第44話 カガルミナ王国
だが、そのときだ、一人の男がやってきた
「うおっ、お前ら頭大丈夫か?何してんの」
「ああ、こいつらの入都許可を」
「いや、だから、何考えてんのって言ってんの!分かる?え!お前ら、こいつら入れていいと本気で思ってんの?これだから底辺は…」
「え?」
男は二人の衛兵の胸ぐらを掴み、床に叩きつける
「いや、もっとプロ意識もてよ!こいつら、どう見たって嘘つきやん、剣って人殺すための道具って知らないの?」
「あ!確かにそうかもしれねぇな」
「よし、どうせこいつらが連続無差別殺人犯だ!許すな!」2人の門番も納得した様子だ
3人の男たちがプリズムに斬り掛かってきた
「わぁどうしよう!」
「あたしに任せなさい!」
ドロップは重力で男たちを床に叩きつける
二人の門番は気絶する
「うわ、ついに本性だしちゃったねぇ!暴力とかまじ萎えるわ!」
その男は天高く跳び上がった!
そしてそのまま、ドロップにむかって飛び蹴りする!
ドロップは遠くまで吹っ飛ばされる!
ドロップは倒れて動かなくなった
「次は、そこのクソガキな!」
次は男はメアナイトに狙いをつける
そして胸の辺りを思い切り蹴り上げる
「え?え?あ、ちょっと待ってくださ…」
キックを受けたメアナイトは、衝撃で城壁にめり込み、動かなくなった
「あとお前さあ!それで隠れたつもりか?バレバレだっつーの」
透明化していたジブルにも膝で蹴り上げる。
透明化が解けて、血で染まったジブルが現れた、もう動かなくなっていた
ジブルの右手には一枚金貨が握られていた
「よし、あと3人だ」
次はケミに狙いを定めた
「仕方ないぜ!」
ケミは《ウルトラかくせいやく》を自身に注射器で2本分を注入
ケミに力がみなぎる
「うおっ!ドーピングとか人間の恥やん、薬物中毒者はラリって死んどけ!」
男がケミに向かってキック!
ケミも男の足に毒液を浴びせかける!
しかし、男の足に全くダメージはなかった
「えい!」
金槌で叩こうとしたが固くて効かない!
そして、無慈悲にも男は蹴る!
ケミは倒れた
「ここであたいが死んだらあいつらの怪我が治せないぜ!治療だけでも」
ケミはドロップ、メアナイト、ジブル、そして自分に《きずぐすり》を振りまいた
4人はまた動けるようにはなったが、戦うなど到底無理な状況だ
「このクソ女!余計なマネしやがって!でも雑魚に構ってる暇はねえ、お前が先に死ねや!」
男はプリズムに跳び膝蹴りを試みた!
当然プリズムはバリアで防ごうとするわけだが、男は瞬時に方向を切り替えたかと思うと、目にも止まらぬ速さでダッシュして背後からキック!
プリズムは苦悶の表情を浮かべている
「あとはお前や!」
「まずいな」
「ピピッ!Libraizing Modeの起動をとても非常に強くおすすめするよ!」
「じゃあたのむ!」
Libraのボディがバラバラになり、ファイのアーマーとして再構成!
「……え!梟…は?おい、マジか!」
男ははっと目を見開く
「おらっ!」
ファイは電撃弾に着火し、火炎電撃弾を発射!
男は咄嗟に足で受け止めるも、受け止めきれず倒れた
「残念だったな、それじゃ俺様達はこのまま行かせてもらうからな」
「……ちょっと待て」
「何だ、まだやるのか?」
しかし、男の口から出たのは意外な言葉だった
「僕は心からお詫び申し上げたい気分です、まさか、あの伝説の英雄様達とは知らずに無礼なことを!」
男はファイに跪く!
「は?」
ファイは困惑している
「え?英雄様ではない……?じゃあお前はだれや!名乗れぇ!」
男は再び立ち上がる
「そもそも英雄様が何か知らないが……」
「でも、お前はエレスタ王国から来たんだろ」
「確かに、そうだが」
「英雄様は《未来大予言書》に登場する人物、聖歴611年に現れて国の危機を救う者とされてるんだよ」
「なんだよその本?」
「この国の国教の《ズベン教》の教典だ」
「国教?」
そこでケミがフォロー
「国教っていうのは、国が定めた特定の宗教だぜ!ちなみにホムランドの国教はフェニックス大聖教だぜ!」
「ああ、なるほどな」
「で、何で俺様が英雄だと思ったんだよ?」
「未来大予言書にはこんなことが書かれてんだ
『聖暦611年、エレスタ王国ヨリ6人ノ外国人、来タル。
煌メキノ鍵以テ、外国人、悪ヲ討伐ス。
賢ナル梟、理武羅を率ヰて、戦フ。』」
「これってどう言うことを言ってるんですかですか?」
「これを600年前ぐらいに書きやがった、ナレッジ・リブレルゲーヌ・リーフル=ウェリバースって奴に何か関係あるらしいな、これで満足か?」
「その人ってもしかして、この国の初代国王の…」
「違う、初代国王はレイ・スカンタルピアス・リーフル=ウェリバースだ!こいつはその双子の弟だ、そんなことも知らねえのかよ!」
「そうだったんですね」
「どうもそいつは【全知】って言う能力を持ってたみたいでな、だからこんな未来予知みたいな真似もできたらしいな」
「へぇ」
「それで、こんな風に喋る梟は、あの知恵の梟、理武羅に違いねぇんだ、そして今年こそが聖暦611年だ!」
「まあ、そうか、俺様達はどうすればいい?」
「とにかく、王城に来いや!」
「ちょっと待って!ファイ!こいつ信用していいの?」プリズムがよびかける
「確かにそうだ、そもそもお前は誰なんだ?」
「僕は、王国に仕える騎士、ジャン=キスカット・ソレオナイツ・アークルタイルだ!能力は【パワーレッグ】!覚えとけ」
「は?」
「人の名前聞いて『は?』はないだろ!礼儀とか知らない?」
「何だそのふざけた名前は?」
「ふざけてねぇ!お前らマジでやばいよ!マナー講師紹介しようか?」
「いや、何でそんなに名前が長いんだ?」
「長くねぇよ、逆に君たちの国ではどうなんだ、全員自己紹介しろよ!」
「俺様がエレスタ国王のファイだ、能力は【着火の極意】だ」
「私がエレスタの一般人のプリズム、能力は【完全反射バリア】だよ」
「僕がエレスタ国衛軍総司令官のメアナイトです、僕の固有能力は【催眠】ですよ」
「で、あたしがウェイテル国王のドロップ、能力は【力の矢印】ね」
「あたいがホムランド大聖国の元首でフェニックス大聖教の大神官のケミ、あ、能力は【化学合成】だぜ!」
「で、僕がファンタージ国王のジブルだよ〜、僕は透明人間だよ〜」
「ピピッ!バベルの世界図書館司書ロボットのLibraだよ!」
「それで、ファミリーネームは何なんだよ!」
「ファミリーネーム?何だそれ?メアナイトは知っているか?」
「ファミリーネーム……なんのことでしょうね?」
「うおっ、ファミリーネームないとかオワコンだな!未開の地すぎんか?開拓しに行ってやるよ!」
「おい、そのファミリーネームってなんだよ」
「なんつうか、説明出来ないんだよ!お前らみたいな非常識なカスには!」
「ピピッ!《パーフェクト宇宙百科事典⑥》に記述されてるよ
ファミリーネーム
この世界の一部の国、または鏡面世界の多くの国に見られる、ある人物の所属する家や団体をあらわすもの。ラストネーム、苗字とも。
と書かれているよ!」
「へえ、そういう文化があるんですね」
「はい、それで僕のファミリーネームはアークルタイルな!」
「ねえ、じゃあソレオナイツの部分は何?」そうプリズムが尋ねる
「ええと、これは……ミドルネームだ!」
「ピピッ!同じくこんな記述があるよ
ミドルネーム
ある人物の固有の名前とファミリーネームの間に付けられる名前。
ミドルネームを付ける際、特に決まりはないが、血筋や地位、爵位、役職などをあらわす場合がある。
と書かれているよ!」
「それで、ジャン=キスカットの部分が名前ってこと?」
「そうだよ!いちいち確認するあたり馬鹿なんだろうな」
「へえ」
「で、お前らは僕についてこいよ、これから王城に向って、国王様に謁見な!」
「謁見…何それどう言う意味よ!ていうか、あたし、さっきから全部理解できないんだけど」
「国王に会うって意味じゃないっすか?」
「ねえ、早く行こうよ!」
……
そして、カガルミナ王国王都へと入っていく
「それにしても、すごい賑やかな街ですね」
街にはたくさんの家や店が建ち並んでいた
「おいおい、いちいちそんなのに気取られるな」
「早く行こ!」
「それはそうですね」
……
そしてしばらく行くと、巨大な城が見えた
「ここが王様の城、カステラ城な」
見せられた城は、明らかにエレスタ城を超える大きさだった
「は、大きさだけは褒めてやる!だが、俺様の城の方が格は上だ!」
「変に意地張らなくていいですよ大王様」
「よーし入ろう!」
……
「国王様、英雄達を連れて参ったぞ!」
ジャンが宣言スリ
「なんと!……そうか、ご苦労であったな!うむ、まさに予言書の通りだ」
国王らしき老人が玉座に座っていた
「へえ、あれが王様?」
「すごい、大王様より威厳がありますね」
「そうか……ん?なんだと!」
「吾輩はカガルミナ王国の王、フレック・キンガ・エクセリペント・シグネイブ・リーフル=ウェリバースだ…うっ!」
フレック王は突然激しく咳き込み始めた
「大丈夫ですか?まったく、貧弱ジジイが無茶しやがって!」
ジャンが独り言のようにそう呟く
「これくらい問題ない、あんまり心配するなよ」
「ねえ、ところでさっきから隠れて見てるあの子は誰?」
プリズムがフレック王に尋ねる
そう、さっきから物陰から少女がプリズム達のことを怯えたような様子でのぞいているのだ
「ああ、あれは吾輩の娘のキャンディだ、キャンディはまあ、その、人見知りなんだ、ほらキャンディ!ちゃんと挨拶しなさい!」
「あ……キャンディ・プレセス・シルヴァ・ベリルーガ・リーフル=ウェリバースなのです、キャンディはその……あ…お父様、何を言えば良いのか分からないのです……」
下を向いてボソボソと喋る
そしてキャンディは一人称もキャンディだ
「うおっ、相変わらずコミュ障すぎだろ!マジで厳しいって!それで後継げるとでも思ってんのか?」ジャンが見下している
「もういい、下がっておれ」
「はい……お父様」
「ねえ、ところで、英雄様が来たって喜んでるのはいいんだけど、そもそも今何か困ってることでもあるの?」
「ああ、実は少し前から、連続殺人事件が発生していてだな」
「…それで?」
「しかも、ただ殺されてるわけじゃない、被害者達は全員ドロドロに溶けて死んでいるらしい」
「なるほど」
「キャンディと騎士ジャン=キスカットと協力して解決してもらえるとありがたい」
「え〜、そんなまともにコミュニケーションも取れないクソゴミと協力とか無理よ!」
「それはそう、僕でも厳しいのにこいつら無理だろ!」
「まともにコミュニケーションも取れないクソゴミ……だと言うのですか…へえ、キャンディのこと馬鹿にするのですね……」
そしてキャンディの青色の瞳がみるみるうちに赤色に染まった
カガルミナ王国は、いわゆる中世ヨーロッパがモデルになっています!こう言うのも書いてみたかったんです。
あ、途中で出てきたナレッジ・リブレルゲーヌ・リーフル=ウェリバースやレイ・スカンタルピアス・リーフル=ウェリバースはのちのち意外な形で出てきます
<予告>キャンディの暴走を止めろ!




