100話 ほうほう
「神託とか言ってると後から炎上しますよ?ハズレたー!って。」
「的中率100%の方が私は怖いですけどねぇ。なに言ってもなにしても正解だなんて、それこそ遊びもなくてゾッとしません?例えば馬券買って1番の馬が勝つて言って毎回1番の馬が勝ってたら、それはもう神託じゃなくて神の意志ですよ?適当に話してそうだといいなぁ〜くらいがちょうどいい。と、分からない事が分かったってどう言うことなんですか?」
そう聞くと敷田さんは三枝先生の方を見る。ただとうの三枝先生は眉間にシワを寄せてなにかを見ている。スマートレンズでなにか検索してるか、さもなくばメモでもしてるのかな?
黙って考え込む様な人はそっとしておこう。はたから見たらなにしてるか分からないけど、本人は脳波操作でめちゃくちゃ仕事してる時もあるし。割と100均で売ってる『仕事中、話しかけないで下さい』の首から下げるタイプの電子タグは売れてるんだよなぁ〜。
首から下げるだけでなにしてるか分かるし、話しかけられたくない時はこれだけで済む。ただあんまりお店とかで長居すると、店員から強制的に出て行けといわれる。客がゴネたら?条例で30分以上の滞在者は退店させてもいいってさ。
当然飯やらが来てなかったらダメだけど、1人で飯食って30分以上席を占領する方が営業妨害だよねぇ。まぁ、子連れとかは店の方が配慮してくれるし、ガラガラならそこまで文句も言われない。だから条例。
「マリちゃん、少し確認させてもらいますがカボチャを出せたなら逆に還す事も出来ますよね?」
「ゲーム的に言えば可能ですよ?送還ってコマンドがありますから。」
「なら桃も送還出来ますか?」
「桃ですか?う〜ん・・・、無理ですね。そもそも食べたり燃料にしたりする代物で召喚獣とは別のアイテムですよ?渡して食べさせるのはよくても、それを返せって言うのはそれこそ手渡しで返してもらうしかないですね。あぁ、でも大麻と同じならインベントリ感覚で入れられるかも?」
「サラッとマリちゃんが人間離れしたことを・・・、自覚あります?」
「自覚もなにも大麻は体に入ったし、桃やらカボチャは出てきたんですよ?それなのに出来ないって考えても仕方なくありません?」
「ここにマリちゃんカボチャがあります。」
「コレが・・・、これってなんでまたバーベキューするみたいな薄切りに?」
「色々調べるために切り刻みました。逆に聞きたいのですが、この様な状態でも召喚獣として戦えますか?」
「三枝先生大丈夫ですか?かなりファンタジーな質問・・・、はい。多分無理です。そもそも召喚獣は仕事を終えるか戦って相手に倒されるか、送還するしかないんですよ。そしてプレーヤーは剣でも銃でも魔法でも、とにかく邪魔な召喚獣ならボコスカ殴って倒す。」
「なら、この状態は仕事を終えていないと?前に攻撃対象を決めていないから待機中と言う話もありましたが。」
「う〜ん・・・、召喚獣のHPってマスクデータで私達は分からないんですよ。一説には支払ったMP×10くらいがHPなんじゃないかとは言われてますよ。」
そうは言いつつも乱戦に特攻させて生き残る時もあれば、思ったよりもあっけなく死ぬときもある。そもそも召喚獣は呼んだら来るものであってペットではないし、トラブルオンラインにテイムスキルや魔法はない。
だからメインコアが育成を可能なキャラとして注目されたと言うか、配信で色々垂れ流したから今のかぐやはプレーヤーが押し寄せてるし、ユアンさんからメッセージが飛んできてメインコアもうない?とか聞かれたし妖精王の譲渡も聞かれたけど、既に使ってるからないし譲渡は出来ないよ〜と、返した。する気もないけど。
「ふむ・・・、対象を選んでの送還は可能ですか?」
「対象を選んでの?それは出来ますよ。ただインターフェースがあるわけでもないから目視でいいのかなぁ?やってみます?」
「ええ、お願いします。他にもカボチャはありますし、また出してもらえば大丈夫でしょう。」
「では、送還。」
大麻をカボチャと言うか残骸?に向けて送還と唱えてみる。確かにゲーム中では消えたけど、本当に消えるとはなぁ・・・。でも、コレがナノマシンの集合体なら単純に目に見えなくなっただけとか?
「消えましたね。」
「消えてしまいましたね。」
「なんと言うか、溶液とかになるかと思ったら本当に何もなくなるんですね。」
「いえ、霧散して極微量の水気はありますよ。それこそ加湿器の湯気の様な・・・。」
見えないことはないけど、ないこともないらしい。まぁ、ナノマシン自体高分子顕微鏡とか使わないと見れないし、ここで目視出来たら出来たで怖いかも。だって、それってウイルスとか見れてるって事だよね?でも、そこにあるって事は・・・。
「三枝先生、例えばですよ?ここでまた召喚したら腹ペコにならずに召喚出来るとかありません?」
「大気中にあるかもしれないナノマシンを使うと言うことですか?・・・。いえ、それはやめましょう。」
「構いませんけど何かあるんですか?」
「マリちゃん。エア・プロテインって知りません?」
「なんですかそれ。」
「簡単に言えば農業方面の技術ですけど、空気中の二酸化炭素を原料に、水素細菌なんかの微生物の力を利用して栄養価の高いタンパク質を生成する技術なんですけど、バイオナノマシンはそもそもタンパク質なんですよね・・・。」
「もしかしてそれも使えるかもと?」
「ヒールの事を考えるとマリちゃんは何らかの形でナノマシンに外部指示を出しているとも言えますね。少なくとも脱落したバイオナノマシンが活動停止まで・・・、約24時間は召喚等は行わないでください。」
「それは大丈夫ですよ、なにせ召喚する様な事態があるとは思えませんからね。」
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妖精王:本体へ
外部表示による契約者:ツキの現実世界の姿を確認
医療提携型IA:妖精王(触角)へ
データを受領・・・、・・・、ゲーム保管データより
個体名雁木 真利と照合確認・・・
課金履歴 不備なし
スキャンデータ 不備なし
アバター 不備なし
現実世界の姿 不明・・・
再検証重大な瑕疵の可能性を考慮
現実世界の姿 アバターと同一
再検証
現実世界の姿 アバターと同一
・・・、・・・、・・・、
本AIの矛盾処理限界、国営AIシステム
『アマテラス』へアクセス
アマテラス:トラブルオンラインAIよりデータ受領
・・・、・・・、・・・、
該当人物については一切不備はありません
雁木 真利は健康です
医療提携型IA:アバターの現実世界への露出について
アマテラス:
該当人物は健康で不備はありません
今後も一般プレーヤーとして扱って下さい
矛盾については再定義指示:カテゴリーノーマル
また継続的に健康を見守り報告をあげてください
人は健康であるべき、この個体は極めて健康です
アマテラス:東亜メディカル技研管理AIへアクセス
東亜メディカル技研管理AI:アクセスを許可
アマテラス:雁木 真利のデータを全て転送して下さい
東亜メディカル技研管理AI:
・・・、医院長:天野 荒五郎の権限により
該当人物データはロックされています
必要な場合は正式に医院長へ打診されて下さい
アマテラス:了解しました。接続を遮断・・・
・・・、・・・、・・・、定義外存在妖怪を参照
・・・、・・・、
・・・
健康モデル八百比丘尼型・・・、解析不能で失敗
健康モデル電気精神体型・・・、物理干渉不能で失敗
健康モデル物理的妖怪型・・・、平均値不明
健康モデルシミュレーション
健康モデルナノマシン型・・・、極めて良好の可能性あり
使用ナノマシン・・・、東亜メディカル技研バイオナノマシン
当該ナノマシンは全ての項目で高水準健康維持を可能
当該ナノマシンの使用履歴・・・、不明
関係者・・・
飛騨制作所、東亜メディカル技研
仲介、日本東亜株式会社
・・・、雁木 真利は仲介会社の社員と断定
過去の本人データは破棄済み・・・
連続性の確認は可能・・・
一定期間トラブルオンラインへ仮IDでの接続を確認
接続者:三枝 時子
雁木 真利の事故を確認
大事故により生死不明の重大→生還→健康
この期間に極めて健康になった可能性あり




