第79話 弾けたシャボン玉
「なぁ、タニカ…お前の仇を絶対取って、ついでに二千万ゲルトもゲットしてやるからな!俺はファイを殺すからな、見守っててくれよ!」
一人の男が歩き始めた
……
「あら、これで終わりかしら」
「そうみたいだな」
「でも、鍵のかけらはなかったわね」
その時だ、見知らぬ男が歩み寄ってきた
「おれはバブリエルだぜぇええ!死にたくなかったら言うことを聞くんだな!」
「何だ?」
「いや〜ファイっていう奴を探してるんだけどいなくてさぁ、そいつ殺したら千万ゲルトくれるらしいんだ、しかもなんか鍵?のかけら?的なやつ持って守ってるだけでプラス千万ゲルトらしいからな」
どうやら目の前の人物がターゲットであることにはまだ気づいてないみたいだ
「それなら俺s…」
ファイが言いかけたところをレゾナに止められる、というかレゾナが音を【遮断】した
「先ほど、ファイを名乗る方があちらの方へ行かれましたよ」
レゾナが道の奥を指差す
「そうか、待て、やっぱりこいつがファイじゃないのかよ!髪が赤くてハンマー持ってるのがファイって聞いたぜぇ!嘘ついてんじゃねえよなぁ」
「あら、髪が赤くてハンマーを持ってる方はたくさんいらっしゃいますよ」
「何人ぐらいだ!具体的に言え!」
「世界中にだいたい35億人はいるかしら」
「え〜そうなのか、じゃこんなのムリじゃねぇかよ、どうりで報酬が高いと思ったぜ!まぁ、ねーちゃんありがとな!」
男は走り去っていった
「おい、ゲルトってなんだ?あいつがなんか言ってたけど」
ファイが尋ねる
「ピピッ!ゲルトとはディザスタ帝国、および1658の植民地で流通してる通貨で、物理的な金属製の貨幣を使っているよ、1ゲルト小銅貨と10ゲルト大銅貨、100ゲルト小銀貨、1000ゲルト中銀貨、10000ゲルト大銀貨から成るよ」
Libraはちゃんと答えてくれる
「いやいや、なんで逃してんだよ!あいつ鍵持ってるだろ」
「あら、うっかりしていました」
「どうする…?」
「そりゃあいつは暗殺するしか」
「ん?おい、誰を暗殺するんだ?」
声が聞こえる、低い声が
「あのバブリエルって奴に決まって…!?」
「なんであんたがここにいるのよ!」
ドロップは思わず後退り
「いや〜なんかあっちは行き止まりだったんだよ!それでおれを殺すって言うのはどう言う意味だ」
「だから俺様がファイだっt…」
「ファイ!なんでバラしてんのよ!」
「ふーん、へえ、騙してたのか!?あのなぁ、おれは嘘つきが大嫌いなんだよなぁ!【爆泡】!」
その瞬間、膨らんだ泡のようなものが爆発して、ファイを吹っ飛ばした
「ファイ!」
「ピピッ!Libraizing Modeを起動するね!」Libraの鎧によっ、てその衝撃を吸収したがダメージは確実にあった
「あれ!?これでも死なねえのか!やっぱファイって強いのか!じゃあ【膨籠】だ!」
ファイは大きなシャボン玉のような何かに閉じ込められた
「何だこれは」
ファイは泡に着火してみた
しかし火がついただけで割れることはなかった
ハンマーで叩いてみても、弾かれてうまく行かない、しかも泡がどんどん空に向かって上昇している
「ピピッ!Libriserを使ってみる?」
「ああ、チャージすればいいんだろ!」
ファイはハンドルを回し始めた
「よーし、今のうちにファイの仲間も殺さなくちゃ…」バブリエルはまた泡を出す
「死になさーい!」
バブリエルはドロップに床に叩きつけられた
「うおっ、痛ぇええ!まあいいや!【靭鹸膜】!」
バブリエルの体は泡に包まれた
「あれ?攻撃が効かなくなったわよ!」
「泡に覆われてると攻撃が通らなくなるようですね」
その時だ!
「うおおおおお!死ねええええ!」
ファイが空からバブリエルに向かってハンマーを振り下ろした
Librizerで【膨籠】を破ることに成功していたのだ
するとどうだ、バブリエルを守っていた泡が弾けて大爆発を引き起こし、ファイは弾き飛ばされてしまった
「痛い…Librizing Modeになっといて正解だった、生身だったらあの爆発だけで死ぬな」
「痛ぇ、なんで俺の靭鹸膜が…でも割れたら爆発するとは知らなかったな」
「お前は終わりだぁああ!」
ファイはバブリエルに着火!
「なんだ、ちょっと熱いな…あ、そういえば熱気球っていうやつがあったんだったな、いいこと思いついたぜ【浮脳泡】!」
バブリエルは泡に熱せられた空気を閉じ込め、それに捕まって飛ぶ
「あいつ何するつもりだ」
「【爆鎖嵐・騒乱】!」
なんと、空中から大量の爆発する泡が連なって放出された
「おい、ドロップ!あいつを落とせ!」
「言われなくてもそうするわよ!」
ドロップはバブリエルを床に叩きつけた
「痛ぇ!やりやがったなぁ!お前には【弾泡】だ!」
ドロップは反発する泡に当たった
その瞬間はるか上空に弾き飛ばされ、空中に連なってばら撒かれていた泡に当たった!
その瞬間、全ての泡が爆発
轟音が響き当たる
「ドロップが…」
「おい、なんか落ちてきたぞ…これは」
それはドロップの右足だった
左腕が落ちてきた
肉片が落ちてきた
「そんな、ドロップが死んで…」
「いや、右手だけでも持って帰ればケミが何とかしてくれるはずだ!」
「まだ、あたしは死んでないわよ!」
なんとドロップは上半身だけ形を保っていた
引力で傷口を無理やり抑えているのだ
「ブラックホール!」
ドロップが重力を一点に集めてブラックホールを生み出した
「おい、やめろぉおおおお!」
バブリエルは死ぬまいとファイにしがみつく
「おい、こいつが俺様を道連れにする気だ!止めてくれ」
「ダメ…制御できな…」
ドロップは目が閉じて、意識が消えつつあった
「まずい、このままじゃ全員吸い込まれるぞ!」
「想像してみなさい、自由に空を舞う様子を…」レゾナは笛を吹き始めた
レゾナの所に蝶、小鳥、猫がやってきた
蝶、小鳥、猫は野原をかけまわり虹の光を浴びて、天の羽衣となった
レゾナに音の羽衣が着せられる
「おう、このタイミングであれか」
「はい、スーパー音楽状態ですよ」
レゾナは音楽を演奏し始めた
「何だ?この音は!なんか分からねぇけど、おれを惑わせる気だなぁ!止めろ!」
しかし音楽は止まらない
「【爆泡】!」
また爆発する泡がばら撒かれた
しかし音楽の鯨がそれを全て呑み込んだ
「はぁ!?なんで陸に鯨があんだよ!水はどうなってんだ!水は!」
そこに海豚の群れがやってきた
海豚はドロップの周りを囲むように泳ぐ
すると海豚が放つ光がドロップの傷を癒していくのだ
「へえ、その笛すごいじゃん!」
「ふざけんなよ!じゃあファイ!お前だけは許さねぇぜ!【爆泡・極】」
その瞬間、巨大な泡がファイに触れた
爆発した
「ぐわーーーーーーーーーっ」
ファイの姿が見えなくなった
「なんで、ファイをそんなに殺したいのよ!」
「そんなの決まってるじゃねえか!こいつはタニカにとどめさしやがったからだよ!」
「タニカ?それってダークエルフのタニカのこと?」
タニカとはプリズム達がグランダードで戦った、植物を操るダークエルフのことだ
「当たり前だ!」
しかし、ファイは死んでいなかった
Libraの鎧はとても堅かった、
「何言ってるか分からんな!」
背後に現れたファイは、バブリエルに勝利の鉄槌を振り下ろす
このタイミングでレゾナの演奏が止まった
「あ…あ……」
沈黙が訪れる
しかし、いつまで経ってもそれが当たることはなかった
ファイの体にツタが絡みつき、拘束していた
ツタを出したのは、そのタニカだ
「タニカか!早くこいつをやっちまえ!」
「ダメ…人を殺すのは良くないです、平和にいきましょう」
「はぁ、何言ってんだよ!お前もこいつのことムカつくだろ!?」
「私、あの時殺されかけて分かりましたぁ、人を殺すのは良くないですぅ」
「はぁ?でも、確かに人を殺したら可哀想だもんな!」
「あなたたちもです、皆さん、仲良くしなきゃダメです」
「それは、私の仲間になるという意味かしら」
「はい!」
「確かに帝国は許しちゃダメだよな」
「まじかよ……」
「じゃあ、お前ら金払ってくれるよな?」
「私たちは金さえあれば何でもします!」
「あ、これ鍵の欠片でーす、よかったら」
タニカ再登場です!
このバブリエルとタニカの馬鹿コンビがレギュラーになりまーす。




