作戦会議します!
翌朝。
机の上に並べた一万円札を眺めながら、俺はカップラーメンをすすっていた。
バターチキンコーンカップラーメン。
今日はやけにうまい。
「さて……どうするか」
次に狙うのは、二階層のゴブリンが落とす転移石だ。さらに三階層のキラービーからは合成石も狙える。
せっかく三階層まであるのだから、一回の探索で各階層を回れば効率がいい。スライムの水色の聖水も含め、三種類のレアドロップを狙えるのだ。
「天才か。効率しか見えない……!」
思わずニヤニヤしてしまう。
ただし、問題はゴブリンだった。
スライムなら何度も倒しているが、ゴブリンは武器を使う人型の魔物だ。相手が一匹でも、近づかれるのは怖い。
「やっぱり、武器が必要だよなあ」
ギルドのかわいいお姉さんには、攻撃力のある魔法武器があれば安全に戦いやすいと教えてもらったな。
まずは武器を買い、スライム相手に試してみる。そこで使い方に慣れたら、ゴブリンを一匹だけ倒してみよう。
もちろん、遠くから。
危なくなったら逃げる。
いのちだいじに。
ビビリじゃない慎重と呼べ。
ところで、転移石や合成石を手に入れたとして、使い方は分かるのだろうか。
どちらも実物を見たことすらない。今度ギルドで詳しく聞いておこう。これから先のダンジョン攻略に備えるなら、道具の知識も必要だ。
ラーメンをすすり、ふと顔を上げた…
「まてよ……ダンジョンでも、これが食べられたら最高じゃないか?」
魔物を倒したあとに、熱々のカップ麺を食べる。
想像しただけで腹が減ってきた。
だが、ダンジョンでお湯を用意するのは面倒だ。毎回家に帰るわけにもいかない。
閃いてしまった。
俺は、魔法武器のカタログを開く。
「火属性なら……お湯を沸かせるんじゃないか?」
武器として使えて、お湯まで沸かせる。
なんてことだ。一石二鳥だ。
俺は火属性の魔法剣を選び、翌日、ギルドの武器店へ向かった。
店員に相談し、実際に手に取って重さを確かめる。いくら攻撃力があっても、まともに扱えなければ意味がない。
店員からは風魔法の魔法武器をすすめられた。
それで、水が沸かせるんか?お?
お金を持った俺は強気だ。
代金を支払い、剣を受け取る。
ずしりとした重みが腕に伝わった。
「うーむ。これでゴブリンと戦うのか」
買った途端、急に不安になってきた。
✳︎
帰宅すると、俺はさっそく剣を試した。
鍋に水を入れ、剣の切っ先から火を出して温める。
少し時間はかかったが、ちゃんとお湯になった。
「おおっ! できた!」
無事カップ麺も完成。
俺は熱々の麺をすすりながら、満足げにうなずいた。
これならダンジョンでも食べられる。
まあ、 便利なのは間違いない。
明日は、まずはスライムで試運転。
問題がなければ、ゴブリンを一匹だけ相手にする。
怖くなったら逃げる。
ついにソロでゴブリンに挑戦だ。
……一匹だけ。
ああ、もちろん、遠くから。
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