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第82話 おそろし幽霊屋敷

一方、プリズム、キャンディ、ジブルはと言う……


「よし、プリズムさん、見えて来たのです」



「お〜、すごい大きな屋敷だね〜」



「ここが南の幽霊屋敷か、面白そう!早く入ろうよ!」


廃墟に建つ、寂れた洋館

樹木に囲まれた場所のせいか、日当たりも異常に悪い


「それで〜、幽霊屋敷っていうくらいだから、ここって、出るの?」

ジブルはまた一枚の金貨をくるくる回して遊んでいる


「はい、絶対になにかいるのです!」

キャンディが断言する


「前から思ってたけどジブルが持ってるそのメダルって何なの?大事なものなんだろうなって思ってたんだけど」

プリズムが聞いてみたい


「昔の友達がくれた物だからね〜まぁ子供の頃の話だよ、お揃いのメダルね」


「ふ〜ん」



「それで、この扉を開けるのですか?」

キャンディの声は震えていた


「よし、開けるよ!」


扉がギィギィと音を立てる

ゆっくりと開いていく



「扉が堅いね〜」


「建て付けが悪いのです」


中は闇が覗いていた



「わ〜すごーい!中は真っ暗だよ!」

プリズムははしゃいでいる


「懐中電灯を三本持って来たのです!」

キャンディが鞄から取り出して見せた


「じゃ、探検しようよ!」



その時、絹を裂いたような叫び声が部屋中に響き渡った


「ひぃっ!やっぱり怖いのです!キャンディは帰るのです」

キャンディは扉に手をかけた



ところが

「扉が…あかない」



「アンラッキーだね〜閉じ込められちゃったか〜」

ジブルは鞄から銃を取り出した



「ショットガン?ジブルって武器とかも使うの?」



「うん、この前お宅の国(エレスタ)で買わせてもらったよよ〜、素手じゃこの先は流石に厳しいからね〜」

ジブルはショットガンを放つ

散弾は扉に叩きつけられた

しかし、傷一つつかなかった



「あれ〜この扉、オリハルコンで出来てるね〜」

ジブルが観察して言う



「仕方ないよ、行こうよ!」


だが、キャンディはあることに気づく

「ねぇ、なんか液体の音がするのです」


「さっきからピチャピチャ液体が落ちる音がするね〜」



「うん?」

プリズムの額に液体が落ちて来た


紅色の液体だ……


「何これ、赤い…血だよ!」


「っ…無理なのです、キャンディ、こんなの無理なのです」



「罠か…ジブルとキャンディがやった訳じゃないよね!」

プリズムの顔が青く染まる

目からは焦りが見える



「そんなわけないよ〜、プリズムはハイドの件で考えすぎてるよ」


「人は…そんなにすぐに裏切るものじゃないのです」



「…ケテ、タス…ケテ…」

蚊の泣くような微かな声


「ん?」


「たすけて?子供の声だね」


「…?」

キャンディが振り返る


そこには何もいなかった



「どうしたの?」



「今、何かいたような…プリズムさん、お願いです、キャンディと手を繋いでください!」キャンディが控えめにプリズムに頼み込む



「う〜ん、いいけど……」

一応手を繋いであげる


「タス…ケテ…」


「あそこから、声が…」


「あそこに子供がいるよ!」



「気をつけた方がいいよ〜」


プリズムは子供の方に歩み寄る

「ねえ、君も迷ってるの?」



「僕は、ここで3日間も閉じ込められてる…」子供はゆっくり答える


「大丈夫?」



「お腹すいた…」



「それなら、キャンディが…」

キャンディはケーキを生み出した



「ありがとう…美味しい…、でも、これからどうやって出よう…」


「それなら、私たちがどうにか」


「無理だよ…何を試しても開かないもん、出られないもん、僕はここで死ぬんだよ…」



「そんなこと言ったってどうにもならないのです」



「どうにもならなくていい…君も疲れたよね、生きるの…」



「そんなことないのです」



「そうかな、手に負えないもう一人の自分もいるし、次期国王は荷が重いよね…」


「なんで…知ってるのですか!」



「ごめん、僕の能力は【読心】…、人の心が読めちゃう…僕のこと嫌いになった?…そうだよね」



「いや、そんな…」



「君も僕と一緒に死のうよ…」



「いやです、キャンディはあなたのことも助けたいのです」



「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう」



「っそんなこと!…ん…?どうしたのですか?」キャンディは異変に気づく



子供が動かなくなった



「返事をするのです、大丈夫なのですか」



「!?」


子供はいきなり動き出した


「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう」


「いや、だから…」



「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう」


「あれ?」


「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう」





「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう」

子供は壊れたラジオのように、ただひたすら同じ言葉を繰り返すだけだった



「ちょっと、しっかりするのです」



子供の顔がだんだん崩れ落ちるとともに、

声がどんどん大きくなる

声にノイズが走る

声が壊れる



「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう!」



「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう!」


「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう!」




子供の姿が歪んでいく、


大きくなって、牙が生えて、黒くなる

まるで怪物だ


「ははは、またそうやって、笑顔を取り繕って、思ってもないこと言って、必死に演じなきゃいけないなんて、かわいそう!」


「裏切り…やっぱりだね」

プリズムは冷たい眼差しを向ける


「アンラッキーだねぇ!」

ジブルが迷わずショットガンを発射



「ねえ、なんで撃つの?僕が君を騙したから?」


「君が敵だからだよ〜」

ジブルはすぐにショットガンをリロードする


「あ……子供が、あ、そんな……私が騙されて…私のせい…」

キャンディは座り込んで泣き崩れていた



「キャンディちゃん、立って!」

プリズムはキャンディに手を差し伸べる



「あ…あ…なんで…さっきの子供は…」



「あれは全部ウソ!子供なんて最初からいない、作り物!それに気づかないなんてかわいそう!」



「そんな」


「馬鹿でかわいそうな君を、僕が救って(ころして)あげるよ!」



怪物はあんぐりと大きな口を開けた

鋭く光る牙が襲いかかる



「……頼みますよ…ジーニアスさん」

その瞬間、キャンディの青色の瞳は、みるみるうちに赤色に染まった



「あれれ、死ぬ覚悟が出来たみたいだね!」



「死ぬ覚悟?違うな、私はお前をデリートしてやる!今の私はジーニアスだ!」



「君じゃ無理だよ、だって弱いから、中身だけ変わっても強さは変わらないのに!」


「何を言ってる?私は元からパワフルでストロングなスーパーガールだ!貴様に負けるわけがない!【飴鉄炮(きゃんでぃ)】!」



「へえ、人生楽しそう!最期まで楽しい人生で良かったね!」


怪物は天井から大きな手を呼び出した


手がキャンディに襲いかかる


「Die!【飴鉄炮(きゃんでぃ)】!これで終わりだぁ!」




「ああ、撃っちゃうんだな、撃たれたら死ぬじゃないか……アハハハハ!さよなら!」

飴弾に当たった怪物は一瞬で消滅した



「なんか、弱くない?もう死んだってこと?」



「ラッキーだね〜」



「拍子抜けだ!私を馬鹿にしてるようだな!」

キャンディの動きが止まったと思うとすぐに動き出した



「あ、皆さん大丈夫なのですか?」



「大丈夫、そして…」



その時、懐中電灯が切れた

三本同時に

何も見えなくなった



「…ジブルさーん!プリズムさーん!」

キャンディは咄嗟にプリズムの手を掴んだ



「ちょっと待ってね〜」

ジブルは天井を透明化した

空から光が差し込む



「はぁ、よかったです!プリズムさんも…っう!?…あ…あ…あ…ぷりじゅ…ぷ

…ぷ、プリズムさんが…」


キャンディは確かにプリズムの手を握っていた

問題はそれが手首から先がないということだ


「プリズムが腕だけになっちゃったね〜誰かに引きちぎられたのかな〜」



「そんな…!」


「あ…あそこに、プリズムの体が…」


「残念だけどプリズムはもう助からないね〜」


「っ…なんで、なんでジブルさんはそんな酷いことを簡単に言えるんですか」



「ん〜プリズムが死んでないから…かな」


「どういうことなのですか」


「でもラッキーだね〜、敵の場所までわかったよ〜!」



「え?なんでそんなことが分かるのですか!」


「ここだね」


ジブルはショットガンの引き金を引いた

プリズムの【遺体】に向けて



「プリズムさんになんてことを……」

しかしそれはプリズムではなかった



「正体バレてたよ!殺すしかないよ!」

それはプリズムの死体に化けた別人だった



「こいつがさっきのお化けとかプリズムに化けてたんだよ〜」



「待ってください!本物のプリズムはどこなのですか!」



「よし、じゃあ、こうしよう!」

ジブルは床も壁も透明化!

全てが見通せる


「あ、あそこに!」


プリズムは隣の部屋に閉じ込められていた



「プリズムさん、行きますよ!」

キャンディは巨大なチョコレートを取り出し、投げつけて壁を破壊した


「ありがとう、それであれが敵だね」


「そうだよ〜!」

ジブルはショットガンを撃つ


「痛いよ!隠れるよ!」

その男はプリズムに姿を変えた



「いや、偽者でしょ、消えて」

本物のプリズムはナイフを突き刺す



「作戦ないよ!死ぬしかないよ!」


「さよなら」

キャンディは巨大なポップコーンを生み出す

弾けたコーンがその身を貫く

男はすぐに死んだ


男の体から、一匹のカメレオンが排出された


「死んだね」

今回はめっちゃ怖くなるように意識して、ちょっと色々ホラー演出を勉強して書いてみました。

あと、キャンディの魅力に気づいてもらえたら嬉しい。

ジブルにショットガンを持たせたのはなんで?と思うかもしれないが、思い返して欲しい、彼は今までずっと首を絞める攻撃しかしていない。

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