第38話 グランダード共和国
一方、メアナイトとドロップは暗くて不気味な場所を彷徨っていた
どうやら地底に落ちたらしい
「ここ、どこですかね…」
「何よ、さっきからビクビクして!この意気地なし!クソゴミ!臆病者!」
「そこまで言わなくてもいいじゃないですか!」
「い〜や、言う必要あるわ!」
「ていうか、僕たちなんで助かったんでしょう?」
落ちた場所は、薄暗いながらも、遠くに灯りは見えていた
そして、周りには謎の建物がある
「う〜ん、これ建物よね……人が住んでるってこと?」
そこで、遠くに人影が見えた
「あ、あそこに人が!」
「本当だ、行ってみるわよ!」
……
「ねえ!」
ドロップはその金髪の耳の尖った男に話しかけた
「ん、普通の人間?君たち、この国にどうやって入ったのさ!」
その男はメアナイト達を敵と認識しているらしい
「あ…ジェ…ジェルマの泉に落ちて…」
「ジェルマの泉だと!なんだ、本当に迷い込んだのかい」
「ていうかジェルマの泉ってどういう構造なんでしょうね」
「水が空中に留まって浮いてるってことでしょ?」
「ねえ、ここって人が住んでるの?」
ドロップが男に尋ねる
「ん、ここはグランダード共和国さ!」
「グランダード共和国?そんなの聞いたことないわよ!」
「ていうか、ラララプラネットの地底にこんな物があるなんて知りませんでしたね」
「グランダード共和国ってどんな国なのよ!」
「グランダード共和国は僕たちエルフ族が住む国さ!」
「エ…ルフ族?ん?」
「君たちは、278年前まで、エレスタ王国や、ホムランド大聖国と盛んに貿易を続けていた国を知っているかい?」
「そんなの知るわけないじゃない!」
「僕は知っていますよ、ホロボスター星のダルキア公国ですよね……あ、そのエルフか!」
メアナイトが何か思い出したらしい
「そうだ、ダルキア公国は345年前にディザスタ帝国に吸収されるまで貿易を続けていたのさ」
「で、エルフ族って何なのよ!」
「エルフ族はもともとダルキア公国の民族で、耳が尖っているのが特徴ですよ、でも僕たちみたいな特殊能力は持っていないですね」
メアナイトが説明してみせる
「能無しってことね、じゃあ雑魚ね!」
「能無し?言ってくれるなぁ」
男は筆を取り出して
空中に【石】の字を書いた
するとドロップの頭上に石が落ちてきたのだ
「何よ!痛いじゃない!」
男は空中に【口】【休】の字を書いた
すると、ドロップの口に札が貼られ、口が塞がれた
「ああ、エルフ族は能力はないですが、後天的に道具を使った【術】を身につけるんでしたね」
「君はなんでも良く知ってるね!」
「んっ、んー!」
ドロップは息ができずに悶えて苦しんでいる
「ああ、忘れてていました!」
男は空中に【止】の字を書いた
彼は筆を媒介にして使う【字書術】の使い手だ
「…ん何するのよ!あたしを誰だと思って」
「でも君は弱いじゃないか」
「うるさいっ!」
「あの、ところであなた以外の人が見当たらないのは何でですか?」
「ああ、ここは心霊スポットでね、人が寄り付かないのさ」
ー
「じゃあ、あなたは肝試しに来たんですか」
「ああそうだ、取り敢えずあそこのトンネルを抜けてみなよ」
「ええ、ところであなたの名前は?」
「僕の名はキャラさ」
「僕はメアナイト」
「あたしはドロップよ」
……
トンネルを抜けると街が広がっていた
「すごい、あそこにいろんな露店がありますよ」
「ねえ、見て!あれ」
ドロップが指を指した先には、馬鹿みたいに巨大な巨大な大木があった
大木には林檎のような形をした虹色の果実が付いていた
「あれはシュークリアの世界樹さ!」
「シュークリア、シュークリアと言えばぷシュークリームの原料になる…ん?」
「地上にもシュークリアの樹が生えているみたいだけど、あれは地面からこの世界樹の枝が突き出した一部にすぎないのさ」
「え?本当ですか?」
「ていうか、ラララプラネットってどんな構造なの?」
「ラララプラネットは中が空洞になっていて、その中心に小さい星が浮かんでるって感じかな」
「で、今は、その小さな星に立っているわけね!」
「あと、あなたたちエルフ族はどうしてここに住んでるの?」
「実は元のダルキア公国は人種差別がひどい国だったからね、僕たちみたいな肌の白い【ホワイトエルフ】は、肌の色が暗い【ダークエルフ】に迫害されていたんだ」
「それで?」
「昔のラララプラネットはダルキア公国からの【ホワイトエルフ】の亡命者を移民として積極的に受け入れてきたのさ」
「それで?」
「でもダルキア公国がディザスタ帝国に吸収されて、そのディザスタ帝国が157年前にラララプラネットに戦争をしかけると今度はホワイトエルフはラララプラネットで迫害されて、こんな日の当たらない地底に押し込められたのさ、あの時は本当に……」
「つまり要約すると、人種差別を受けていた貴方達は移民としてこの星に受け入れられていたけど、戦争を機に、また迫害を受けてここに追いやられた……ということですね」
「そうさ、今でも昨日の事の様に思い出せるのさ」
「ん?直接経験したってこと?あんた今いくつよ!」
「ああ、僕?明日で1346歳の誕生日なのさ、エルフ族は寿命が長いんでね」
「ええ…」
「ああ、それでシュークリアの世界樹って何なんですか?」
「シュークリアの世界樹はこの星の守護神さ、シュークリアの果実は数え切れないほど多く実っているけど、あれはこの星の生命の数だけあると言われているのさ」
「ねえメアナイト、もうそろそろ帰るわよ」
ドロップがメアナイトの裾を掴む
「ああ……すみません、ここに来た人間は生きて帰すわけにはいかないのさ!」
キャラは叫んだ
「なんでよ!」
「ごめんね、侵入者は殺すのが、この国の法律なのさ!」
「メアナイト、逃げるわよ!」
ドロップは重力を操り空中を飛んだ
「え?え?」
「ほら、早く!あたしに捕まりなさい!」
「あ、はい!」
メアナイトはドロップの体に後ろからしがみつく
「待て、逃がしませんよ!」
「どこから逃げるんですか?」
「落ちてきた穴から、戻るのに決まってるじゃない!」
キャラは空中に【体】【下】【引】の字書いた
ドロップ達は落ちてしまった
「痛い!」
「さあ、命はいただくのさ!」
「夢幻の大剣よ、キャラを討て!」
メアナイトは剣に催眠をかける
「わっ、何だこの剣は!」
しかしキャラは空中に【刀】【休】の字を書くと大剣が動かなくなった
そして大剣が落下する
が、再び催眠をかけ大剣を回収する
「ねえ、おかしくない?」
ドロップがメアナイトに尋ねる
「何がですか?」
「侵入者は殺すのが国の法律のはずなのに、こいつ以外襲って来ないじゃない!」
「じゃあ、あなたは……」
「ガハハ、バレてしまったか、では死んでもらおう!」
何と、キャラにハルマゲドンが取り憑いていたのだ!
キャラは空中に【火】の文字を書こうとした
「えいっ!」
ドロップが重力でキャラの筆を叩き落とした
メアナイトは筆に催眠をかけた
「筆よ、我がもとに!」
筆はメアナイトの手に渡る
そしてメアナイトはティラノサウルスの牙に力を注いだ
「【悪霊退散】!」
メアナイトが奪った筆で書くのは、悪霊退散の四文字
「ぐわっ!」
ハルマゲドンはキャラから出ていき、逃げていった
「ん、これは?」
「ああ、大丈夫ですか?」
「あ、すみません、途中で何者かに乗っ取られてしまいまして」
「まあ、とにかく早く帰るわよ!」
ドロップは重力を操りメアナイトと自分を持ち上げて上空のジェルマの泉の穴に向かっていった
……
「帰ってきたわよ」
「ドロップちゃん!大丈夫っすか?」
「だいじょーぶ!てか、そっちは?」
今回の設定は後々超重要になってくるんでできたら覚えておいてくださいね、特にシュークリアの世界樹については(戦争とかの話はあまり重要ではないですが)
<予告>レッドとジブルとの再会!




