祭りの真実
「誰だ、あの娘は?!」
「麻美ちゃんじゃないの?!」
絹の布が飛ばされかすみの正体が知られてしまった。
風はどんどんと強くなっていき櫓を揺らす。
「きゃあ!!」
かすみは振り落とされそうになり柱に捕まる。
ポタ ポタ
今度は雨が降ってきた。雨粒は最初は小ぶりでざーざーと降り始めた。かすみは柱に捕まりながら櫓を降りようとする。
「怒りだ!!」
「ウメサキヒメ様がお怒りだ!!」
「あの娘に怒っている。」
「あの娘を捧げろ!!」
「埋めろ!!」
祭りに参加してる者達はかすみを取り囲む。両側から抑えられる。
「かすみちゃん!!」
夏美が駆け寄ってくる。
「かすみちゃを話して!!」
夏美が村人の足にしがみつく。
「邪魔だ!!」
「こいつも仲間か?!」
「連れて行け。」
かすみと夏美は村人達に抱られ境内の奥に連れて行かれる。
「ここに埋めろ!!」
村人の1人がスコップを手に取り穴を掘り始める。
「あそこ!!」
村の女が指を指す先には巫女姿に打掛の女性がいる。
「女神様!!」
「ウメサキヒメ様!!」
彼女はかすみが神社で出会った女性だ。
「ウメサキヒメ様!!今年の生贄です。」
「どうかお怒りをお鎮め下さい。」
ウメサキヒメは足を宙に浮かせながらかすみの元へとやってくる。
「わたくし貴女の事気に入ったわ。」
ウメサキヒメはかすみに口付けをする。
ゴロ ゴロ
次の瞬間雷が落ち村人達に直撃する。
「かすみ姉ちゃん、かすみ姉ちゃん」
かすみは病室で目を開ける。そこには祖父母とつかさがいた。もう1人見知らぬ女性がいるが面影は麻美と似ている。
「姉ちゃん、良かった。」
つかさは家に戻ったがいつまで経っても帰ってこなかったため心配して祖父と廃神社まで見に行ったら境内の奥で倒れているかすみを発見したのだ。
「良かった。」
祖母が泣いている。
「きちんと話しておくべきだったね。」
祖母は麻美にそっくりな女性を紹介する。彼女は名前は知られてないが歌手でお祭りののど自慢の審査員として島に戻って来たのだ。
「こないだ知ったのだけど私の先祖がこの島の出身だったって知ったの。」
彼女は古い書物を開く。
平安時代梅咲という名の歌姫がいた。島を治めている領主の息子が梅咲を気に入り妃にしようとしたかま首を縦に振らなかった。
ある晩息子が梅咲の屋敷の前を通ると彼女が声の美しい少女と夜を過ごしてるところを目撃した。息子の逆鱗に触れその場で斬られ殺された。
「その翌年がじゃった。」
祖母が続ける。
「梅咲が斬られた時期になると良くない事が起きるようになった。」
ある年は洪水、またある年は地震。
「梅咲のたたりと思った村人は美しい声の少女を生贄に差し出した。」
それが巫女だ。
「それが昭和11年まで続いたと言われてます。」
「昭和11年?」
それはかすみがタイムスリップした時代であった。




