第33話 王座の奪還
「あそこが玉座ですわね」
玉座の間へと行く
するとだ、空間を大量の漆黒の羽が埋め尽くした
ひらりひらりと羽は舞う先に、その怪人はいた
「よくぞここまで来た!だが死んでもらおう!」
人の姿に似てはいるものの、頭は胴体と一体化し、腕は翼になっている!
そして目は赤くギラギラと輝いている
これは、もはや人ではない
「君がエレスタ城制圧班の親玉かい?」
「その通りだ!我が名はウィン、覚えておけ!」
ウィンがその漆黒の翼で羽ばたくと、突風が巻き起こる!
突風はアイム達を吹き飛ばす!
みんなが転んだところで、ウィンは翼を弾丸のように発射!
部屋に羽の弾幕が張り巡らされる!
ベントは青い鉱石でできた盾を即座に展開する!
「オリハルコン製のシールドやからな!」
シールドにより羽は防がれたが、ウィンの恐怖は終わらない
「これならどうですかな!」
ウィンはその巨大な漆黒の翼をひろげ全てを覆い隠す!
部屋には一切の光が遮断され、真っ暗な空間になる
「何も見えへんやんけ!」
「ベントならば懐中電灯の一つぐらい、持ってるのではないですかな?」
ウィズがベントの肩を叩く
「ほんまや、天才やんけ!」
「させませんよ!」
ウィンはさらに、その翼をもう一度振り、突風を巻き起こして妨害する!
「ああ、懐中電灯をここで組み立てるんは無理そうやわ!」
「では、また儂の出番ですかな!brightron!」
ウィズは閃光魔法を唱える
その杖から放たれる強烈な光線がウィンを照らす、いや突き抜ける
「ぐっ!?なんだこの光…目が見えぬ!?」
ウィンは視力を失い、よろよろと空中でバランスを崩す!
「攻撃するなら今ですわね!」
そして放たれたロケットパンチ!
その鋼鉄の拳は、ウィンの黒き羽を貫いた
「なんだ!?何が起こった!」
ウィンは地面に目掛けて真っ逆さまに落ちる!
「ベント、今のうちだ!」
「りょうかい!」
ベントは3Dプリンターをすでに起動して、何かを印刷し始める
「待て待て待て、何をするつもりだ、無礼者め!」
「別に、死んでもらうだけだよ」
「おいアイム、準備完了や!【ウィン捕獲装置】やぞ!」
その巨大な瓶の形をした発明品の印刷が完了した
マシンを起動した瞬間、瓶の蓋が開き、そこから空気が流れ込む
恐ろしい勢いで何かを吸い込み始める!
ウィンの体だ!
ウィンは空中を醜く舞いながら、その瓶に吸い込まれてしまっていた
「じゃあね、さよなら!」
アイムは捕獲されたウィンを見つめ、そして目を閉じる
そして、次の瞬間
瓶は、中に入っていたウィンもろとも、斜めに真っ二つになっていた
「死ぬのか…この私が!」
ウィンは息絶えてしまった
「ねえ、それよりこちらの方から、何か人の声が聞こえませんか?」
リトは壁に耳を当てている
「気のせいじゃないかい?」
「この壁の奥かね?そういえばここには隠し扉があった気がしますな」
「そういや、そんなんあったな!」
ベントが玉座をどかしてみる
すると、床から一つのボタンが現れた
隠しボタンを押すと、ゆっくりと隣の壁が動き始めた
壁の奥には部屋があった
大量の埃と共に、人影が現れた
「ん?」
人が10人ほど隠れていた
「おーい、大丈夫かい?」
「おい、勇者様だ!勇者様が助けに来たぞ!」
そのうち一人がそう叫ぶ
アイムは世界中で弱い者の為に勇敢に戦い続けているので勇者と呼ばれているのだ
「本当だ!」
「おいでも、先代国王様もいるぞ、と言うことはここは天国なのかよ」
不安をぶつけ始める者もいる
「じゃあ俺らも勇者様達もみんな死んじまったってことか、ふざけやがって!」
「…ちょっと皆さんここは天国ではありませんわよ、まだ現世ですわ!」
リトはそこに割ってはいる
「おお、賢者様ですか?これはどう言うことなのでしょうか」
「詳しい説明は省きますが、わたくし達この日の為に予め復活の準備をしておりまして……」
「すげー、なんか知らんけどすげー」
皆、アイム達を下から見上げていた
まるで神に祈りを捧げるもののように
「まあいいや」
「で、これからどうしましょうかな」
「ワイに任せとけや!」
ベントは黒い、機械の塊のような物を取り出した
「何だい、それは?」
「これは高耐久自己複製ナノマシンや、これを使うとやな……」
ベントがそのナノマシンの塊を放り投げると、空中で何億ものナノマシンに分かれたかと思えば、瞬時に膨張、何億倍にも増殖して、壊れたエレスタ城に覆い被さり同化した
エレスタ城の壁を完全に埋めて、下の壁を再現するのだ
「これで修理完了や!」
「ほな、とりあえずここを避難所にしとこか」
「ええ、念の為セキュリティも強化しないといけませんわね」
「そして、そろそろファイ君とも再会したいところだね〜」
……その頃、どこかの惑星で
5人の人間が円卓を囲んでいた
「なあレイ、ほんまにこれでええんか?」
「しかたないね」
「そうは言うてもやなぁ」
「ガハハ、皇帝様の言う通りだ!いきなりどうしたのだ」
「てかさー、何でこんなのが四天王なの〜、全然キラキラじゃない!」
「エージェント=アクアは喋報能力には長けていらっしゃる、不足はあるまい」
「てか、アクアって今何してたっけ?」
「エージェント=アクアには宇宙教会ハートフルにスパイとして潜入してもらってるね、あとエレスタ王国の調査も頼んでいるよ」
「へえアクアも結構ちゃんとしてるんだ」
「それよりハルマゲドン、計画は順調かな?」
「ガハハ、ご安心下さい!あの平和の星の人間は碌に戦争などして来ませんでした!」
「大丈夫だといいけどねぇ?それより早くプリズムってやつと戦いってみたいなぁ」
「プリズムなら、私が連れてきてもいいですがねえ、ガハハハ!」
「その必要はないね、そのうち、ここに来るはずだからね」
「来るの?」
「ああ間違えた、来るんじゃなくて来させるよ」魔王と呼ばれたその男は笑っていた
はい、今回でアイム達の無双回終了です!
次回からは、メアナイト達の物語が始まります!
《予告》ドロップ&シャープ再登場!




