崇めてみました!
俺の前には、様々な課題が転がっていた。
その課題達は、密接に関係しあい俺に様々な要求をしてくる。
例えばそう、転移の腕輪問題。
作るための素材は、俺のスーパー周回によってあと2、3週間もすれば解決されるだろう。
単純計算で3階でのレアドロップテーブルが1024分の1と仮定すれば、2000回ほどの周回で必要個数の平均二個の合成石が手に入る。
その周回中に1階2階も同時に確認すれば、おそらくは転移石の残り3個のノルマを達成できるだろう。
最悪購入してもいい。そのための資金として、1階の聖水はすでに6本ほどストックしている。
今後の周回で手に入ることを加味しても、腕輪に関しては、合成石が手に入れば問題なくクリアできると認識できる。
ただし、自作の問題がある以上、素材の問題だけではなく、五階層への挑戦。こちらが問題になってくる。
俺が戦闘に優遇されてないスキルであることを考えると、この挑戦には情報や装備やアイテム戦略が必要になってくるだろう。
つまり現状手に入るハイエンドな装備を集め、ガチガチに武装した上で、安全マージンを図りながら攻略。これが肝となってくる。
では、そのための金策やアイテム集めについてはどうだろうか?
こちらにも課題は存在している。まず他者に比べて明らかに弱い現状の俺の状態では、大きな取引が危険だと判断している。
俺の強みである、高価なアイテムが取引できるレアドロップ能力が実質封じられているわけだ。
これは、由々しき問題である。
そして、そのレアドロップに対しても問題がある。もし俺の試算と仮定が確かならば、この世に存在するダンジョンのアイテムドロップシステムは、「鬼畜ゲー」など生ぬるい「無理ゲー」である。
到底、1人の冒険者が抱えられる問題などではない。
全人類が総動員で膨大な時間をかけて貴重なアイテムを集め、継承して行かなければ必ずどこかで頓挫する。むしろ頓挫するようにできている。
そして、俺はそれらを遥かに超える最大の問題に気づいている…。
「だからぁぁこの牙どうすんだよぉぉぉぉ邪魔ぁぁ…」
こんなん、1人の冒険者が抱えられる量ではない!
俺は抱えきれないこの想いを胸にホームセンターへチャリでダッシュした!
『でっかい計りと、ちっちゃい計りください!!』
よい子のみんなはぜひ真似してほしい!
⭐︎かぞえるのが大変な時にはこうすると便利だよ⭐︎
まずは牙1つの重さを計ります。
何個か測って平均を出します。
1個大体20グラムでした。
頑張って袋を大きなかりに乗せます。
大体1袋2200グラムでした。
わります。
1袋110本です。
18袋あります。
かけます。
約2000本です。
調べて電話します。
「もしもしはいすいません。ちょっとお伺いしたいんですけれども…。ドロップ品の買取で…はい。すいません。担当者の方に変わっていただければと思いますーー。あ、もしもしお忙しいところすいません。えとですね。ゴブリンの牙の買取お願いしたいんです。え?あ、買取していただけますか!大変助かります!あ、はい。はい本数ですね。2000本です。あ、無理?多すぎる?そうですよねえ。何本ぐらいだったら行けますか?80本?そうですか。では検討して、またお電話差し上げます。はい。ありがとうございました」
ガチャ。
このゴミやろうがぁぁぁ。
俺は思わず白い牙たちに悪態をついてしまった。
だがしかし、めげない俺は午前中いっぱいかけて優良な買取業者を見つけ出すことに成功した!
量が量だけに明日の午後引き取りに来てくれるらしい。素晴らしい神業者である。
買取単価は本来の300円から、大量出張買取ということで155円まで買い叩かれてしまったが、全く問題ない。それでも約31万円の収入である。
こういう業者さんは大切にしなければいけない。
✳︎
スッキリした頭で、昨日に引き続きダンジョン攻略につながる情報を探していると、あのお方の過去ブログに素晴らしい情報が踊っていた。
そう、転移の腕輪に繋がる情報を公開してくれた狂人様である。
【悲報】大金かけて全体ドロップ率1.5倍の指輪を2個自作して大爆死したったwww
なんと狂人様は数年前に、アイテムドロップ効果1.5倍の指輪レシピも公開してくれていたのだった…
指輪同士の合成や重複効果狙ったらシステム上弾かれやがった!
…狂人様はこの指輪を2個作ったらしい。
けれど、体感でわかるほどの効果を感じることができず、基本的にゴミドロップばかりが増えるアイテムで、むしろ冒険の邪魔になったと独白している。
無理もない…。
ダンジョン入場時点でドロップテーブルが決まっていると言う予備知識がなければ、検証をすることが非常に難しいアイテムだからだ。
俺のように14〜16体のモンスターしかいないチュートリアルダンジョンで、他にはなんの役にも立たないスキルを使って仮説検証をしていれば、固有のドロップ設定についての検証結果を得ることができるが…。
50体いてもおかしくない普通のダンジョンなどでは、そもそもドロップしないモンスターに対して、アイテムドロップ率アップをかけて殴る…ということが頻発するのだ。
その結果から起こる事は何か?
うん、ゴミドロップアイテムの頻発である。
当初はもの珍しさと、その効果により、狂人様の事前情報があっても、欲しがる人が後を絶たず、ドロップの指輪という名前で2000万ほどで取引されていたらしい。
しかし、各所有者の体験が社会に広がることで、本当にゴミドロップしか出ない。全く効果がない。ゴミドロップを量産するだけのゴミ。などと所有者が転々とし、価値が暴落したとある。
現在はその名を『狂人の指輪』と呼び名を変え、ネットオークションの深海に沈んだとの話だった…
………。
オークションサイトを開き『狂人の指輪』と検索してみた。
ありました。30万円。
ポチ。
……。
やべえええええ。牙が神アイテムに変わったああぁぁぁ!!
ありがとう狂人様。あなたは私の神様です。
なんか1万円で美味いものたべよう…。
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