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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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閑話 5 トラブルオンライン運営

 年末、決済、ボーナス、集金、課金、イベント、狙い、財布の紐!!!!!!トラブルオンラインは医療提携型VRMMOだ。だから、国から定期的に資金援助はある。その反面、国からの指示は妥協点探しになる。


 それは例えば、下半身不随者にゲームで自由を与えろと言うなら、バランスを考えて勝手に動く下半身ではなく、チャリオットや乗り物と言う現実の延長で扱える物を実装して、大衆でも扱える状態と不便さを盛り込む。


 だって仕方ないだろう?なにが不便でなにが出来て、なにができないかを知らないと、助ける側も手伝いを助ける側も分からない。作ったチャリオットは良かった。自分で銃座を操作するなら思考を割くし、フレと遊ぶなら助けとなる。


 まぁ、そんな仕事の鬱憤は悪い文明としてプレーヤーの阿鼻叫喚で晴らす!悪いシステムエンジニア?バカ言え、純粋な悪意を出すなら攻略0.001%なんていう選民思考を出す。


 嫌がっても考えて攻略できるなら、知恵比べで大多数に俺やらAIが勝ったと愉悦に浸れる。悪いか?悪いだろう?悪いから悪い文明なんだよ。


 でもな?シナリオとAIに頼めるし、イベントもある程度のデバッグもAIに頼めるなら、人間がやることは人間に対する嫌がらせなんだよ。ある程度の不自由は自由を求める起爆剤、完全な自由なゲーム?そんなものプレーヤーだけ置いて空白を作ればいい。それならどこへでも行けるし、なんでもできる。ただ、お前は神だから全部自分の自由に作れよ?


>> 橋田さん。ある程度の脳波部分での最適化は完了しました。


「ああ、岩戸さんありがとう。本当に助かる。」


>> いえ。私はできる事しかしてませんから・・・。

  必要なら更に仕事を渡してください。


 国から派遣された岩戸さん。ビビるぞ!ガチガチのコミュ障害で口で話したり、選択肢をリアルで迫られると長考する。でもそれがメッセージやスマートレンズ、要は記録できて後から証明できる媒体を通すと超高速。


 システムエンジニアとして自分をそこそこ優秀だと思っていたが、国から派遣されたと言うだけあって岩戸と言う女性は優秀を通り越している。まぁ、それがコミュ障でかなり潰されているんだが・・・、それでも雁木すげぇぞ!まぁ、相変わらずメッセージで話すのは変わらないけどさ。


「仕事か・・・、岩戸さん。岩戸さんからみてトラブルオンラインの武器データはどう思う?定期的新武器、スキル、ある程度の改定はしているが。」


>> 不思議なのはなぜ過去分、3年前はノータッチ

  2年前は課金部分の改定、今年は新武器の改定と

  しているのですか?



「あぁ、それは簡単な話だよ。医療部分として、制約として置いた。」


>> 医療ですか?


「そう。このゲームは時間経過は現実基準なんだよ。だから、過去があるプレーヤーの記憶もある。そして、現実での3年は3歳年上として処理できるけど、ゲームでの3年プレーヤーは古参になる。言ってしまえば老人と若者、古参プレーヤーと新規プレーヤーのバイバスハブなんだよ。見たことない装備してる、それなに?って聞きやすいだろ?」


>> なるほど、老人に対するコミュニケーションの一環だと?


「そう。コミュニケーションってのは今も昔も難しくてね。その年代特有の価値観もあるし、互いに知らない常識もある。デジタルネイティヴから脳波ネイティヴ、その変遷だけでも考えは違うし、その前の世代なら互いの常識が極端に変わる。そうした時、嫌厭されることは避けたい。」


 アバターは歳を取らない。だから子供のようなアバターでもカンストしてる奴もいるし、老人のようなアバターでもレベル1と言う事態もありえる。


 そうなった時にフラットに話しかけられるかもしれないが、人間というのは難しく、低レベルなら低レベルでコミュニティを作るしカンストならそこでコミュニティを作る。だが、それはよろしくない。世代別コミュニティはできる限り避けるべきコミュニティだ。


 なにせ大多数と関わることが前提とされたVRMMO。確かにバランスを考えるとナーフする部分も、逆に今の環境に追いつかない部分もある。だが、それが悪かと言われると違う。


 既存の武器使用率を見ると、そこら辺で買える何の変哲もない鉄の剣やらが多い。確かに新規ユーザーもそれを使う。だが、それを除外しても多い。


 答えは簡単でプレーヤー側が強くなればザコは一撃で死ぬ。なら、強いモンスターを探すかと言われれば、今度は練習する暇なくガチバトルをするハメになる。


 そこで少し考えれば分かるさ。自分を弱くして一撃で始末できない状況を作ればいい。だからスライムに物理攻撃半減なんかを装備したり、多数戦闘を意識した群れで現れるモンスターを配置したりする。


 残念なことに頑張ってゲームを作っても、どんなに素晴らしいシナリオを作っても、現実世界で時間がなければその素晴らしさは伝わらないし、練習のために難しいクエストをこなす暇もない。


>> コミュニケーションツールと言うのは理解しました。

  ならイベント復刻はどうしますか?

  過去のイベント報酬が欲しいと言う声もありますが。


「それはタイミングの問題かな。今は年末イベントからメインストーリー第二章に向けた調整がメインになるし、年末ガチャどうする?目玉なんにする?って話もある。」


>> 基本無料でも、お金を落としてもらう部分

  ではありますからね。

  他の会社よりも集金意欲は低く見えますが。


「低いんじゃないよ、低くしてるんだよ。医療提携型VRMMOを運営認定される。と、言うかそれの配給タイトルは、課金要素を他のゲームよりも低くしないといけない。だってそうだろ?病院行くのに高すぎると行きたくなくなる。だから、金塊は結構景気よくばらまくし、それで運がない人は課金に走る。」


>> 運ですか・・・。

  それでもキャノンブレード更新時の売上が約15億。

  トップ層のタイトルなのに少ないとは感じましたが?


「まぁ、コレがガチガチの集金型なら、50億から100億を狙うだろうね。実際、アクティブユーザーや重課金、微課金なんかも考えれば、有料ガチャ引ける金塊の配布量を少し減らしただけでも跳ねるし、内部調整で新規ユーザーのモンスタードロップ率は若干高くしてる、それも落とせば更に課金勢力は増える。でも、できない。」


>> できない?


「そう。岩戸さん、昔はリセマラなんて言葉があったらしい。知ってる?」


>> いえ。知りません。リトライマラソンですか?


「いや、リセットマラソン。インストールして、気に入らなければアンインストールしてを繰り返すマラソン。その時代の人の意地は凄いよ。なにせそのゲームが面白いかも、続けるかも分からないのに数十分の作業を、欲しい結果が出て気に入るまで繰り返すんだからさ。」


>> ニュアンスは同じでも労力は違いますね。

  どれだけ確率論を信じても、リセットしたら

  ゼロだからスタートからやり直しなのに・・・。


「まぁ、それだけやる価値があったんじゃない?本人がやるかは分からないけど。さてと、新章の企画と仕様だけどストーリーそのものはOKが出てる。中身もほぼ固まってる。なにか問題になりそうなのは?」


>> 脳波部分は問題ありません。

  ただ、アレをプレーヤーから回収するんですか?

  後から返す、2章のフィールドから一章に戻れば

  売却不可の制限を置く。


  この部分で批判はあると思いますが・・・。


「いや。それは受け止めると合意してる。と、言うか会社としても、やったれやったれだからいいよ。」


>> まぁ・・・、物としては3年前からあるものですが・・・。


「それはもう、プレーヤーたちの意思の結果だからね。自分の喜びを忘れて切り売りした結果、大切なものを失った。よくよくあるだろ?序盤から持ってた剣が弱くなったからと、帰ってこないのにモンスターに投げてロストして、後から剣の意味を知ったらなんてことをしてしまった!とかね。やった結果は自分のもの、その結果も含めて自分の選択。だから、活性化もするし交流も増える。」


>> 確かにその話は分かります。

  雁木さんが仕事終わって担当外れた時は

  引き止めたいという気持ちもありましたから。


  そう言えば、国営AIアマテラス側から特定の

  メインコアに頻繁にアクセスがあるようなのですが

  なにか聞いていますか?


「いや、その話は知らないけど・・・。医療部分でのデータのやり取りはあるからなぁ・・・。で、そのNPCとプレーヤーネームは?」


>> プレーヤーネームは『ツキ』です。

  メインコアを使用して邪悪なる妖精王の素材を使い

  堕ちた妖精王を連れ回しています。


「・・・、えっ?ネーム変更してないの?そのプレーヤー。」


>> してません。一部の会話ログだと

  妖精王と短縮して呼んでいますが、改名はしてません。


「いや、まぁ、いつ名前つけるとかは自由だからいいけど、岩戸さんがそう言うってことはそこそこ長く?」


>> 既に2ヶ月近くは変更もせずに・・・。


「ふ〜ん・・・。岩戸さんって、国からの派遣だけどもしかしてなにか探してる?」


>> えっ!?いや!そんな!えっ!


「落ち着いて、落ち着いて。国からの派遣だから、なにかあるのは分かってるから。特にチートや違反をしてないならいいんだけど、頻繁にアマテラスからアクセスがあるなら、登録者状況見てみる?」


>> いいんですか?


「いいと言うか、クッソ長い手続きすればいいよ。そのプレーヤーがなにかしらの障害を抱えてるなら、それに対してどう落とし込むかって考える部分もあるし。」


>>4 分かりました、正規の手続きを経て見てみます。


 ペコリと・・・、言うほど私って小さくない。デカいから腰を折る。ちゃんとは話せたかな?そう思いながら橋田さんのところから離れる。自分の送ったメッセージのログを見てもおかしくないよね?後から言った言わないとか、覚えてないなんてことはないように保存しよう。


 木本さんからお願いされてる妖怪捜しは、なんの手がかりもない。不正なログもチートも変な誘導と言うか、大きく認知を変えようとするようなNPCも、トラブルオンラインには見当たらない。


 そうなるとやっぱりメインコアを持つ誰か?メインコアを持つ人は200人。それがスタートで今は500人にまで増やされている。ユーザー数に対しての少なさから、超絶希少アイテムってなってるけど、どこまで増やすかはまだ決まってない。


 だって医療提携型学習AIの触覚で、今以上に詳しく障害者なんかを観察するために出したアイテムって話だし。そんな触覚を持つ1人がツキと言うプレーヤー。でも、それと同じくらいの気になるのがアマテラスが雁木と言う名を出したこと。


 あの一瞬が間違いじゃなければ、アマテラスは雁木さんを探してる?でも、その名字が珍しくてもたった1人しかしないわけでもないし・・・。


 そう思いつつ、本当に長い手続きをやる。なんの違反もしてない人のデータ・・・。違反者なら調査と言う名目で確認ができるけど、違反をしていないなら途端にその手続きは膨大に・・・。


「い、いひ・・・。こ、これでいいよね?」


 悪いことはしてないし、誰に見えるわけでもないけどARデスクを隠す様に体を丸める。そして、恐る恐るツキと書かれたデータにアクセス・・・。


「が、が、が、雁木さん・・・。」


ツキ:雁木 真利


 事前登録よりプレーヤー開始。

 レベル:250


 その他に課金歴や保有スキル、フレンド、ログイン時間等々、様々なデータがでてくる。ゲーム会社運営として見れる個人データはそこまで多くないものの、このデータは私が知ってる雁木さんだ。でも・・・、この狐娘って誰?


 配信用撮影して配信者として配信してるみたいだけど・・・。なんでワイプに映るのは男の雁木さんじゃなくて狐娘?えっ?もしかして木本さんが探してる妖怪ってこの子?確かにデータをごまかす妖怪もいるけど、本人ごと騙す妖怪とか、かなり危ない奴?れ、連絡!木本さんに連絡!


 待って私!私待て!ステイ!ステイ!!さ、先に乗っ取りとか、変な原因とか天変地異とか、未知のウイルスとか、アブダクションとか!!!


「岩戸さーん。」


「ひっ、ひゃい!!」


 お、落ち着け!モチツケ!餅・・・、つけ!ついた・・・?つけない!も、もう一回後から確認しよう!木本さんは怒らないだろうけど、それでもちゃんと仕事はしないと!

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