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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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175話 贈り物

ep61 クリスマスの出来事の後になります

 色々あったものの、クリスマスくらいは忘れてもいいだろう。妖精王連れてソリで爆走しながらのプレゼント配布も一段落。ポータル使って街を移動してさらに稼いでもいいけど、そこまでして労力割くよりは、次のイベントに向けた骨休めでいいかな?


 クリスマスが終われば、年末年始で3周年記念合わせた怒涛のイベントラッシュがはいるんだしさ。ただまぁ、照れくさいというか今更というか、こんな時くらいしか踏ん切りがつかないのもまた事実。


 ある意味木本さんの選択は正しかったのかなぁ・・・。ギャルっぽい姫子さんじゃなくて、古風で奥ゆかしい姫子さんを選んでいたら?多分、会話そのものが受け身になって、言いたいことも言えないそんな関係は毒!


 なんてことになってたかも。いや?敗れた方の姫子さんと言うか雪女の場合、芯は強そうだったから自分を自分で騙してなんて生きていけなかったかも。


「ある程度は配り終えたがどうする契約者。」


「う〜ん、ちょいと夜空のドライブ楽しまない?」


「構わぬが、契約者含め稀人は祭りが好きなのだろう?」


「そうそう。祭りが好きです楽しいのが好き。だからちょいとドライブね。」


「?」


 ソリを操作してオーランドの上空へ。いちゃつくカップルなんかもいるみたいだけど・・・。なんか透明なリンゴ投げてる女の人もいるな・・・。なにか怒ってるんだろうか?まぁ、それは無視しとこう。


 流石にバレンタイン戦争じゃないから、ここでカップル憎くての辻キルはないし、不文律と言うか夜景のグラフィックを静かに眺めてる人もいるから暴れる人もいない。


「こうして空を回っているとメリーゴーランドのようだな。」


「いや、結構人多くてさ。で、だ。妖精王もクリスマスプレゼント欲しい?」


「クリスマスプレゼント?アイテムなら足りているが?」


「違う違う、そうじゃないから。真面目な話、名前をつけようかとね。」


「くだらんな名なら拒否する。」


「いや、真面目に考えた。ブライト・・・、どう?」


「ブライトか。艦長からではないよな?」


「違うよ!殴って開き直る人とは違う。」


 運営ぇ〜、学習域が広いぞ〜。妖精王、妖精王と呼びつつも本人はオベロンではないという。最悪オベ三郎もと考えたけど、拒否されるのは目に見えていたので一旦そこから離れて、妖精の部分を強調してみた。


 ボスとはディテールも違ってるし、ブライトなら光り輝くとか知性をもつ妖精という風に、海外の人にも捉えてもらえるだろう。まぁ、意味を聞かないと分からない人もいるとは思うけどさ。


「ブライト・・・、ブライトか。」


 妖精王が名前を口の中で転がしていると、目の前にウィンドが現れた。『名前:』で、点滅しているところを見るに、ここに操作して名前を入れればいいんだろう。流石にここでふざけはしない。ブライトと名を入れて確定する。


「我は堕ちた妖精王から、ブライトと言う個になった。契約者ツキよ、共に長い旅路を歩もう。」


「よろしくね、ブライト。」


 空の片隅でのソリの中で名付け、一瞬前とあまり変わることはない。強いて言うなら本人を参照したときに『堕ちた妖精王』から『ブライト』に変更されただけだけど、姫子さんやらのことを考えると、名前と言うラベルは大切なもので、確かに親から最初にもらう贈り物も名前なんだよなぁ〜。


「うむ。ところでツキよ、ソリの高度が落ちているが?」


「あぁ、クリスマスイベント終了間近だからかな?流石にここでソリ消えて墜落死とかシャレにならないし。」


 甘い雰囲気をぶっ壊す!2年前のクリスマスの時はあまり高度も上げられなかったけど、そのせいか急にソリを消されて強制的に現実に引き戻されるプレーヤー多数。まぁ、ギリギリまで街明かりを見たいくらい、綺麗なグラフィックなんだけどさ。


「これから・・・、花火が・・・。」


「流石に運営も、クリスマスにプレーヤーを閃光弾の中には放り込まなかったか。」


 クリスマスの終わりを知らせるかのように、空には無数の花火が上がり夜空を彩る。去年はぶち当たったプレーヤーが夜空を駆ける流れ星にされたけど、今年は運営もおとなしくしたようだ。


 いや〜、流石に5回死んでフレンドリーファイア無しにしてても、運営と友達と言うか花火師NPCとフレンドになってる人なんていないよねぇ。なれるかも分からないし・・・。周りのカップル達もNPCの夫婦なんかも夜空を見ながらウットリしてる・・・。


「あれ・・・?」


「どうした?」


「今は・・・、23時59分。なにやる気だ?」


「なにやる気だとは?」


「後1分でクリスマスが終わる。なら、なんでこんなに花火を上げ続けてるのかと。・・・、考え過ぎ・・・。」


「じゃ、なかったようだな・・・。」


 未だに上がり続ける色とりどりの花火・・・。ちょっと待て、そもそもこれって本当に花火でいいのか?下手したらミサイルぶっ込んでるとか・・・。そんな思いが嫌な方に通じ、文字通り夜空が、割れた。いや〜、悪名高いトラブルオンラインの運営、なにやらかす?


 そこからどこかに黒い何かが堕ちたのまでは見えた。他のプレーヤーやらカップルもちょっと引いてるけど、これって注目を集めるための心理的な手法だよなぁ・・・。

________________________

 


なぜ・・・、終わったと思っていた?


なぜ・・・、終点だと錯覚した?


なぜ・・・、なぜ、なぜ、なぜ!!!!


本当の邪神、滅びることなき者をご覧に入れよう。



〜運営より〜

 

12/27より3周年イベント


『邪神リローデッド』が開催されます!


参加制限はありません。

報酬一覧、討伐形式は→こちら



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「やりやがったな!」


「やりやがったようだな。」


「ド畜生なプレゼント・・・、運営は悪い文明!」


「・・・、見なかったことに・・・。」


「この状況で、この後雰囲気出せるならいいよ?」


「カップルブレイカー発動!運営よーやった!」


「ここにあるは個人勢の怨念・・・。」


「まぁ、邪神だから怨念的なのも・・・。」


 辺りからは声が上がる。いやぁ〜。誰が言ったか知らないけど、運営やりやがったな!と、いうかメインストーリーやってないから、リローデッドする前に初見ですよ!


「・・・、邪神は弾丸だった?」


「たわけ!」


「いや、リローデッドって再装填って意味だし!」


「ツキは・・・、今の稀人達はなにを装填しているのか知らないのだな・・・。」


「なにを装填しているか?いや、邪神でしょ?」


「我からはこれ以上言えん。」


 多分禁則事項なんだろうけど、逆に気になる。う〜ん、アレイスターの学長室で知った『外より来る者』これが多分邪神だろうとは推測できたけど内容まではやはり分からない。


 分からないけどまぁ、イベントに参加制限はないみたいだし、やるだけやってからメインストーリー攻略とかでもいいなあ〜。あと、地味においしいのが撮影してたから演出をフルに録画できたこととか?


 どうせ運営がトレーラーとして流すんだろうけど、他のプレーヤーの音声も入ってるし、臨場感としては上だろう。報酬の部分を確認すると運営が気合入れたのか、高級野菜セットにポーションセット、イベント交換のラインナップに並ぶのは初めてのナイトメアキャッチャー。その他にも宝石にパーツにと、ハムスターばりに回し車回してもいいと思えるラインナップになっている。


「ん?」


「どうした?」


「なんか運営が杭買い取るんだって。」


 杭と言えばラスボス報酬の邪神を封印せし者の杭なんだけど、なんで今更それを買い取るんだろうか?ラスボス倒され過ぎてイラッと来たからとか?


 と、いうかメインストーリーのボスなんだから倒されて当然なんだろうけど・・・。なんにしても、杭1つで各項目の交換上限半分のポイント、覚醒させてれば2項目半。美味しいと言えば美味しい。多分、リローデッドからも落ちるらしいけど、それの確率は分からない。


 それになにより、注意項目にイベント期間中は杭の転売不可と書かれている。つまり、今日1日で杭のレートは大きく変わるし、それが過ぎれば今度はただの武器に戻る。ならば・・・。


「売るのか?その杭を。」


「いや?イベント楽しんでたら集まるんだろうし、今あるのは売らないかな。コレクション思考じゃないけど、また集めて覚醒させるのもめんどいし。」


 なにもしないのが正解かなぁ〜。新規プレーヤーが増えれば、また杭は溢れるんだろうけど、それまではなんとなく持ってるだけで希少性も増しそうだし無理して売るまでもない。


「そんな理由でいいのか?我としてはもっとこう・・・。いや、ツキはそもそもその杭がなんなのか知らないのだったな。」


「まぁ、露店で買って集めたしね。モーションは好きよ?ボコスカぶん殴ってる気にもなるし。と、流石に日付も変わっちゃったし、今日は落ちるね。じゃ!」


 ログアウトしてそのまま就寝。準備期間なんてものはほぼないけど、初めて見る邪神をぶっ倒すぞ〜!!


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