第68話 日傘の戦士
「おい、とにかく早くいくぞ」
「別にそれほど急がなくてもいいのでは…」
「ダメだ、俺は早くアイツをぶちのめしたいんだよ!」
ライトは森の奥を睨んでいた
「アイツとはどなたのことかしら?」
「……いや、なんでもねえ!」
「なんでもないことないでしょう、この森のことも何か知ってるのかしら?」
「なんでもねえっつってんだろうが!黙れ!」
ライトは一人で森の奥に進んで行った
「ああ、ちょっと、待ちなさい!」
レゾナも追いかけて行った
……
「はぁ、ライト、勝手に進んじゃ危ないでしょ……!?」
ライトが何者かに吹っ飛ばされてきた
「おい、レゾナ!伏せろ!」
その時、大量の傘が飛んできた
「はぁ…危なかったわ、ありがとう」
そこに、ハイド達も追いついてきた
「お〜い、どないしたんや…って!?なんや!?」
「あわわ、なんでしょうかあの人」
そこにはある日傘を差した男がいた
「わぁ、外しちゃったかぁ、残念」
「おい、お前が傘投げてきやがったのか!」
「うん、僕は【世界暗黒化計画】の少佐のアブレラって言うんだ」
「ふざけんな!」
ライトは雷を落とそうとしたが、アブレラは雷が当たる前に日傘を上空に投げ上げていた
雷は日傘に落ちて、そのままアブレラが帯電した日傘をキャッチ、この男は日傘を避雷針のように使ったのだ
「じゃあ竜巻だ!」
ライトは今度は竜巻を発生させたが、アブレラは日傘で竜巻を綿飴のように巻き取ってそのまま投げ返した!
ライト達は吹っ飛ばされる
「ライト、ここは私に任せて!」
レゾナは破壊音波を放つ
しかし日傘で簡単に防がれた
「よし、あたいがいくぜ!」
ケミは【ウルトラかくせいやく】を摂取した
「薬師術第三番:燃毒」
ケミは高速で近づき注射器を日傘に刺して毒を注入した、傘が燃え上がる
そして、その隙に金槌でなぐりかかろうとしたが
「君はすごく速いね、でもちょっと遅いかな!」
ケミは体を日傘で貫かれていた
「な、なぜだ…」
ケミはすぐさま体を修復する
「僕は無限に日傘を生み出すことが出来るんだから、別に無理しなくていいよ、君は僕に勝てない」
「馬鹿にするな!」
ケミは大量のウルトラかくせいやくを摂取して殴りかかる
しかし、日傘の前には無力だった
「わぁすごい、感動したよ!僕より遥かに弱い女の子が僕を倒そうと必死に頑張ってるなんて、でも、可哀想だなぁ、ほらほら、薬を大量に摂っちゃったから中毒症状が出てるよ、すぐに楽にしてあげるからね!」
アブレラはずっとニコニコ笑っている
「ケミを君の思い通りにはさせない…ケミは…僕が守る」
エイントがアブレラの前に立ちはだかる
「わぁ、また弱そうな子だ、君はどんな攻撃を見せてくれるのかな?」
「……」
エイントはあらかじめ描いておいた炎神とハルマゲドンの絵を実体化させた
「へえ、すご〜い!」
フェニックスはプラズマビームを発射し、ハルマゲドンはアブレラを乗っ取ろうとするが
「でも、僕はエイント君自身とたたかいたいんだよなぁ」
アブレラはフェニックスとハルマゲドンをあっという間に吹っ飛ばして消滅させた
そして、その間に透明化したジブルがアブレラに近づいていたのだが
「わぁすごい、透明になれるんだね!」
アブレラはジブルを日傘で吹き飛ばした
「まずいね、このままじゃ勝てないよ〜」ジブルはそこで気を失った
「よ〜し、最後に僕の必殺技を見せてあげる!」
アブレラは日傘をプロペラのように回転させて遥か高くに飛び上がると、空中に留まりながら大量の日傘の雨を降らせるのだ
「やべえ、お前ら死ぬ気で避けるぞ!」
「私が止めます!絶対いけます!」
レッドは背中の羽で飛び、アブレラの元に近づこうとするが
「君、邪魔しないでくれるかな」
アブレラはレッドを日傘で撃ち落とした
「まずい、どうしよう」
「いや、待てよ、アブレラは攻撃を全て傘で防ぎやがる、でもアブレラは傘を大量に出せるけど、手にはいつも絶対一つしか持っていない」
「それがどうかしたの?」
「おいレゾナ、プリズムの弱点って分かるか?」
「ええと、【攻撃】以外に対応できないことと、同時に別方向からの攻撃に対応できないことかしら…ああ、なるほどね、一緒ね」
「よし、じゃあ俺はアブレラに雷を落とし続けるからよ、これでアイツは横からの攻撃に対応出来ねえだろ」
「分かったわ、ねえ、レッド、私を持ち上げて飛ぶ事って出来るかしら?」
「そりゃ出来ますよ!」
「じゃあ、お願いするわ」
「仕方ないですね〜うわ、重っ…大変で…」
レッドはレゾナを持ってアブレラの真横まで飛んだ
「よし、破壊音波ぁ!」
「な!今そこから攻撃されたら…」
アブレラは上からの雷と、横からの破壊音波を同時に防ぐ術を持っていなかった
音波は肉体を破壊して
体は真っ逆さまに落下する
「ごめん…死んでくれるかな」
エイントは絵筆を突き刺した
何度も何度も命が消えるまで
「あ〜、今世で死ぬのまぁキリが悪いわけじゃないんだけど、まあ仕切り直しだなぁ、来世はもっと上手くやらなきゃ…」
アブレラは動かなくなった
「これで三人目か…」
「あれ、こいつは最後にモンスターとか出してきやがらないんだな」
……その後
「お〜い、ジブルさん、大丈夫ですか?気絶してましたよ」
「大丈夫だよ〜、お〜すごい、倒したんだね」ジブルは一枚の金貨を眺めていた
「ねえ、ところで結局あなたにとってこの場所はなんなのかしら、お願いだから教えて欲しいの」
「そうだな、あれは11年前の事だな…」
……11年前
「おうライト、お前の誕生日って今日だよな!おめでとう!」
ライトにはトアという名の親友がいた
「おい!トア、お前その荷物はなんだ?」
「ああ、これか?いや、今からちょっと闇の森に行こうと思うんだよ」
ライトは友人のトアとトレジャーハンターをしていた
そして、トアはその日、闇の森に行こうと言った
「その闇の森には何があるんだよ?」
「それは行ってから教えてやるよ!」
「俺もいくのかよ!」
「当たり前だろ、ほら行こうぜ!」
「まったく、誕生日ぐらいゆっくりさせやがれ!」
「よし、出発するぞ〜!」
トアは空中から車を取り出した、トアの能力は【アイテムボックス】、どんな物でも亜空間に収納することができるのだ
「しゃあねえな!行くぞ!」
……それから
「よ〜し、着いたぜ!行くぞ相棒!」
「ここに何があるってんだよ!」
「まぁまぁ見てなって!」
「ていうか、なんかこの森、闇のオーラみたいなの出てやがるんだが?」
「あ〜そうなんだよね、この前に下見に来た時はこんな感じじゃなかったのにな〜」
「おい、この森呪われてたりしねぇよな?」
「まぁ、とりあえず入るぞ!」
……異変が起きたのは森に入って20分後のことだった
「よし、この辺にあるはずなんだが…?」
「あ、あそこにデカい何かの卵があるぜ!あれのことか?」
「いや、僕が狙ってるのはそれじゃないんだけどな〜」
そして、ふと気づいた時には遅かった
ライト達は闇に包まれていた
「おいおい、真っ暗じゃねえか、どうなってやがる!」
「僕もわからないよ……っ!?」
その時、トアは黒マントと骸骨の面をつけた男に捕えられていた
「残念だが、この卵のことを知った者の事を生きて帰すわけにはいかぬ、お主らには消えてもらおう!」
男はトアの心臓に何かを突き刺した
「お前、俺の相棒に何しやがる!」
「次はお主の番だ…」
「くっ、仕方ねえ!勝てねえな」
ライトは天候操作で霧を発生させ、その間に命からがら逃げ出してきた
「おや、この杖は?なんだこれは力がみなぎる…大層な物だ、私が貰っておこう」男は近くに落ちていた錫杖のようなものを拾った
「待てよ……その杖は…わたさねぇ…」
トアの命はそこで尽きた
……
「結局あの杖はアイツに奪われちまったし、あの杖がなんだったかも分からねえ」
「ねぇ、その男が本当にこの森にいるのかしら?」
「間違いねぇ、あの時と同じオーラを感じるんだ」
「へぇ、なるほどねぇ、親友か〜、今の僕には君の気持ちはわからないけど、そういえば僕にも親友がいたな〜」
ジブルはそう言った
「お前友達とかいたのかよ」
「うん、一人、かなり前にいなくなっちゃったけど」
「あの、そういえばさっきからハイドがいないような気が…しないでもないんですが…」エイントはそう言った
「確かに、ハイドめ、あいつどこ行っちゃんだ?」
「まあいいや」
今回はライトの過去に迫ってみました。
そして今回のアブレラはかなり大好きなキャラです




