227話 占い?
>> おっ!ムービー終わった?画面復活したけど
>> と、言うかなんで円陣組んでんだ?
>> 報酬分配とか?
「さてと、とりあえず皆さんにゴールド配布しますね〜。」
「えっ?なんでですか?」
「そりゃあ1人商人やって儲けたからだよ。ナイトメアキャッチャー使ってないのは私と秋ドンさんだけ。だからその分のゴールド、ナイトメアキャッチャー代金をみんなに渡すよ。」
「ん?ウチもええん?」
「バイト代だと思って受け取っといてよ。」
「なら、もらっとくで。ポーションやらもゴッソリつこうたしな。」
>> ツキちゃん太っ腹ぁ〜
>> 地味にモンスターから
ゴールド出ない処理は痛いからなぁ
ボス倒した!破産した!はよくある
みんなにゴールドを配布!へっへっへ・・・、アイテム売りまくって懐はあったかいぜ!まぁ、その分ポーション系は底をつきそうなんだけどね・・・。安くなったら後から買おう。
「はい、クインズさん。」
「あ〜・・・、貰っておこう。さて、俺はそろそろ落ちる。先に確認したが、リスポーン地点は更新できるようだ。どこかで集まるか?」
「おぉ〜、それは私にとって朗報。流石に邪神手前に送られても、もう売るものもないし。」
「戦力売りなら、できるんじゃないですか?ツキさんなら。」
「そうだね。篝火くんや私はアイテム差し込み要員だったけど、他の人は『これから邪神ツキンズ倒しいく!ヘルプして!』って、依頼多いんじゃない?」
「クインズさんは知らんが、ワシたちは基本野良じゃぞ?面と向かって頼まれん限り助っ人にはいかんし、依頼掲示板も覗かんから助っ人依頼を受けることもない。流石に正月じゃし、ワシは今日1日はゆっくりする。」
「ウチもそうやな。酒が飲める三賀日、今から落ちてポン酒と摘みで祝杯コースやな。」
>> くっ!ここに封印者がいるのに助っ人頼めない!
>> 流石に今はOKせんだろ
>> あっ・・・、他の人配信者がツキンズに挑んで
パーティー全員で絶望してる・・・
>> まて!ツキンズの相方は!?
>> アーグル?らしいって
バルサミコス帝国コンビかよ!
>> アーグレ?弱そう?
>> 芋虫が少ない
でも、高速ホイール走行しながら射撃やら
剣戟でプレーヤーボコしてる
アール>> ツキさん!!
私達が入る直前に邪神を封印するとか
理不尽なのでアール!!
「どうしたんじゃ?ツキさん。」
「いや・・・。ツキンズ?の次がアーグレ?らしいんだけど、今アールさんから楽しそうな悲鳴が届いた。よし、見なかったことにしよう。」
「どの道助けには行けへんから、適当に祈ったらええんちゃう?」
「それもそうですね。離れてから大麻をフリフリ・・・、あっ!おみくじ大凶だ・・・。」
>> 大凶おみくじしかない件について
>> 説明は不運なアナタへだしなぁ〜
ガチでバルサミコス帝国は不運w
そんな話をしてリスポーン地点を更新してからみんな落ちていく。俺もリスポーン地点をオーランドに・・・、してもなんか捕まりそうだから、海洋戦艦グリーンバレルと言うところへ設定!なんだろうなぁ〜、ちょっとビールとか飲みたくなる名前だ。
くっ!病室抜け出すか!?抜け出して飲むか!?・・・、やめとこ。下手に屋上に行ったら前はぬらりひょんがいたし・・・。そんなこんなでログアウトしてから遅い就寝・・・。
「真利・・・、真利・・・。」
「はっ!華澄の声が聞こえる・・・って、なんでいるの?」
「正月行脚を強行軍で終わらせたからよ?それとも、クインズってだれ?なにかミックスされて、子供が産まれたとか掲示板で見たけど?」
「子供?子供・・・、邪神ツキンズ?いやいや、子供じゃなくてかってに混ぜられてボス作られただけだよ・・・。」
「そう?特別な感情はないのね?」
「恋愛感情を言うとない。その代わり、一戦交えたい欲はあるかも。」
なにせ殿堂入り。PvPが好きかは別として、挑めるなら一度くらいどんだけ強いか殺り合ってみたい。でも、邪神やらと戦った時に見た限りだと勝てないよなぁ〜。なんというか・・・。真面目にビルドやらアーツバフ考えた人と、楽しんで無作為に集めた人の差とか?
まぁ、比べるものでもないし、無理にするものでもないからいいか。そんな事を考えながら時計を見ると既に10時を回っている。備え付けのテーブルには朝食が置かれ、三枝先生から『丸まって寝るのはいいですが、あまり夜ふかしはしないで下さい。』とのメッセージが・・・。
確かに、寝る前に時計を見た時は2時くらいだったもんなぁ〜。病室だからいつも適温、そこに布団と尻尾の温さが加われば、朝方の寒さは眠気を誘うスパイスになる。
「変なところで好戦的にならないでよ?それと、これはお土産ね。」
「おぉ〜、ありがとう。でも家内安全と安産祈願と祈願成就のお守りって喧嘩しない?お守りいっぱいあると喧嘩するとか聞くけど。」
「いいのよ。家の中は安全、だから安全に子供が産める。そして、その願いが叶う。このお守り同士が喧嘩するなら、安全域なんてどこにもないじゃない。」
「それは確かに。寧ろ、俺の方がご利益スゲーし!とかやってくんないかなぁ〜。」
神様にケチとは言わないけど、ものすごいパワーがあるなら振りまいてくれ〜!的な?・・・、よそう。そんな事されて全員の願いがかなったら、文字通り世界が終わる。と、言うか医院長がカッパなら水神的な?
「そんな事をすれば・・・。」
「冗談、冗談。あっ!でもお金渡すから、医院長にきゅうりのキューちゃん渡しといてもらえる?あと、座敷童子大先生にお餅を・・・。卜部さんって、どんな人?」
「卜部さん?どの卜部さん?」
「いや、なんか正月にお餅貰ったんだよ。宮内庁の卜部さんから。」
「端的に言えば私と木本さんの上司。古い家系で有名な話をするなら、頼光四天王の1人。卜部 季武の直系と言う話よ。」
「え〜と・・・、出てこい大麻!」
呼ぶと出てくる大麻。とりあえず握ってみると、酒呑童子を討ったウチの1人らしい。えっ!?とうとう俺って妖怪認定されて討伐対象になったの?いや、流石に今の世の中で切った張ったの大乱闘なんてしないだろう・・・。
「その大麻も不思議よね。出し入れするのは痛くないの?」
「いや、特には。寧ろ、持ってると落ち着く的な?それよりもなにしに来るとか聞いてる?」
「単純に会うことが目的じゃないかしら?それよりも、今日は暇よね?」
「暇は暇だけど、なんで?」
「三枝先生にコレを取り付けたのよ。」
そう言って華澄から送られてきたのは一時外出許可証。確かに病人ではないから外に出ても問題ない。問題はないけど、どこへ行く気だろうか?この近くに神社とかないから、初詣ではないと思うけど・・・。
「どこ行く気?」
「私の家。引きこもってゲーム三昧なのは、それはそれで安心できるところでもあるけど、たまには外の空気も吸わないと体に悪いじゃない。18時までって制限はあるけどね。」
「なら、さっさと準備するよ。なにか適当な服を・・・。」
「はいこれ。」
「なにこれ?」
「私が真利に着せたい服。」
「え〜・・・、絶対可愛い系の服じゃん。普通にフレアスカートとか・・・。」
「独り言だけど、今私の家には貴方の好きなお酒があるわよ?」
「時間は有限だから、さっさと着るとしよう。」
現金とか言うなよ?病室じゃ飲めないし、あんまり酒臭いまま帰れば多分怒られる。なら、さっさと飲んで早めに酒を抜くしかないじゃない!
出てきたのは白く袖の広がったニットセーターに青いロングスカート。上着は茶色のダッフルコートで、マフラーに手袋まで・・・。まぁ、着れない服じゃないからいいとして・・・。
「これ暑くない?」
「冬場だからいいのよ!」
「いや、尻尾があるから割りと暑・・・。」
「真利。暑さと寒さはおしゃれの前には無力なの、分かった?」
「うっす・・・。」
押し問答しても仕方ないので、そのまま服を着て月桃の香水を尻尾に塗り込んでから、病室を出て正月で静かな廊下を華澄と歩く。まぁ、病院が賑わう方が問題と言えば問題か。数人いるナースステーションの人も見慣れたと言うか、普段からそんな格好をしている人と思われたのか特段奇異の目はない。
そのままエレベーターで地下まで降り、華澄の車に乗っていざ出発!街中を走るけど正月だけど晴れ着を着ている人は少ない。その代わり、初売りを見に来たのか割りと人は多い。でも、過去の資料映像なんかで見るよりは圧倒的に少ない。
まぁ、今だとスマートレンズやらですぐに通販できるし、現物をわざわざ見て買う必要もない。なにせ商品と一緒に3Dモデル作って、後は買う側がそれを手に取って確かめればいい。その方が窃盗とかも少ないし、なにより店側も在庫を抱えなくていいしね。それでも店があるのはなぜか?単純な理由でその場で欲しいからだよ!
「でも、貴方が朝遅いなんて珍しいわね。」
「なんだかんだで3ヶ月くらい会社にも行ってないし、辞表もだしたから時間的な制約はない。だから、食っちゃ寝しても許される。と、言いつつも寝たのが遅かったんだよ。年末年始イベントでね。」
「ふ〜ん・・・。私はアバター作っただけでプレーしてないけど、どんな状況なの?」
「今だと・・・、変なタイムランキングができてる。」
「タイムランキング?ボスを倒すRTAとか?」
「逆、ボスの生存タイム。」
「ボスの?逆でしょ?」
普通はどれだけ早くボスを倒すかを誇る。でも、今回のイベントにあたっては逆転して、どれだけ強い邪神に挑んだかを誇っている。まぁ・・・、俺が倒せないのにアイツが倒したら悔しい!だったら、ボスが長生きすれば負けても仕方ないという面目も立つ。
スゲー後ろ向きだけど、それだけわいわい話すこともできるんだよなぁ〜。ちなみに、俺達が倒した邪神+ツキンズ?はゼロ時間枠らしい。まぁ、仕方ないよなぁ。その代わり邪神ツキンズ+アーグレは朝9時まで粘ってバルサミコス帝国に討ち取られたとか。
まぁ、アーグレ攻略するなら大元となったプレーヤーがいる方が、ある意味手の内が分かるから有利なのか、それとも自分で撒いた種を意地になって自分で刈り取ったと見るべきか・・・。なんにしてもその後も邪神はリロードされているようだ。
「早く倒せるボスなんてただの飾りじゃん。札束ビンタで終わらせてくれるほど、トラブルオンラインの運営は甘くない。まぁ、岩戸さんがいるから難しくなったとか?」
「岩戸さんは脳波操作と、システムの効率化面しかやってないみたいよ?その効率化が、難易度上昇と言うならそうなんでしょうけど。」
「う〜ん・・・、確かに今まで見なかった動きは見たかな?背面走法とか。」
俺の場合実際に10本の尻尾がある。そして、それを自在に操れる。まぁ、自分の体だけど結構最初の頃は気を使っていたし、今でもかってにユラユラ揺れたり耳がピコピコ動いたりもする。でも、ツキンズが芋虫使って飛んだり背面走法したりするのにはたまげたな。なにせ、そんな挙動今までしたことなかったし。
「背面走法?ゴキブリか何かと戦ってたの?」
「いや、ツキンズ。」
映像を見せたら華澄が怒りそうなので、そこは見せなくてもいいか。そんな話をしている内に華澄の家と言うかアパートに到着。オートロックなんかのセキュリティやら、ゲスト申請・・・は、しなくても昔のが残っていたのでそのまま素通り。
「さぁ、どうぞ。」
「そのどうぞの前に汚部屋感が増しとる。」
玄関からリビングまでに広がる脱ぎ捨てられたであろう服。前来たときもそんな感じだったし、掃除できないのはまぁ、仕方ないか。実際に華澄の仕事を見てみて、その大変さは知ってるし。そんな事を思いつつ、洋服やら下着を拾って洗濯場に投げこみ、一旦リビングで一息。
ただ、無言で洋服拾う華澄のこめかみには青筋が・・・。前にもそんな事あったけど、なんでまたお怒りモードに?別に今更気にすることでもないんだけどさ。
「お〜、マリか。来るとは思ってたぞ〜。」
「座敷童子大先生おひさ〜。」
「座敷童子・・・。今からその体を砕かれるのと、なんで散らかしたかを弁明するのはどっちが?」
「あん?骨卜だよ骨卜。多分前にも言ったぞ?散らかり方で占ってるって。」
「だから、おはじきをあげたでしょう!」
「華澄はバカだなぁ。あんな丸っこいガラス玉だとシワもなんもねぇだろ?」




