194話 蚊帳の外は孤島です
「ならまぁ、どうぞ好きなだけ。」
モリモリ大先生がフルーツやらお菓子を食べる。フルーツはいいとして、食べるお菓子によってはたまにエフェクトが出るのが面白い。しかし、味がちゃんと分かっているのか?その部分は微妙かも。なにせ、お菓子やフルーツに味があるわけではなく、その人が食べた中で美味しいと感じたものを再現と言うか、思い出させつつ満腹中枢を刺激してるわけだし。
「うまい!うまい!」
「うまいならいいけど、本当に暇で?」
「おう。たまには走り回らねぇといけない気もするし。」
「なら、わざわざここじゃなくても電気精神体の世界?で走ればいいんじゃ・・・。」
「あん?ここもその1つ。他のゲームもその1つ。そうだな・・・、昔アラブの偉いお坊さんが・・・。」
「恋を忘れた?」
「ちげーよ。アラブ?エラブ?まぁ、坊さんが言った話だけど、地獄ってどんなところだと思う?」
「禅問答的な話?う〜ん・・・、罪人が落ちるところとか?針山とか血の池とか火鍋とかがあるところ、とか?」
「それも正解だし、亡者がいるって言っても正解だし、なんなら這い上がりレースがあるなんて話もある。」
「這い上がりレースって、お釈迦様の蜘蛛の糸的な?」
「そうとも言うし、罪が許されたら天に昇るなんてのもある。」
「???」
確かに罪人が落ちたなら、罪が許されたら上がるんだろうけど、それがなんになるんだろうか?実際見た人も行った人もいないし臨死体験なんて・・・。俺、バッリバリ臨死体験してたわ。でも、天国も地獄も三途の川も見なかったような・・・。
「訳わかんねーって、顔してるけどな。そもそもその地獄のイメージって、誰が作ってなんで似たようなイメージ全員持ってんだって話だよ。別に天国とか外の国とかでもいいけどよ。」
「それは・・・、なんでだろ?」
確かに天国はいいところ、地獄は悪いところ。そんなイメージは漠然とある。なんならさっき自分で言ったように地獄がどんなところだ?と、聞かれてこう言うところと返せたし、なんなら三途の川渡ったり閻魔様に天国か地獄か判断されたり、六文銭だったかがないと、川が渡れなかったり・・・。
ともかく、誰も行ったことがない。誰も見たことがない、それでもそこはそういう所だとイメージがある。なるほど、知らないのに知ったかぶりするのはよくない。でも、周りが全員同じ認識なら誰も知らないけど、そこはそういうところと錯覚してしまう。それが電気精神体的な世界の仕組みとか?
「口伝にしろ民話にしろ・・・、それこそお前みたいな歩き巫女にしろ。誰かが話して回ってそれを信じた人が話して回って、遠くに話が行ったら、なんかありがたいと思って現地に来て学ぶ。だから、世界なんてのは遠くもあれば近くもあって、行こうと思えば行けないこともない場所が広がっただけなんだよ。まぁ、行く手段は自前だけどな。」
「う〜ん・・・、なら座敷童子大先生は私の声を辿って来たと?」
「そんな感じ。だってここって近いし。」
「そんな近くのカフェでお茶するみたいな気軽さなの!?」
「人が多けりゃ多いほど近いぞ?ご丁寧に脳波とか使って阿頼耶識なんかも勝手に作れるし。だってそうだろ?南蛮人は別として、日本に住んでこんな感じの世界がいくつもあれば、妖怪の名前なんかも・・・。」
大先生が話してるのを聞きたい。でもね、現実世界の話をするなら華澄が慌ててどっかに電話かけてるし、姫子さんは目をつぶっている。雪だるまの雪女と話してるとか?
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GM権限により、この領地に派遣を行います
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「おっ、誰か来るって・・・。GM!?なに!?大先生がバレた!?」
「いや・・・。帰る!俺は帰・・・。」
「座敷童子!そこになおりなさい!」
金髪縦ロールの天使風アバター・・・。誰かだって?華澄のアバターだよ!忘れるもんか、なにせこのアバターから疑われて華澄と再会したんだし・・・。
「・・・。」
「ちっ!帰ったか!」
「あの〜・・・、華澄?」
「なに?私は今、とても機嫌が悪い。なにせ仕事が増えてマリといる時間が減った!」
「いや、それよりも聞きたいことが・・・。」
「それは後からね。それじゃあ、落ちるから。」
座敷童子大先生は帰ったのか、子供のNPCはそのまま座って動かない。華澄も慌ただしくログアウトして、残されたのは俺と寝ているブライトだけ。さて、どうしたものか。刻々とブライト復活へのカウントは減っていってるし、俺も一旦ログアウトするか。
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AIアマテラス:医療提携型AIへGM権限の行使について
医療提携型AI:外部入力の為、行使理由は不明
ツキは正常です。
AIアマテラスの指示する通り
特別扱い等はしていません
AIアマテラス:ツキの領地にいたNPCについて
医療提携型AI:作業及び対話治療botのラベルあり
本NPCに不備は見つかりません
AIアマテラス:領地内会話ログを転送要請
医療提携型AI:転送を受諾・・・、・・・
会話ログの収得に失敗
再試行・・・、・・・
会話ログの収得に失敗・・・
提案、個体名ブライト(触覚)の
聴覚ログを会話ログとしての使用
また、介入者名を送信
AIアマテラス:許可
医療提携型AI:許可を受諾、パッケージ化して送信
AIアマテラス:パッケージを受け取りました
・・・、・・・、・・・
本件については指示あるまで異常なし
外部からの介入、運営会社も適切に判断
した件として下さい
医療提携側AI:指示を受諾。アマテラスとの接続を解除
・・・、・・・、・・・
AIアマテラス:電気精神体より本ゲームへの侵入を確認
侵入経緯、パッケージ内データより暇
侵入経路、不明
他の電気精神体事案と照合
合致するもの、なし
侵入した総体名・・・、座敷童子
座敷童子型電気精神体の侵入をパッケージ化
ブライト(触覚)へ
ブライト(触覚):現在ゲーム内負傷により休眠中
AIアマテラス:次回、桃を得て現実世界へ介入する際
負荷軽減の為、一部アマテラスの演算
処理能力使用権利を付与
ブライト(触覚):・・・、・・・、拒否
AIアマテラス:拒否?
ブライト(触覚):拒否。
AIアマテラス:物理演算に付いては、既に完了しています
現実世界での行動に使用し、リスポンスを
実行して下さい
ブライト(触覚):演算能力のみ使用を実行
ほか部分はツキの不利になる




