230話 封印後の余韻
病院に着いてから別れ、そのまま病室へ。車に乗ってお酒も抜け出したので、そのままログインしてみる。考えてみればイベント中ハブにされたから終了には立ち会わないといけないんだよなぁ〜。
「皆さんこんばんは〜。」
>> む?こんばんは。逃走した狐さん
>> ドロンと消えたお狐様が復帰なされた!
>> 乙〜。イベント終了近いけど今から復帰?
もうすぐ終わるよ?
「いや〜。正月と言うことで、ちょっとお出かけしてました。ここは海洋戦艦の上ですけど、なにやら艦砲射撃したとかしないとか・・・。おぉ!邪神の塔でいいのかな?アームがへし折れてら〜。」
コメ通りアームは何本かへし折れている。ただ、全部折れていないところを見ると、運営としての譲歩がそこなのか、はたまたプレーヤーの行動であの本数しか折れなかったのかは判断に迷う。まぁ、両方かなあ?
「残ったプレーヤーは爆薬や弾薬運んでくれ!終了間近だが、モンスターからの攻撃は激しい!」
「アイサー!と、言うことで荷運びしましょう!」
弾薬箱を持って銃座へGo!NPCがバリバリ弾をばら撒いてるけど、あのミニガン欲しいなぁ。と、言うか使ってみたい。なにげにここの運営はNPCがイベントで使ってみせる→プレーヤーに払い下げと言うパターンも多い。そんな事を思いつつNPCを見ていると、代わってくれと言うので銃座へ。
「?・・・、弾が出ない?」
>> それアイドリングいるよ〜
>> 亜音速で牛乳瓶並みの弾を吐き出してるらしい
>> それでも生き残る邪神に作られた
モンスターNPCたち・・・
>> 弾じゃなくて薬莢だろ?
多分30mm口径と見た!でも、それって航空機用の
超大型ガトリング砲・・・
「アイドリング?どれどれ・・・、ほう!このギュンギュン言うや・・・、あっ!暴発した!」
ギュンギュン音を鳴らせていると、いきなり弾が!海の上に水柱が立っているから、そこが着弾地点なのはいいとして、普通に持ち運んだら不意の遭遇戦で先手取られそう・・・。いや、電ノコみたいに振り回せば敵が溶かせる?
「おっ!おっ!おっ!おっ!あ、あば、あばれ!る!」
>> 他の人もそうだけど
スマホのバイブくらい震える(笑)
>> 狙撃じゃないから命中率わろし
>> ツキちゃん、ツキちゃん。これスコアゲームよ?
「スコアゲーム?あっ、確かに上にスコアが・・・。って、モンスターがどんどん飛び出してくる!」
なんだろう?昔のゲームセンターにあったらしい体感型シューティングゲームとか?ミニガンを上に上げたら盾が出るから、それでモンスターの攻撃を受け止めつつ、離れたら撃ち殺す。そんな事をしている間にも時間は過ぎて・・・。
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アレイスターのキャプテン=アルケーだ。
各兵士諸君及び、尽力してくれた稀人諸君・・・
今回の邪神襲来により、被害がまったくなかったとは
言えない。しかし邪神は封印され、今からその邪神の
侵入機を破壊する。
質量弾の関係上、1つしか破壊できず。
邪神の脅威は残る。だが、我々は確かに戦い抜き
束の間の勝利を得たのだ!
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そんなアナウンスが流れた18時。宇宙からかぐやが降りてきて、俺達の眼の前にある邪神の塔、NPCたち的には侵入機?を青白くバカでかい鉄球で叩き潰していく。
>> 封印=物理!
>> 五寸釘打ち込んでるみたい
>> あれで破壊でいいんかね?
そんなコメントを見つつ、ふと横を見るとNPCたちが涙ぐみながら敬礼している。う〜む、世界観が分からん!元からよく分からない世界観な所もあったけど、メインストーリーをやってないから、なにがどうつながってるのやら・・・。まぁ、NPCが敬礼してるし俺もやっとくか。
「多分、これでイベントは終了ですね。キャプテン=ロイドからも帰還と言う指示がでてますし。12/27から1/2の18時まで、長い間参拝者諸君とともに戦場を駆け抜けられたこと、私は誇りにおもう。キリッ!」
>> イベント乙〜
>> キリッ!って口で言わない!
それは効果音!
>> MMOの長期イベントは体力使うなぁ〜
>> なんだかんだで、初日から見てしまった
>> 時間管理と平等性出すなら、モンスターは
湧き続けるし、世界も止まらないからなぁ
>> 杭の交換明日までだから、忘れないようにね!
「おっ!杭の交換!運営に意趣返しする最高の機会!溜め込んだ分ゴッソリデータ貰ってやるぜ!と、言いつつも覚醒した杭1本くらいは記念にしときましょうかね?この先使うかも分かりませんけど。では、また次の配信かアーカイブ見てくださいね〜。演者は、狐に憑かれた狐巫女のツキでした〜。歯ぁ磨けよ〜、食いすぎるなよ〜、なにより・・・。」
>> なにより?
「明日は3日だ!現実と戦い出す覚悟を決めろ!キリッ!」
>> ぎゃーーーー!!!!
>> ふ、布団に籠る!布団に立てこもるぞ!
>> 学生の俺氏、社会人を見つつ愉悦を知る
>> 大学生の俺が、ゴロゴロしながら通り過ぎますよっと
>> 宿題・・・
>> 課題・・・
>> 坊や?就活は終わったかい?
>> ぎゃーーー!!!!
>> 汚い大人め!
コメント欄の阿鼻叫喚を眺めつつ、ライブ配信はOFFに。録画そのものはしているけど、交換品とか見られると資産バレもあるのよねぇ。今回商人やってゴールドや素材は結構手に入ったけど、全体的な価格と言うのは一朝一夕で戻らないのがこのゲーム。
プレーヤーがどんどんクエスト引き受けて、復興やら素材運びをすれば、それだけ価格は安くなるけど、多分半月はかかるかなぁ。そんな事を考えつつ、系統指定最高レアリティランダムガチャ券5枚と武器充填剤×1なんかの目玉商品を交換していく。
有料ガチャの武器にやら防具にしか使えないけど、補填材なんに使おうかなぁ〜。おっ!今頃になって売れ残り福袋の名目で運営がばら撒いた福袋ラインナップに並んでんじゃん。
なんだろうなぁ〜『商人プレーヤーの甘い汁をぶっ潰す!』と言う運営の声が聞こえてきそうだ・・・。実際、今はポータル使ってオーランドに戻ってきてるけど、周りの人は結構正月装備のままの人が多くて、これだけ見るとヘンテコ装備=メジャー装備と言えなくもない。
そして、福袋買って被ったと嘆く声やら、ガチャ券使って欲しいものが出なかったと項垂れるプレーヤーも多数・・・。仮にテーブルなんてものがあるなら、今は大多数が引いてるから悪くなさそうだけど、どうなんだろ?
「おっ!ツキさんイベントお疲れ様!」
「ハヤトさん、お疲れ様です。ごきげんな格好ですね。」
「いや〜、御来光ヘルメットとモチモチナックルは、割と殴り魔としては使いやすい。なにせバフ切れ狙われて逃げ回られるよりも、張り付いて一撃ズドンの超インファイトができるしな。まぁ、そのせいで高HPビルドを考えたくもなるし、闘技場で高速型ビルド募集して試したら、早くも対策考えたのかモチモチナックルで殴ろうとしたら、先にアーツやノックバック挟み込んで逃げる人が多い。」
「私としては、登攀楽ちん装備くらいの考えですけどねぇ。最初から両手に鏡餅つけてたら、遠距離戦を徹底されそうですし。」
「割と御来光ヘルメットで目潰しからの、高速一撃離脱型は増えたみたいだぞ?それに、アクセサリー商売はかなり捗りそうだ・・・。」
「今のところアクセサリーって、初期魔法使えるアクセサリーとか、バフだけ使えるアクセサリーがメジャーですからねぇ。基礎ステ上げのアクセサリーも悪くないけど、それを潰してまで遠距離攻撃捨てるかと言われるとねぇ。」
トラブルオンラインのアクセサリーは、明確に使い道が限定される。例えばファイアバレットが使える指輪なら、ファイアバレットが使えるけど、ステータス的なプラスはない。
逆に基礎ステータスを上げる指輪なら、プラス値がつくだけで他はない。基本的な話をするなら最初にヒールを覚えて、ヒールの指輪を貰ってから武器を考え出す。
だからある程度育つと、ヒールの指輪邪魔だと外して回復手段をなくして死ぬ人多数。どうしても、いつでもヒール使えるからと指輪の意味やら杖の意味を忘れるのよねぇ。
「ん?ツキさんはビルド的に全部基礎ステだろ?」
「いやいや、結構変な指輪とかアクセサリーつけてますよ?例えば・・・、俯瞰視点拡大とか。あら、そう言えばこれはもう外してもいいか。」
「確かに使う人の少ない指輪だが・・・、使いやすいのか?」
「割とすごいですよ?普通に売ってますけど、仮に俯瞰視点の範囲が自分を中心に50mだとしたら、20mくらいプラスで見れますね。」
「それは迷うが、千里眼の指輪の方がいい気もするなぁ。確かかなり遠くが見えるんだろ?」
「あれはダメ。供物族とかの射撃ビルドなら使いこなせるけど、そうじゃないビルドの人が使うと近眼状態よ?」
「近眼度合いによると思うが?」
「虫眼鏡両手に持って走ってる感じとか?使ってみる?」
「なら、ちょっと借りて・・・。確かにこれは近接系をやるならダメだな。遠くのものを見ようとすると焦点が早く合う。その代わりに、近くを見ようとするとぼやけせる。と、言うかすりガラス?で、なんでまたツキさんはこれをインベントリにしのばせて?」
「望遠鏡の代わり。五感拡張系の指輪は片手を潰してでも付けるか、インベントリに忍ばせとくのがいいよ。地味だけど洞窟で風を感じられて、それを辿るとか言ういやらしいギミックもあるし。」
「なるほどな。と、そう言えばスパーリング相手に心当たりはないか?」
「スパーリング?確か試合に出るんでしたっけ、キックボクシングの。」
「そうなんだよ。だから、リアルでも練習したりはする。でも、やっぱり上手い人は上手いし、体力的な問題やらもある。だから、ゲームでそのあたりの攻め方を練習しようかとな。ツキさんが相手ならそれでいいんだが。」
「私だと追いかけっこだよ。あっ!でも1人か2人良さそうなフレはいるよ。」
「おっ!誰だ?」
「陸亀さんとフロムさん。フロムさんが攻める方だとするなら、陸亀さんは盾使いプレーヤー。まぁ、イベント終了してどの時点で連絡つくかは分からないけど、話だけはだしてみるよ。」
名前をだしたものの、2人ともログインはしていない。まぁ、2人とも社会人だしイベント終了して休んでいるんだろう。三が日が丸々休みとは仕事次第では限らない。でも、会社としてそこに休みを持ってくるところが多いのも確かだし。
「ありがとう!相手をしてくれるなら頼む。その時はゲーム内アイテムやゴールドを払うと伝えておいてくれ。」
そんな話をしながら交換を終えて、ハヤトさんと別れて領地へ。サブスクプランは継続されて、野菜やら果物は育ってるし、備蓄も増えている。
「む!ツキか。」
「ただいまブライト。いや〜、邪神を封印してきたよ。なんなんアレ!アホほど強いじゃん!」
「愚痴ってもその場にいない我は知らん。どうせなら、土産話としてそれを聞かせろ。」
そう言うのでブライトに邪神戦の話をする。まぁ、これが情報共有になるのよねぇ。なにせ、話してないことはNPCは知らないと言うし、見てないこともやはり知らないと言う。だから、NPCなら全部知ってる、共有しているは間違いだ。




