第29話 反撃の兆し
今日から第2章スタートです!
今話から、テンポ向上のため《前回までのあらすじ》を省略させていただきます
……デスロザン冥国にて
「お嬢さん、また戻ってきたのか」
「そうだよ」
「それにしても哀れじゃな、もう仲間には会えぬ」
「ねえ、お願い!生き返らせてよ」
「それは無理じゃな、蘇生するには肉体が必要なんじゃ、お前さんの場合、死体ごと完全に消された、せめて指の一本でも残っていればな」
「そんなあ」
「まあ、フィステリアには何か策があるようですぞ、ハートフルもお前を殺すための組織ではあるまい」
「ねえ、でもあなたって、ハートフルの計画に加担してるんでしょ?」
「そうじゃ」
「どういうつもりなの?」
「ところで、ハルマゲドンが何者か知っておるか?」
「知らないよ!」
「ハルマゲドンは、89年前から
ラララプラネットに破壊工作を繰り返すようになった外道だ、アイムは何度もハルマゲドンに立ち向かい続けたが、ハルマゲドンは10年前から自身の計画の障害になる者を連鎖的に1年間に一人ずつ消し始めた」
「なるほど、それで?」
「お前さんは、ハルマゲドン討伐の鍵になると考えたフィステリアはお前の代わりにハルマゲドンの器となってくれた」
「ねえ、あなたは今から何するつもりなの?」
「アイムと合流しようと思うな」
「でも、ベントはここに残るんだよね?」
「いーや、ワイは死ぬ前に生体データを取っておいたんやぞ、
そして今、それを出力する3Dプリンターの開発に成功したんやぞ、
これをウィズに持ってってもらって、データを出力してもらって、
俺のそっくりそのままの肉体を作るんや
これで、要するに肉体を用意したことになるやろ!
あとはウィズが蘇生魔法をかけると、いけるはずや!」
「3Dプリンター?何それ」
「お前は印刷機ってしてるか?」
「ああ、紙に同じのを何枚も刷れる機械でしょ」
「要するに、平面的なデータを出力できるわけやけどな、この3Dプリンターはちょっと違う、立体的なデータを入力して印刷したら、その通りのものがそのままできるんや!」
「じゃあ、儂はアイムに会いにいく」
「はあ、ここはどこだ!」
アイムはエレスタ高原で目を覚ました
「どこだ?何なんだここは……」
エレスタ高原は焼け野原になっていたのだ
全ての草木は灰となり
大地は血で染まっていた
これが悪の力だ
「あれは……まさかエレスタ城か?じゃあここがエレスタ高原なのか」
「よし、エレスタ城を目指そうかな」
アイムは時のギアを1000に変えた
そして走り出した
しかし10kmほど走ったところで【何か】に見つかってしまった
「止まれ!我の姿が見えぬのか!」
高速で空中を舞いすすむ細長い体を持った人間のような何かだ
「君は何なんだ!」
「我はスカイシア、幽魔傭兵軍団エレスタ王国制圧班の者だ!貴様の命を奪いに来た!」
その怪人は空中を舞いながら、アイムを睨んでいた
「へぇ、じゃ、僕を楽しませてくれるのかい?」
「はっはっは、調子の良い事を言ってられるのも今の内だ!」
スカイシアはアイムに突進を始めた
風を切って進むその速さは、普通の人間では気づくこともできないほどだ
しかし、アイムは時のギアを10000に変えた
炎を纏って、目にも留まらぬ速さで突き進む
「期待させた割には……随分遅いね」
アイムは、いとも簡単に、飛来するスカイシアに向かって斬撃を喰らわせる
ところが、スカイシアの体には傷ひとつついていなかった
「残念だが!そのような斬撃では我は斬れませんぞ!」
「斬ったはずなのに手応えがなかったね、へぇ、君すごいね!でも……もう一回斬らせてくれないかな?」
アイムはもう一度時のギアを10000にする
そして、炎を纏って突撃!
そして、背後から、斜めに剣を振り下ろす
今度も傷がつくことはなかった
「ふ〜ん、今ので大体わかった……君の体はすごく柔軟だね、本当に信じられないぐらい……どおりで衝撃が伝わらないと思ったよ」
「分かったところで何になる!」
スカイシアはその体から風を巻き起こす!
彼を中心として、竜巻のようなものができてゆく
「へぇ、風かぁ、君は風を操れるんだね!」
「さっきからそのヘラヘラした態度はなんなんだ!」
スカイシアは竜巻を巻き起こしながら、アイムに向かって真空の刃を放つ!
真空刃は文字通り、風を切って進んだ
途轍もなく迅かった
当たれば、真空の圧力により、なんでも切断されてしまう
しかし、アイムは時のギアを使うまでもなく、簡単に避けてみせる
「へぇ、真空刃か!君もいい技持ってるじゃないか!君を殺すのは本当にもったいないなぁ!」
「さっきから我を殺すなどと抜かすな!」
スカイシアは纏う竜巻をさらに成長させ、大量の真空刃を辺りにばら撒く
「へぇ、すごいじゃないか君!まぁ僕には当たらないけど!」
アイムは全ての真空刃を避けていた
「おのれ!貴様が我より強いはずがないのだ!」
「ふ〜ん、じゃあ僕を倒してみたら?まぁ君の技じゃ弱すぎて話にならないと思うけど」
アイムが挑発する
そして、アイムは余裕を示すかのように、地面に仰向けで寝転がった
「はははこの命知らず、まぁその命も今日限りか!ハンデはありがたく頂戴する!」
スカイシアはものすごい速度で回転しながら体当たりする!
しかし、当たる瞬間にアイムは時のギアを0にした
時が止まるということは、熱運動が起こらないということだ
そして表面温度は絶対零度に達していた
スカイシアがアイムに近づいた瞬間、急速にその体は動かなくなる
体液という体液は凍りつく
いや、全身が凍りついていた!
「どんなに堅い体も凍ると脆くなるんだよね……知らなかった?」
「あ〜そっか、凍ったから喋れないのか、可哀想に」
アイムはその凍った怪人を、剣で少し小突いた
その瞬間、全身に罅が入り、粉々に砕け散った
「綺麗な死に様だね、さっきまで元気に生きてたのにな〜」
アイムはその死体を細かく潰すように何度も何度も踏んでいた
……
一方その頃、フィステリアは無限の広さを持った部屋に閉じ込められていた
その闇で染まった、恐ろしい部屋に
「パシーさん、今回もありがとうございます」
「いいのいいの、バックドアは起動しているから、いつでもどうぞ」
「パシーさんはここから出ないのですか?」
「私はここで研究している時が一番きらめけるの、それにまた、すぐに、誰かがここに迷い込んでくるはずなのよ」
「そうですか、では、わたくしはお先に」
フィステリアは【バックドア】を通って
その部屋から脱出した
さぁ、第2章:幽魔傭兵軍団編はどうですか?
これからも応援よろしくお願いします!
<予告>◯◯◯◯◯、まさかの復活!




