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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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228話 闇鍋

 俺の知らなかった衝撃の事実!華澄は片付けられない人じゃなくって、片付けても散らかす妖怪と同居していた!の、巻き。大先生占いとか嗜んでるんだって、占って貰ったら・・・。


「当たるの?それ。」


「さぁな。99%成功する、なら1%は確実に失敗する。それって、確実な失敗が強いと思わねぇか?」


「う〜ん・・・、考え方とか?大体成功を許せるなら99%の成功で100%と感じるかもしれないし、逆に1%が致命的ならババ引いたと思うかも。だって、結局は当たり外れのニブイチでしょ?」


 営業マンの恐怖と言うなら、まさにそれ!対応もした、話もすり合わせた、価格も希望もある程度話し合って時間も期限もまとめた、コレなら契約はまとまる。それなのに、デウス・エクス・マキナのようなババがある。


『すまない・・・、本当にすまない。今回の話は違約金を払って反故にしたい。』


『・・・、それは契約としては正当です。ただ、理由を伺っても?』


『妻が延命を望まなかった。それが理由だ。』


『分かりました。私からはそれ以上言えません。ただ、個人的な話をするなら、最後の時まで納得ができるようにして下さい。』


 互いの利益を見てそれば納得できる。違約金は貰えるし、苦しいが商品は在庫にすればいい。ただ、そこには契約不成立と作成者側への支払いが残る。当然誰も損はしないが、その後を知るすべはない。


 それを失敗ととるか、クライアントの状況変化ととるかは別。医者と言うのはおこがましいけど、それでも関わるのは人の命。たがらこそ、常に1%の失敗リスクは致命傷とも言える。


「そうだな、だから適当で曖昧なのがいい。別に占いは答え合わせじゃねぇし、頼まれて占う方も頼む方も確率をだしてるし聞いてる。だから、占いの結果なんて当たればいいなくらいが真実じゃね?」


「ちょっと待ちなさい座敷童子。私が凄くついてると言ったのは?」


「お前の大好きなマリが家にいる、不幸か?」


「べらぼうに幸せですね。」


「なら、ツキがあったんだろ?」


 確かに占って、確定事項じゃなくてハズレるけどジンスクを買うようなものだしなぁ・・・。テレビで何座が1位と聞けば信じたくもなるし、最下位ならラッキーカラーの小物を探したりもする。まぁ、なければ早々に諦めて気にも留めないけどさ。


「小癪なことを言うけど、今回は認めましょう。ただし、次からは別の方法を取りなさい。」


「え〜・・・、暇なんだよ。テレビも見るだけ、外も見るだけ、飯も食えなきゃ、遊び相手もいねぇし。木本はその辺り上手かったぞ?」


「座敷童子大先生、木本さんのところではどうだっての?」


「おっ!聞いちゃう?マリちゃんがそれ聞いちゃう?暇だからまた遊びに・・・。」


「勝手に行くな!座敷童子!」


「へいへい。木本のところでどうしてたか、ものすごく単純に俺に電気コード握らせてたぞ?」


「電気コード?それで大先生はいいの?」


「いいもなにも、それがあれば俺がどこに行こうと、辿れるし戻せるだろ?電気精神体でも、俺には依代が・・・、この人形がある。だから、どっかウロウロしてても電気コードを引き抜かれたら、元あるところに戻ろうとする。逆にその電波?電気?がどこかに行ってるか見ればどこにいるかも分かるらしい。ほら、誰だっけ?重苦しい女がそんな所を見たり閉めたり探したりしってんだろ?」


「重苦しい女?華澄、誰だか分かる?」


「岩戸さん。そもそも、なんで岩戸さんが私たちと関わってるのか?それは結局、異常を検知するのに霊感なんて言う、あるかないか分からないモノを信じる?」


「う〜ん・・・。私は狐娘になっちゃったけど、霊感はなぁ〜・・・。あっ!でもアストラルエンチャント!あれはなんか電気だしてるっぽい。」


 ぬらりひょんが見えるようになった、アストラルエンチャント。本来は霊体やら死霊特攻付与魔法なんだけど、どうしてぬらりひょんなんて者の存在感を増すことができたのか?


 三枝先生曰く


『そもそも幽霊は見えません。それでも見ようとするなら、人が幽霊側に合わせるか幽霊が人側に合わせるかしか、繋がる方法もありません。ですが、ゲーム的に考えると見えない敵と言うのは存在できません。』


『確かに見えない敵が攻撃してきたら、システムトラブルの領域ですね。ギミックで解除できるなら話は変わりますけど。』


『そうです。つまり、そのエネミーはエラーです。そして、システム的なエラーは修正を余儀なくされる。だからこそアストラルエンチャントと言う魔法を現実的に再現しようとした場合、最低限姿を認識させるという方向に、傾くのではないかと思います。』


『なるほど。そもそもレイスやらが普通は見えないのに、ゲームとしては既に見えている。だから攻撃力がますけど、現実としては見えればぶん殴れるから、先ずは見えるところからってことですね。』


 そんな分析を三枝先生としたなぁ・・・。まぁ、色々と条件があるかもしれないし、実例が1つしかないから確定とも言えない。でも、鞍馬さんの羽もアストラルエンチャントで見れたんだよなぁ・・・。割と妖怪判定装置とか、電気精神体避けとかに使える?と、そこじゃなくて岩戸さんか。


「データとしての痕跡、電波としての履歴、そしてどこからあったかの特定の方が証拠として強いからだし、そもそも曖昧を固定されることを嫌う妖怪や電気精神体としては、捜索すると同時に追い詰められているって感じがするらしいわよ?履歴としての過去は変えられないし。」


「変えられないの?電気精神体ならこう・・・、チョチョイのチョイで変えそうだけど?」


「昔なら楽だったぞ?痕跡がなきゃ、あるものを信じるしかねぇかんな。でも、監視する相手が多かったりでかかったりすると、隠しようもねぇ。だから、電気精神体はAIアマテラスが苦手なんだよ。変なことすると勝手に調べだすし。」


 まさにオカン!木本さんが電気精神体を思春の子供とするなら、AIアマテラスをオカンといってたけど、今の話を聞くと欠点のテストを隠そうとするおオカンが察知して探しに来る的な?


 ただ、そのオカンの最大の弱点は完璧に偽装されると見つけれないことと、電源を切られるとアイマスクされた状態でやりたい放題されること。だから、木本さんもそんなに簡単な話じゃないって言ってたのかな?


 そんな話をしていると腹の虫が・・・『ぐぅ~・・・。』と鳴いた。特に魔法やらを使わなくても、腹が減るものは腹が減るし、それは生きているならとても自然なことだろう。


「お腹空いた?鍋にしようと思ってたから準備するわね。」


「ちなみに何鍋?」


「決まってるじゃない。真利が大好きな闇鍋よ?」


「お前・・・、変わったもんか好きなんだな・・・。闇鍋って、あれだろ?飢饉とかの時に食べらない奴が集まって、なに食ってるか分からないけど真っ暗にして食うっていう・・・。」


「ヘイ!華澄!私は闇鍋は好きじゃない!?大先生もそんな起源あったの!?」


「あるもなにも、芋虫とかムカデとか気にせず食える奴なのか、お前?俺は嫌だぞ!?腹減っててもゴキブリは食いたくねぇ・・・。いや、ツヤツヤしてて油っぽそうだから食った?」


「座敷童子、真利が信じるからやめて。醤油ベースの汁に鰹節の出汁を入れた美味しいスープ。そこに私が用意した具材を、2人で選んで入れるだけだから。」


「・・・、ラインナップは?」


「スイスロール、梅干し、たくあん、キムチ、豚肉、鶏肉、キャベツ、もやし、抹茶、カレールウ、コーヒーゼリーに、お餅とパスタとホヤ。あぁ!私としたことが、とろけるチーズとホールトマトを買い忘れた・・・。」


「これ以上増やさなくていいよ!?カレールウを忘れなかったのは高得点だけど・・・。」


「もう一つ、あれを買い忘れたわね。闇鍋はエネルギー補給装置じゃないけど、豚足は骨になって・・・。」


「あれは豚バラ軟骨だからね?早すぎてゴリゴリ言ってたけど・・・。」


 闇鍋・・・、冒険しすぎなければ普通は食える。そもそも寄せ鍋があるくらいに鍋は自由で、メインを魚介にするか肉にするかさえ分かれば、入れる野菜にも特段制限はない。それこそもう、ズッキーニは割と食えるし、カリッコリーもアイスプラントも食える。


 でもね?個性がぶつかり合うと、食えるものも食えなくなるんだよ!地雷はホヤか?いや、スイスロールな時点で闇鍋が深いけど、それを選ばないという選択肢もある!とのルールだ?何品交互に入れあって鍋を成立させる?端箸で摘めば確実に食うルートなのか?


「で、なにを忘れたの?」


「おふよ?丸いやつ。」


「なくてセーーーフ!!その出汁を口の中に広げたくはない。」


「マリ〜、贅沢だぞ〜。食えるなら幸せじゃねぇか。」


「なら大先生も食べる?腹壊しても死なないし、分解するのに力?を使うみたいだけど、出来上がった鍋次第なら大先生を巻き込む覚悟を完了してる。」


「ダメよ真利、妖怪を勝手に受肉させると面倒だから。さて、私は台所で鍋を・・・。」


「卓上HIコンロあったよね?」


「あるわよ?」


「華澄・・・、一緒に料理しない?私も下手だけど・・・。」


「やりましょう真利!・・・、くっ!フリルの付いたエプロンを買ってない!こうなれば、フリル付きのエプロンドレスを!」


「着ないからね?それってもうメイド服でしょ?」


 そう言うと華澄はしょんぼりしながら、ゴソゴソと準備をし出した。ふっ・・・、闇鍋の禁じ手はなにか?ヤバい素材を先に食うことだよ!少なくともスイスロールは丸かじりするかなぁ〜。腹減ったから食ったと言えば、流石に怒られないだろう。


「今頃の冥土服はハイカラだな。前に着せられたけど、動きづらいし奪衣婆が苦労しそうだ。」


「大先生。多分先生の言ってる冥土服と、私の言ってるメイド服は別物だよ。と、言うか大先生はネットサーフィンとかしないの?木本さん曰く、電気精神体は電気世界を庭みたいにしてるって聞いたけど。」


「しないこともない。でも、木本がするなってうるさい。前に赤い数字がピコピコ動く掲示板?みたいなの眺めてて飽きたから離れたら、なんか数字が真っ青になったって言われて怒られた事あったし。」


「数字がピコピコ?」


「そう。なんか三角形が出てピコピコしてたやつ。そん時は・・・、あれ?木本じゃなかった?」


「いや、木本さんと言うより見てたのは株式なんじゃ・・・。」


 えっ?下手するとバブル発生させて崩壊させた?なにそれ怖い。俺は体験してないけど、相当ヤバい状態だったんじゃ・・・。そんな事を考えているうちに、華澄がコンロと鍋と・・・。


「なんでスイスロールが6本も?」


「追加するでしょ?ホヤは少ないけど、スイスロールは多くないとね。」


「oh・・・。」


 ホヤ自体は新鮮そうに見える。だから、食べても甘みと磯の香りでどうにかなる。でも、先に食うのは無理!だって、丸ごと1個持ってきたし!・・・うっし、腹くくるか。


「なぁ、華澄そのロールケーキくれよぉ。腹減った。」


「座敷童子・・・、コレは煮てから・・・。」


「いや、華澄!煮ると崩れるし、汁が着物につくからそのまま食べさせよう!ほら、大先生!1本でも6本でもどうぞどうぞ!」


「う〜ん、真利が闇鍋好きじゃないって本当?」


「本当もなにも華澄と闇鍋したのは、ちょっと変わったことしようとして、その時スーパーで適当に鍋の具を買ってから鍋にぶち込んだだけでしょ?バターとかは入れたけど、そこまで危ない橋は・・・。」


「味噌ホルモンと鱈は入ってたわよ?」


「割と食えただろ?味噌味の鱈。」


「師匠からすれば焼けば食える、煮れば食える。味は後から考えて『旨いっ!旨いっ!』て言いながら食えば旨くなるって・・・。」


「鬼一は山にあるものなら、大抵は食える派だからなぁ~。キノコも派手じゃなきゃ食うし、多少痺れても山椒食ったのと変わらないって言うし。」


「それはもう毒!絶対毒キノコ食ってる!よし、ここは私が真面目な鍋を作る!よりよい食生活のために!よりよい食生活のために!私のために、華澄のために!」


「まって!真利も料理苦手でしょ!」


「今なら・・・、多分いける!」


 まな板の上にあるキャベツを両手で包丁もって真っ二つ!更に切って、四分割にして鍋に!肉も・・・、煮れば食えるからそのまま鍋へ!元々醤油ベースのカツオ出汁とか言ってたから・・・、たくあんと梅干しはいいよな?カツオ梅とかたくあんに醤油と鰹節はあるし。


 もやしは・・・、2人だと多いから半分くらい?コーヒーゼリーはデザートにするとして、ホヤかぁ〜。彩りとしては入れたいけど、味がなぁ〜。


「彩りでしょ、真利。まだ梅干しあるわよ?」


「後5個くらい入れる?そしたら1人5個で喧嘩しないし。もう少し鮮やかな物が欲しいけど・・・。」


「唐辛子かしら?人参はないし。」


「なら、唐辛子をみじん切りにして塩を少々・・・。えっ!アマテラスから塩が多いって警告来たんだけど?普通だよね?」


「さぁ?私もスープは味見してないし、パスタやお餅を入れるなら多少濃い方がいいわよ。」


「確かにそうだよね〜。富山ブラックとかも普通に売ってるから、コレくらい黒くても大丈夫だよね〜。」


 そしてコトコト煮込んで、なんだかよく分からない香りがしてくる。コレは・・・、たくあん?点を立てた抹茶を華澄が出してきたので、椀をくるくる回して飲む。うむ、苦い。ここで牛乳と砂糖を入れたいけど、それすると怒るんだよなぁ〜。ペットボトルの抹茶・オレは飲むのに・・・。


「さて、たぶん煮えたし食べようか。」


「・・・。お前らって、味見しとかしねぇの?」


「「えっ!?楽しみが減るじゃん!」」


 お店で食べても見た目で旨そうな選ぶし、それまでに味見なんてできない。だから、出来上がるまでは楽しみにして、結果を楽しむのが料理だと思うんだけどなぁ・・・。


「ホヤはよかったの?」


「四つ切にして今からいれる?お肉が豚と鳥で1パックずつ入ってるし、キャベツも一玉にもやしも入れたから、多いかと思ったけど?食べたいなら、刺身とか?」


「古くなるとえぐ味が出るらしいし、四つ切で食べましょう。」


 華澄がそういうので、ホヤを四つ切にしてそのままスイスロールも四等分にして座敷童子大先生の前へ。俺と華澄のお椀に鍋をよそっていただきますをしてから食べだす。


「う〜ん・・・、醤油味が強い。」


「でも、酸味と甘みが奥にあるわよ?たくあんは・・・、味がしない?」


「梅干しの種噛まないようにね?結構ゴロゴロ出てくる。ん?唐辛子か、ちょっとピリッとしてるのがいいアクセントに・・・。」


「なんかスイスロール磯臭いんだけど・・・。」


「塩ふった甘味は総じて美味しいらしいよ?大先生。塩キャラメルとか、塩ソフトクリームとか、チョコレートかけたポテチに、チョココーティングの柿の種とか。」


 割とチョココーティングされた柿の種は好き。逆に照り焼きは味はどうも苦手。こう・・・、照り焼きは濃さに負けて味がぶれてる気がするのよねぇ。

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