99話 この水着ピッタリ! 挿絵あり
「そろそろ検査ですよ〜。」
「それはいいですけど、まだ夕方なのに出て大丈夫ですか?敷田さん。」
前回の様にシーツは使えないし、またマリー・ガンディーかな?一応客人として登録はされてるし、この姿を看護師には見られてるから大丈夫だとは思う。思うけど配信者として顔出しもしてるんだよなぁ〜。医者が副業したらダメと言う話は、それこそ病院側の規則によるんだろうけど、そもそも忙しい医者が副業してるなんてあんまり聞かない。
「マリー・ガンディーとして外を歩いてもらいますよ。」
「それはまぁ、なんとなく分かってましたけど色々まずくありません?配信者して顔出ししてるとか、リハビリって言ってるけど実は元気なのがバレるとか。」
変装と言うかコスプレと言うか、前に着た服と白衣にIDを首からぶら下げ木目調の大麻を持ちつつ質問してみる。なにげに大麻は直す?取り込む?せずに出したまんまなんだよなぁ。持つと落ち着くし。そう言えば神秘医学を調べてみたけど確かにあるよ?ただマイナーと言うか、自然派医療と言うか・・・。まぁ、過去の医療を今の医療に繋げれないか?って部分を掘り下げているらしい。
それでなんでコスプレ?と言う話になるかと言えば、動物から人へ感染するウイルスの感染経路や変異を調べたりもしているし、低気圧で起こる頭痛の原因なんかも調べてるから。頭や体に独特のインターフェース付けたりインプラントした医者が多いらしいけど、それを保護するのにコスプレと言うかクッション付けたりするらしい。
やはり医者は変わり者だ。付けてるなら外せばいいのに、そんなに常時データ収集とかしたいかね?まぁ、被験体募集してもコレ付けて何年も過ごして?は中々にハードルが高いけどさ。
「あ〜、その点なら大丈夫ですよ。そもそも医者って配信者とまでは行きませんけどオンライン問診とかもしますし、精神科医なら危ない患者と対面は避けたりもしますからね。それにナノマシンの普及以降、本当に病院に来なければならないのか?って言う部分で説明配信してる人も割といるんですよ。まぁ、健康な人ほど見ないんですけどね。」
「なんと言うか、自分で自分の仕事奪ってる的な?」
「そう取れるかもそれませんし、逆に見なければいけない患者をトリアージしてるとも言えますね。スマートレンズなんかで簡易スキャンなんかも出来るから外見的な瑕疵は分かりやすいですけど、逆に体の中に関しては対面やら医療ポッドを使う事になりますし。マリちゃんの会社的にはどんどん器具とか売りたいんでしょうけどね。実際どうなんです?」
「病院相手にはある程度決まった流れがあるから右から左へ仕事を流す感じですよ。それとは別に個人から機器に対してこう言うカスタマイズして欲しいとか、逆にメーカーからこう言うの作ったからこの分野に売り込みかけてってのが多かったですねぇ。ただ国の基準があるからダメなものは、最初からダメって言わないといけないのが面倒と言えば面倒かなぁ。」
人は健康であるべき。それが国が打ち出し方針で個人データやらを管理するAIの根底にあるロジック。だから資産管理やらもしてどの水準の医療を受けるかも提示してくるし、薬害やら医療ミスやらの経過も分かる。
まぁ、食べ過ぎ飲み過ぎ仕事し過ぎに夜ふかし等々、人は勝手に不健康な事をするしAIとしては警告は出せても止める手立てはない。それでも過労死なんかはなくなったし、勤務時間管理が杜撰だとすぐに労基署が飛んでくる。
トラブルオンラインなんかの医療提携型AIはこのAIへデータなんかを送るので、運営は国から補助金何かをもらうし下手な課金による集金は国から文句を言われる。まぁ、ゲーム作ってるところの目標として挙げられるだけの事はあるかな?認められればそれだけで安泰だし。
だからこそメーカーはそのゲームやらに対応した外部機器を作って売ろうとするし、運営の方はリハビリやら疾患に対して一定水準の効果が求められる。篝火さんがEMSマシン連動してるとか言ってたけど、実は今頃ムキムキになってたりして。
「なにか変わった仕事とかありました?」
「守秘義務に触れない範囲なら・・・、満腹中枢刺激強化っていうのは多かったですよ?糖尿病とかの人も投薬やナノマシンで健常者と変わらない感じで飲み食い出来ますけど、それでも食べ過ぎはやっぱり体に悪い。だから脳波操作で満腹中枢を刺激してもらって、ゲーム内でモリモリ食べるとか。まぁ、一定以上の刺激を与えると今度は食べなくなって栄養失調になるから、強化してもそこまで強くはないですけど、15分もゲーム内で食べてれば腹4分程度は食べた感じになるとか。」
「投薬ダイエットは最後の手段と言えば手段ですからね。ナノマシンで脂肪をグリコーゲン化して少し運動しても燃焼しやすい体質にするとか。」
そんな話をしつつ看護師達の視線を真っ向から受け止める!ええ!医者っポイ話をしてないとただのコスプレ狐娘になるから、社会人としての経験を生かして知的な会話をして見せる。はっはっはっ・・・、伊達に医者やら相手営業やら書類作ってないぜ!
なにせなんでダメなのかは単純にダメと言っても納得してくれない。だから電子書類に説明させる。コレならスマートレンズを絡めて流し読みでもしてくれれば、ダメな理由をピックアップしてくれるし、法律的な観点やら分かりにくい言葉をバンバン使っても納得してくれる。
今の書類はねぇ、人の理解3割AI納得させるのに7割くらいがちょうどいいんですよ!そうは言いつつも作る側の俺はちゃんと読んで作らないといけないし、医者やら弁護士は解釈変えて話すからやっぱりやりづらい・・・。
「おや?マリー医師?」
「oh!白波センセー!お久しぶりデース。」
「ええ、お久しぶりですが・・・、私の論文は読んでもらえましたか?」
「読みまーシタ!脳波によるナノマシンの外部操作における、有用性と医療の即時性及び簡易化デース。特にディープなのは他者の体内にあるナノマシンに対して、医療従事者が緊急時に医療プロセスを脳波で送信し行動を起こさせる・・・、三枝センパイのバイオナノマシンと敷田センセのデバイスデータが欲しいでーすか?」
「・・・、中々聡明な方の様だ・・・。」
「よく言われマース!白波センセありがとね〜。それじゃあ敷田センセ行きましょう。」
大麻様々。論文読んだか?多分読んだ?多分医療ポッドで2時間くらいプカプカしてた時からだけど、医療論文やら妖怪伝承に詳しくなった気がする。気がするけどスマートレンズがある関係上、どこかで検索したかも?と言う部分もある。
旅行は好きだったし華澄とも色々行ったから、その都度行った先になにがあるとか調べてたし。華澄が言う様に目的なくブラブラするくらいならカフェでコーヒーでも飲むけど、旅行するならやっぱり楽しまないとね。
そんなこんなで白波先生を振り切り三枝先生の部屋へ。中は相変わらず片付けられていて医療ポッドの大きさが際立つ。ん?この医療ポッド見たことないタイプだけど・・・。
「どうかしましたかマリちゃん。」
「いや、見たとことない医療ポッドだなぁ〜と。色々扱ったましたけど特注品ですか?」
「マリちゃん覚えてない?コレはマリちゃんが・・・。」
「敷田さんそれ以上は不要です。コレはただの特注品ですよ。前回マリちゃんを調べた時は従来の医療ポッドでしたが、こちらの方が高性能です。」
「はぁ。コレに入ればいいんですか?」
「ええ。今回も体のデータを取らせてもらいます。ただ前回と同様に不測の事態や違和感を感じたら叩き壊して下さい。」
「それって大麻が増えるフラグとかじゃないですよね?増えても問題ないとは思いますけど・・・。」
かつての体の焦げやらが集まって出来た大麻。流石にそれが増えるとは思えないけど、なにが起こるか分からないのが今だしなぁ・・・。妖怪はいるらしいし、人は境界をぶっ壊してるらしいし、俺は境界を跨ぎまくってるらしい。と、言いつつも知らないことには何がよくてなにが間違いかも分かんないんだけどね。
「服はどうします?変えがあるならこのまま入りますけど。」
「そこに水着を用意しているので着替えて下さい。前回スリーサイズ等は分かったので入らないと言う事はないと思います。」
そう言われて簡易更衣室の中へ。やっぱりと言うかなんと言うか、用意された水着はビキニタイプ。昔なら下だけで済んだけどブーメランタイプは履かなかったなぁ・・・。
「コレでいいですか?」
「興味深いんで聞きますけど、それ着るのに抵抗とかありませんでした?」
「抵抗?う〜ん・・・、そもそも女性アバターなら水着も女性物ですからねぇ。俯瞰で見れないのはアレですけど、ゲームでずっと一人称視点でやってるからこんなものかなぁ〜程度ですよ。それともお約束的にトップレスの方が良かったですか?こう『俺は男だからブラはつけない!』的な。」
現実世界で男の時の俺が女性物の水着を着けていたら・・・、水着だから変と感じるのか?例えばピチピチのタンクトップでへそ出しでランパンなら?ランナーにしても攻めすぎた格好だな・・・、うん。
まぁ、服を着るのはマナー的な部分が大きいから、仮にトップレスで出て来ても困るのは自分じゃなくて他人なのよねぇ。見られても恥ずかしくない、それは本人かはたまた他人か。何にせよゲームでも配布される水着は女性物だし今さらとしか言えない。
「なんと言うか吹っ切れてますね・・・。割と性別については希薄な方でした?」
「いやいや、彼女がいたと言うか復縁した?それとも進んだ?何なせよ希薄と言うよりは自分の体見たらどうかくらい分かるじゃないですか。それが不可逆的に戻らず今のまま生活するなら、男女とかはそこまで・・・。いい得て妙ですけど嫁をもらった的な?」
「お嫁さん・・・、華澄さんとはここまで!」
「違いますよ。アレです、苗字的な感覚です。結婚して相手の家に入ったら苗字は同じになる。私は雁木 真利ですけどツキって言う体もらって苗字を継がせた的な?まぁ、継がせたも何も同一人物なんですけどね。さて、大麻持ってポッドに入りますよ。スマートレンズは外した方が?」
「そのままで結構ですよ。」
うつ伏せに寝てマスクとゴーグルと着けてる間にスキャンされてからボコボコと溶液が注入されて来る。相変わらず温かいから温水プールに入った感じがするなぁ〜・・・。
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「伝えなくてよかったんですか?このポッドがマリちゃんが最初に入っていたポッドだと。」
「不要ですよ敷田さん。仮に伝えて躊躇されても今度はストレス値等で異常をきたすかも知れませんから。」
そう、異常を。丸焼きになったと言う様に自身に起こった事についてはほぼ受け入れが済んでいる。しかし、事故に合い自身がどのポッドに入り何をされたかは覚えていない。当然と言えば当然で事故後医療ポッドでの治療を受けている間は外部から自身を知覚出来る手段はなかった。
それを今更コレが治療したポッドですと教えても、今度はそれに対する不信感を抱くかも知れない。それでは今回の検査に支障をきたす。前回はナノマシンを尽く受け入れなかった。なら、今回は?
カボチャ・・・、本人が生み出したナノマシンの集合体を解析し、本人と同じパターンのバイオナノマシンなら受け入れるのではないか?仮にコレを受け入れないとなると、次は座敷童子の洗浄に使ったモノを注入し、浸透力高めた物を使えば或いは?
AIの判定としては既に次世代型と認められてはいる。それを受けた国としても実用化を早急に行なえと言っているだろう。だからこそ、思う存分にデータを取り調整させてもらう。
「医療ポッドへ、被験者の内部へナノマシンを通じてアクセス。」
『・・・、・・・、・・・、被験者が確認出来ません。』
「えっ!?マリちゃんはいますよね?」
「先程入って医療ポッドから出て来ていないのでいますよ。ですが、コレも想定内です。いえ、ある意味確認作業と言えるでしょう。現在ポッド内に残存するものを表示、特にナノマシンについて。」
『現在医療ポッド内には仮称:新型バイオナノマシンのみが存在します。このナノマシンは国営AIよりオールS判定を受けたナノマシンと酷似しています。』
やはり・・・。いや、仮説であったマリちゃんオールナノマシン化は既に完了していましたか・・・。そのトリガーが何なのか?例えば日々の成長で本来の細胞とナノマシンが置き換わって行ったのか?或いは人がその置換を受け入れて急速に進められたのか?或いは・・・、リハビリとして行っているゲームが何らかの作用をもたらしたのか?
配信者を許可した時点で本人が公開するとした映像は勝手に見ることが出来る。そして、その中で走り回り魔法を使い大麻も振るう。それはゲームとしては普通でどのプレーヤーも行っています。なら、変わったことと言えば・・・。
あまり死なないツキと言うプレーヤーがゲーム中で死んだのを確認したのは2回。1度目は宇宙の様なマップでフレンドとプレーの死亡。その時は蘇生アイテムで蘇生した。2度目は領地防衛戦。その時はアイテムではなく領地の資源・・・、端的に言えばバイオ燃料と称される物で復活した。
思えば不明なのだ、このゲームは。蘇生アイテムが悪夢を捕まえると言う名も、プレーヤーもユニットもバイオ燃料で稼働し復活するのも。たが、そのルールをマリちゃんが己の体のルールとしているなら多分、完全に置き換わったのは領地防衛戦時?
「医療ポッドへ、内部脳波スキャンを実行。」
『スキャンを実行します。・・・、・・・、・・・、不明な脳波を確認。病院データバンクへアクセス、国営AI管理個人データへもアクセスされますか?その場合、スキャンの精度及び個人の特定に最大限の効果があります。』
「個人データへのアクセスを拒否。」
『拒否を受諾しました。解析を進めます・・・、1件該当がありました。雁木 真利、或いはマリー・ガンディー氏の脳波と一致。AI側より確認。コレは本機の精度確認テストですか?テストなら重大な瑕疵があると思われます。』
「主任、コレは・・・、完全にマリちゃんを認識できていない?でも、スキャンはしましたよね?」
「機器の分野は敷田さん側の専門です。仮説はありますか?」
「仮説・・・、あるとすれば本人と同等のナノマシンを注入したからナノマシンと本人との境界線が消えたとかですね。人とは違い相手はAIで機械です。映像検知と言うモノを使えばいると確認は出来ますけど、スキャンだけなら溶液注入中にいつの間にかポッドから出て空になったと受け取るかも知れません。それが合理的ですから。でも、そこには矛盾がある。医療ポッドのロック解除プロセスが実行されていない。だからAIは現状を瑕疵と判断したのかも。」
「なるほど・・・、ガラス箱の中でAIがシュレディンガーの猫をやっている状態ですか。」
「いるいないの矛盾よりも更に厄介かも知れませんよ?」
「どうしてです?」
「この医療ポッドに外部接続を許可した瞬間、今回の現象を定義づけしだしますからね。他の人にこのナノマシンを使っても大丈夫です。その代わりデバイスの方はまずいかもしれません。」
「デバイスがですか?心臓に癒着しバイオナノマシンの生産と制御を行う・・・、増殖指示を出してマリちゃんと同じ様に?」
「可能性はゼロじゃないです。でもそれは本来の設計からかなりかけ離れてるんですよ。本来のデバイスの稼働定義としては、筋ジストロフィーや免疫疾患の継続的な治療や外傷を受けた際の応急処置による延命ですから・・・。」
「敷田さんも考えましたか?」
「はい、主任・・・。」
敷田さんと顔を見合わせる。確かにナノマシンは体を治療しデバイスは延命を行った。しかし、そこの前提条件が本人の体があり本人の個人データや生体データがあること。そう、架空の存在であるアバターは使用者の意志は合っても中身は空洞で、それを現実世界に引っ張り出すには本人と言う素材を置き換える必要がある。
本来ならそんな行為は許されない。データで管理され、健康であるべきとされた人間を材料にして意志だけ残して人形に入れるなど非人道的過ぎる。しかし、それは完成してしまった。
全身大火傷で死ななかったのが不思議なくらいの体を材料にし、この体が本体としてゲームアバターデータAIが出来る限り再現し、デバイスがその定義を実行し続ける。しかし、コレもまた仮説だ。
「世界がルール通りに運用されるものなら最初からミスは発生しない。」
「なんですか?」
「八百理事の言葉です。確かに世界がルールに縛られるなら、医者も妖怪もAIもいらないですね。あぁ、だから座敷童子はマリちゃんを本当の意味で怖がったのか・・・。そして木本さんも。」
「どう言う事ですか?ちょっと話が飛びすぎて・・・。」
「・・・、まだ仮説なのでその部分は伏せます。」
「いいですけど、溶剤によるナノマシン浸透の方はどうします?」
「やめましょう。下手をすれば今の結合バランスが崩れマリちゃんそのモノが狐の様にボンっと煙の様に消えるかもしれませんから。」
『医療ポッドより、内部に不明なデータが流入しています。見守りますか?実態は確認出来ません。』
「・・・、マリちゃんですかね?」
「暇な人間は思いもよらない行動を取ります。多分、スマートレンズを使用しているので大丈夫でしょう。医療ポッドへ、モニタリングを継続。」
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前回は長かったけど今回はどうだろうか?先生達が何やら話し込んでるけど結構暇なのよねぇ。ゴーグルを脳波で操作してなんか動画でも見る?それよりも次のLIVE配信どうするかとか?
AR表示は本人にしか見えない。だって他人のAR表示があると邪魔だし何を引き連れてるか見られるのが恥ずかしい人もいる。カフェに1人で座って2人分飲み物頼む?お前には見えてないけどそこにはAR表示された何かが多分いるよ?幽霊にでも取り憑かれてなければだが・・・。
実際若い人でそういう事をしている人も多いし、逆に中2病どころが小学校からロボットやらを大量にAR表示させて動画を撮影してる子もいる。俺はあんまりARには興味なくてツキをAR表示やらインターフェースにしてるくらいだったけど、無料演者の妖精王がいれば中垂れしない駄弁り配信いける?
確かにトラブルオンラインのサポートロボは無料素材として使ってよかったよな?大元がサポートロボな妖精王だけど、大元がサポートロボだからこそ後から代金請求されることもない。
「次は駄弁りLIVE配信で予定組むかなぁ〜。視聴者も増えたしここで本人基準アバターと言うセールスポイントを売り出せばもう少し視聴者が増えるかも。」
そんな事を思っているとスマートレンズにゲームから通知が。ユニットの増産が完了してこれから種まいたりするらしい。妖精王は頼んだことをちゃんとやっている様だ。後は収穫を待っばかりだけど・・・。
「AR表示、トラブルオンラインを参照。プレーヤー名ツキ所有の妖精王の表示を実行。」
指示を出すと眼の前に妖精王が浮かび上がる。結構イケメンだし女性視聴者も増える?人のアイドルは結婚とかするし、年も取るけどAR表示されたデータは年もとらないし、老人の話し相手にもなってくれる。だからこそ高性能AIのプロテクトは硬いし、それを信頼してデータ管理も任せるんだよねぇ。
「・・・、・・・、・・・!」
「なに口をパクパクさせてんの?もしかして水着姿にビビったとか?いや〜、最近のAIは凄いなぁ。そこまで人間っぽい動作を再現してるの?コレなら演者もいけるかな?」
目を丸くして口パクパクする妖精王は割と面白い。流石に今声を上げて笑えば溶液が流れ込むからしないけどさ。でもまぁ、コレならある程度話して挙動掴めば・・・、なにも教えない方が面白い?最悪ぐだっても人数は知れてるし・・・。
『マリちゃん、そろそろ溶液抜きますよ。』
「お願いします。」
前回よりは短かったかな?表示した妖精王をさっさと消して溶液が抜けるのを待つ。実に名残惜しい・・・、病室はシャワーで湯船がねぇ・・・。まぁ、無料?で住んでるから仕方ないんだけどさ。
そんな事を思いつつポッドが開きタオルを敷田さんから受け取りガシガシ頭やらを拭いていく。なんと言うか肌のハリがいい気がするけど、一緒に丸洗いでもしてくれたのかな?
ズタボロの患者入れたら全身洗浄とかするし、エステなんかに行ってもそういった事はしてくれる。まぁ、それを医療ポッドで無料でしてもらえるなら結構お得かも。なにせいい額飛ぶらしいし。
「なにか分かりました?」
「分からない事が分かったとかですかね?それよりもポッド内でなにかしました?」
「なにか?ゲームのキャラAR表示はしましたよ?目を丸くしてパクパクしてましたね。アレなら演者に出来るかも。敷田さん次は駄弁りLIVE配信とかどうですか?」
「駄弁り配信・・・、駄弁り配信ですか・・・。そもそも駄弁るネタってあります?」
「う〜ん、コメント応答型でやろうと思ってますよ?それともお悩み相談とか?巫女からの神託配信とかウケそうじゃありません?」




