第78話 音楽の笛
一方、ファイ、ドロップ、レゾナ、Libraはというと
「ねえ、結構歩いたわよ!一回休みたいんだけど!」
ドロップはもうすでに足が止まりかけていた
「うるさいな、お前は根性がないんだよ!」
ファイはまだまだ歩き続ける
「でも、確かにまだ全然歩いてない気がするわね」レゾナは冷静だ
「ピピッ!ところで、道、間違ってるよ!真逆の方向だよ!」
「は?」
「ほら、あんたがちゃんと確認しないからでしょ!やっぱり外人はクソゴミね!」
「てか、Libraもっと早く言ってくれよ!」
「ピピッ!そもそもまだ15分しか歩いてないよ!」
「は?」
「はぁ、先が思いやられるわね」
レゾナはやれやれと言った様子だ
「ピピッ!輸送モードを使ってみる?」
「何よそれ?」
「ピピッ!物を高速で運ぶのに使うんだけど…人間も運べるんだよ」
「よし、頼んだ!」
「ピピッ!【花の湖】までだね!」
……20分後
Libraは停止した
「止まった」
「やっと着いたのね!」
「では、まずは、三種の神器の一つの【ときめきの笛】を回収しに行こうかしら!」
「ピピッ!ときめきの笛はここから半径100メートル以内にあるよ!」
「すごい近いな!」
「あ、あそこに」
「ときめきの笛ですね!」
「待ちなさい、罠の可能性があるわ、ドロップ、貴女が引き寄せてみてくれるかしら?」
「仕方ないわね…」
ドロップは重力でときめきの笛を引き寄せようとした
その時だ
「うわっ!?」
謎の植物が姿を見せた
大量の蔓を纏った、ピンク色のグロテスクな何か
「何かしら?」
「ピピッ!あれは鏡面世界に生える植物のビッケルミリーバだよ、ビッケルミリーバは光合成で得た栄養だけじゃなくて、人間もエネルギー源として食べちゃうよ!」
ビッケルミリーバは【ときめきの笛】の前に立ちはだかる
「俺様が燃やしてやる!」
ファイはビッケルミリーバに着火
するとビッケルミリーバは大量の白い胞子をばら撒いた
その瞬間あちこちから大量のビッケルミリーバが生えてきた
「ピピッ!ビッケルミリーバは高温環境で繁殖するよ!」
「では、私が!破壊音波ぁああああ!」
音波によって、ビッケルミリーバの体が崩壊していく
するとまた大量の胞子をばら撒いたあと
棘の生えた蔓を伸ばして、レゾナの身体に巻きつけた
「あっ!?やめ…て、だめっ…」
巻きついた蔓がレゾナの胴を締め上げる
肋骨が折れる音がした
「え…え…?ごめん!あたし無理よ」
ドロップはすぐに逃げ出した
「ピピッ!逃がさないよ!」
Libraは電撃弾をドロップに撃ち込む
「わかったわよ!やればいいんでしょ!」
「そうだ!普段に比べりゃまだ、そんなに焦る段階じゃない!」
ファイは再びビッケルミリーバに着火!
ビッケルミリーバはさらに胞子をばら撒く
「あら、ありがとう」
しかしその間にレゾナは棘の蔓から脱出した
「よし!今ね!」
そしてドロップはときめきの笛を引き寄せた
「でかしたぞ!」
「これ吹けばいいのよね!」
ドロップは笛を吹こうとした、しかし音が鳴らない
「はぁ、貸しなさい」
レゾナはそれに口をつけた
その瞬間、世界が変わった
音が鳴る
リズムを刻む
音が曲を形作る
幻想のような美しい音楽が響き渡る
いつのまにか蝶が舞っていた
小鳥や猫が歌って遊んでいた
蝶、小鳥、そして猫はレゾナの周りを取り込むようにぐるぐる回って踊る
蝶はリズムであった
小鳥はメロディであった
猫はハーモニーであった
レゾナは
蝶と一つに、小鳥と一つに、猫と一つに
なっていた
レゾナは音楽と一つになっていた
レゾナは音楽の美しき衣を着ていた
「レゾナ…?」
「ピピッ!すごいね!」
「じゃあ、始めましょう、音楽を」
レゾナは歌を歌い始めた
地面に花が咲き始めた
生き物たちが大地を駆け回る
海豚が空を泳ぎ始めた
海豚はレゾナの周りをぐるぐる回る
だんだんレゾナの傷が癒えていく
ビッケルミリーバはレゾナに近づこうとした
すると鼠がやってきた
たくさんの鼠、百匹の鼠
鼠はビッケルミリーバに齧り付く
ビッケルミリーバが食べられていく
ビッケルミリーバは消滅した
今回は短いながらも、レゾナのパワーアップ回としては良かったかなと思います。
ビッケルミリーバ……とくに名前の由来はないですが名前は気に入っています。
そして、次回は意外な人物が再登場します。
ヒントは 花 です




