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cards[トランプ]  作者: しるしん
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38/43

被験体番号037(multimillionaire)

大富豪回...〜完〜

『世界の都合通りにいったらダメなんだよ!!!!』


......


「おはよう、モルちゃん」


気が付けば

僕は、不思議な被験体の前に立っていた。


薄暗く、手元がわかりにくい部屋のなか

目の前の被験体の背後だけ、異常に明るかった...



確か僕は、武器を取り返す為に

人間達とゲームをしていたはずなんだが...


あれ?そのゲームで...

どうなったんだっけ?


「なにボーっとしてるの?

眠い?」


目の前の被験体は、顔を近づけ、問いかけてくる。


「いえ、眠いわけでは...」


「そっかー

ねえねえ、お話しようよ!」


メガネをかけ、獣の耳と2本の尻尾が生えた

見たことのない被験体。


この容姿...誰かから聞いたような...


「舞台は、そう遠くない未来。

世界は滅亡の危機に貧していた...」


唐突に語りだし、声をかけるタイミングを逃してしまった...


説明口調のまま、被験体は続ける。


「食料問題や、空気の汚染問題。

水の不足や、未知の病の進行...

地球は、人間が生きていける地では無くなった...」


その問題は、今も抱えているものだ。

被験体の病は、今までの医学では解決出来ないものが多い。

故に、被験体の早死等もあり

少子化問題も絶えない。


「しかし、地球から出ていくにも

人間が足りなかった...

地球には、ほとんどの人間が存在していなかった...」


少子化が進み続ければ、それもありえる話かもしれない。

現に、世界中のほとんどの子供が被験体となり、被験体特有の病気や

子孫を残せない被験体も多いおかげで

人の数は確実に減っている。


「そこで人類は、ひとつの生命体に

未来を託した...

それは、“神様”の被験体...


それが、全ての始まりである...」


目の前の被験体は、人差し指を起てる。


「そう、全ての事件は

私が発端なんだよ...」


「つまり...貴方が、

その“神様”とやらですか?」


被験体が、後ろを向く。

光の逆光により、影が被験体の形を

美しく象る。


「全ては未来のため...

人類のためなんだよ...


お願い...」


被験体は、僕をチラッと見る。


「未来の為に...犠牲は付き物なんだから...」


そう言うと、被験体は歩き出した。


慌てて追いかけようとしたが、そこで

どうしてか...

気を失ってしまった...






「モルさん!!!」


誰かに呼ばれて目を開く。

僕は...眠っていたのか...?


目の前では、泣きながら僕を見おろしてるユーフィがいた。


「ユーフィ...僕...いつのまに...眠って...」


すると、ユーフィの後ろから殺気を感じ

勢いで起き上がった。


「...ラミさん?」


見ると、ラミさんが大きな銃を構えて

僕を見おろしていた。


「ラミくん、もう大丈夫だよ...」


ユーフィがラミさんをなだめようとする。


しかし、ラミさんの警戒はとれない。

僕がいったい何かしたのだろうか?


「やはり、まだ信用出来ない

そいつを私の屋敷へ運ぶぞ」


「え、え?」


ラミさんはなにやらご立腹のようで、銃を下ろして部屋の外へと歩いていった...


「ユーフィ...いったい何が...」


状況を理解しようと、ユーフィに問いかけたが

ユーフィは何も答えない。


せめて、ゲームがどうなったのかを知るため

部屋を見渡したら...


「...何が...あったんだ...」


火事の跡のように焦げた壁。

床には真っ黒に焼けた人の形をした何か。


この部屋にいたはずの人は、ほとんどが消え去っていた。


「いったい、誰がこんな事を...」


「...ヒック...モルさん...グスッ...」


隣で唐突にユーフィが泣き出す。


「ユーフィ、どうしたんですか?」


「ユーフィ様に触れるな!この罪人め!!」


ユーフィに触れようと伸ばした手は、

ラミさんのお付の鬼の人に掴まれ阻まれた。


「ざい...にん...?」


意味が理解出来ずに、聞き返すと

鬼の人は、僕を睨み付けるた。


「51人の人間および被験体を殺し、部屋を燃やしたキサマを、罪人以外になんと言う...!!」


...51人、殺し。部屋を燃やした?


この惨状を、僕がやったという事か?


「部屋の異変に気付き、私が扉を開いたからこそ

早々に事態は収まったが...

このおとしまえ、どうしてくれるんだ...!」


「最初から説明してください!

僕が、殺した?どうしてですか!?」


「私が知るわけないだろ!」


「記憶が無いんです!!

ゲームをしている途中からの!!!」


僕の記憶は、ゲームで負けた事を確信してから止まっている。

その後にこの惨状になったのなら、僕は自我の無いまま動いてたことになる。


「モルさん...お姉さんが来てくれなかったら...

僕が殺してたかもしれないんだよ?」


ユーフィは泣きながら、震えながら呟く。


ユーフィに...殺される?


「暴走したモルさんを、止められる被験体が...僕しか居なかったんだよ?

もう...あんな決断...したくないよ...」


...そんな、どうして思い出せないんだ。

ユーフィにこんなに辛い思いさせてるのに...


僕が...ユーフィのヒーローになるはずだったのに...




その後、ラミさんのお付の人達に、僕とユーフィは車でつれさられた。

車の中で、僕は手足を拘束されていた。


車の中は、息が詰まりそうな程静かで...




誰も、僕と目を合わせようとしなかった...



わかりにくいかもしれません。

やはり、こういう時に自分の能力がどの程度か

わかりますよね。

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