廃神社
翌朝かすみはつかさと共に村のラジオ体操に参加した。そんな気分ではなかったが昨日見た夢のせいで早く起きてしまったのと気を紛らわしたかったから祖父に連れられ行く事にした。
ラジオ体操は村の小中学校で行われた。この村には子供は8人しかいない。男の子と女の子4人ずつだ。
ラジオ体操は中学生ぐらいの男の子が前に出てやっている。
「お前ら、見かけない顔だな。」
つかさの隣で体操してる男の子が話しかけてくる。つかさと同じくらいだろうか?
「ああ、姉ちゃんと一緒にばあちゃんの家泊まりに来たんだ。」
つかさの隣でかすみも会釈する。
「何年生?」
「5年生」
つかさが答える。
「俺と一緒だ!!俺裕二。お前らは?」
「俺つかさ、」
「私はかすみ、中学3年生よ。」
「宜しくな。」
裕二は2人に手を差し出す。
「つかさ、この後亮兄ちゃん達と神社でバスケするんだ。2人が入ってくれれば3 on3ができるんだけどな」
ラジオ体操が終わると2人は裕二から誘いを受ける。
「どこでやるんだい?」
つかさが尋ねる。
「廃神社だよ。鳥居が錆びれてるとこ」
そこは昨日かすみが奇妙な歌を聞いた神社だ。
「私は遠慮しとく。だってお婆ちゃんが」
昨日祖母にも強く言われた事も思い出した。
「あまり気にしない方がいいですよ。年寄りは変な噂をしてますけど」
ラジオ体操の時前に出てた男の子が会話に入ってくる。彼は中学2年生で子供の中では最年長で唯一の中学生だ。
「僕達いつも遊んでますけど何ともないですから。」
「なあ、姉ちゃん行こうぜ。人足りないみたいだし。」
「そうね。」
つかさの説得にかすみは頷く。1人で家にいても昨日の夢の事を考えてしまうだけだし歌声もきっと気のせいだ。そう言い聞かせてかすみは男の子達と神社に向かう。
神社は薄暗いが涼しい。それに境内は広く社の他には櫓、社務所、そして遊具も置いてありバスケットのコートもある。亮と裕二の他に男の子が2人いた。2人は3年生だという。
「夏休みはここが僕達の避暑地みたいなものなんですよ。」
亮が笑いながら説明する。普段男の子達は4人で遊んでるようだ。
「じゃあチーム分けするか」
亮の1言で6人はグーパーをする。
かすみは裕二と3年生の男の子とチームになった。試合は先に10点入れた方が勝ち。試合はお昼前についた。かすみのチームは負けてしまったが。それからは少し雑談したり鬼ごっこをしたりと境内で時間を潰し12時の鐘がなると解散した。
「つかさ、帽子は?」
帰りの道中かすみはつかさが朝被っていた野球帽がない事に気付く。
「神社に忘れてきたかも。」
「じゃあ戻ろう」
取りに戻ろうとしたが
「俺、観たいTVがあるんだよな。」
「もう、しょうがないわね。私行ってくれから先帰ってなさい。」
かすみは1人で神社に戻る。
先ほどまで遊んでいた場所なのに誰もいないと一気に静けさか増す。
「帽子、帽子。あった。」
かすみはバスケットゴールの下で野球帽を見つける。
「早く帰ろう。」
かすみは足早になり階段を降りようとした時だ。
ラララ ラララ ラララ
かすみのすぐ後で再び歌声が聞こえてきた。




