。」


 ちょんと額を押されて後ろに転がる。なるほど、物理アシストと言うか上手くバランスを取らないと崩される。軽快な音楽と指示が来るのでラジオ体操を思い浮かべるとその通りに動きつつも、多少ズレる。そして、前転と側転を僅差で側転の方がバランスを崩す。


「前転か側転を選ぶといいにゃあ。『緊急回避』と言いつつ選んだ行動を取ればそれが緊急回避になって、無敵時間がもらえるにゃあ。」


「なら、側転を選ぶ。」


「お前の緊急回避は側転だにゃあ。前転の緊急回避は選べないけど、それっぽいのはあるから欲しけりゃ後で探すといいにゃぁ。なにをするにしても宣言、この指輪を指に装備するにゃぁ。・・・、できたか?」


「出来・・・、た。」


 言い終わる頃には切られていた。赤いエフェクトが俺の肩から腹に薄っすらと舞う。最大設定のせいか爪で引っいたような鋭い痛みの後に鈍痛が・・・。


「ヒールを宣言するにゃぁ。そうすれば痛くないにゃぁ。※魔法やアーツ、バフを使用する場合は宣言して下さい。それが発動トリガーとなります。また失語症等の場合は、吹き出しでの宣言となります。」


「ヒール!」


 そう宣言すると、淡い光とともに傷が癒える。確かに痛みはなくなった。脳の錯覚だとしても、結構リアルに作ってあるな。これならトレーニングとしても期待できそうだ。


「うんうん、それでいいなぁ〜。後は武器セットと新たな稀人の来訪を祝して無料ガチャポイント。少しばかりの心付けにゴールドと、そこの宝箱の中身を渡すにゃぁ。」


「宝箱はいいとして、武器の扱いをここで慣れても?」


「勝手にするといいにゃぁ。」


 武器セットを選択すると、剣やナイフ銃なんてものが俺の周りに浮かぶ。どれもこれも木で出来たとあるが、説明的には普通にほかの剣とも打ち合える。その中から木刀を選択すれば、浮いていたものと変わらない木刀が俺の手の中に。


「いざ!勝負!」


「恩を仇で返すなら死ね。」


 抜刀する構え・・・、その構えを取る前に首には既に赤いエフェクトが・・・。また見えなかった。俺が抜くよりも先に猫人は刀を既に走らせ終わっていた。・・・、MMOのチュートリアルはこうも苛烈か。確かに恩を仇で返す・・・、勝負と言ったはずだが!?


「ヒー・・・。」


「浅いなら次は飛ばすにゃぁ。まだやるなら、やっぱりその首は飛ばすにゃぁ。大丈夫、稀人は死なないにゃぁ。」


「ル。今は勝てない。」


「知らないにゃあ。挑まずに負けを認めるか、挑んでから負けを認めるか。そして、挑んで負けを認めたから諦めるのか?拙者には判断できないにゃぁ。だってそれは秋吉台が決めることだにゃぁ。」


 ぐぬ・・・、秋吉台と呼ばれるとなんか惜しい事をしたように思う。そしてAIのセリフとしてはやけに人を焚き付ける。医療提携型VRMMO、それは軽いゲームではない。多くのプレーヤーからデータ提供をしてもらい、それを医療AIにフィールドバックして各病院や医師にデータとして渡す。


 確かにリハビリ患者に発破をかけるときに、どうかけるのか?どのような性格で、その相手にどのような言葉をかけるのがいいのか?と、いう部分は全て感覚になる。だが、それである程度の指標は欲しいのだろう。だから人は観測できる場を作った。そもそも脳波操作だから、ある程度はAI側に思考も流れるし・・・。


「ここに居残るのは?」


「暇なら日向ぼっこでもするといいにゃぁ。1歳の幼子が寝るのは世の常だなぁ〜。でも、寝る子は育っても外を知らないにゃあ。※ゲーム内でNPCはレベルを年齢として扱います。実際の年齢を指しての発言ではありません。」


「そうか・・・、再戦は?」


「再戦かにゃぁ?したいなら騎士団本部を訪ねて、猫三郎と再戦したいと言えば、気が向いたらしてやるにゃぁ。」


 気が向いたら・・・、それはレベルが上がり強くなったらと言うことだろう。確かに任務もあるが、漠然と作業をするよりもこの猫人亜人をどうやって倒すのか?を目標にするのもいい。ただ、レベルが上がればあの抜刀は見えるようになるものなのか?


「分かったが・・・、猫三郎。師匠は?」


「林崎流、夢想神伝流、無双直伝英信流、新田宮流は全て覚えたなぁ。林崎甚助、河上彦斎、田宮重正とはお友達だなぁ。」


「ぶっ・・・!ほぼ開祖や歴史上の偉人じゃないか!」


「さぁ?稀人の歴史なんて知らないにゃぁ。さて、どうする?行くならこの道をまっすぐ走れば、稀人が最初に立ち寄る街に行けるにゃぁ。」


「・・・、例えば真後ろに振り向いて走っていったら?」


「別に好きにするといいにゃぁ。ほかの稀人に会うかもしれないし、モンスターに食われるとか、踏み潰されるかもしれないにゃぁ。でも、それは秋吉台が選んだことだから、拙者が口を出すことじゃないにゃあ。」


「それは確かに・・・。」


 UIを開いてマップを見れば、稀人立ち寄りの街とピンが刺さらている。しかし、その他を見れば広大なマップが広がる。そのマップも拡大や縮小ができる事を考えると、やはりオープンワールドで広いと考えられる。


「行くならこれは個人的な餞別だにゃぁ。」


________________________

 

   ナイトメアキャッチー×1を拾得しました


※ 各プレイヤーが一度だけ復活できるアイテムで

 所有数は1となります。


 使用したくない場合はON/OFF設定より設定して下さい

 使用した場合、必要なら商店等で購入して下さい


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「ありがとう。ならまぁ、街に行くとする。」


「方向音痴や迷子なら拙者を呼ぶといいにゃぁ。今から秋吉台が行く街までは案内してやるにゃあ。ちなみに、拙者に斬りかかろうとした稀人は、山程いたから気にしなくてもいいにゃあ。」


「・・・、優しく教えることもあるんだよな?」


「1歳の稀人なんて、本当になにができるか分からないにゃぁ。だから、武器の持ち方が分からないと聞いてくるなら、丁寧に教えるにゃぁ。秋吉台はさっさと始めさせろタイプだったにゃぁ。せっかちか?」


 1日に2度そのセリフを聞くとは・・・。いや、しかし任務が!その前にツキというプレーヤーのレベルは?雑魚いプレーヤーを紹介しても仕方ない。確かに卜部さんはそう言っていたが・・・。


「猫三郎、最高年齢は?」


「稀人の最高年齢は250歳だにゃぁ。そこまで行った稀人は拙者でも楽には勝てないにゃあ。」


「なるほど、250か。なんにせよ、先ずは街へ行くとする。では。」


「良き旅を、秋吉台。」

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