被験体番号035(multimillionaire)
恋愛シーンも、性別曖昧だと
ただのなごみになるんですね
『...これで僕の物なんですから
絶対にあの人間なんかに渡したりしませんからね!』
準備も終わり、僕達は待機室が出て
ラミさんと合流した。
僕はカジノルーム中央のテーブルに案内され、
ユーフィは、ケースから出された、僕の箜篌が飾られている台の隣の椅子に、座らされていた。
おそらく、景品ということだろう。
「今回のプレイヤーを紹介しておこう。」
目の前には、あの汚い人間と。
最初に箜篌を運んで来た2人の被験体。
「こっちのユニコーンが、エクタチオーネ」
「ぜひ、エーネと呼んでくださいませ。」
「こっちのミノタウロスが、ブレアドールだよ」
「ブレアでいいからね、よろしく!」
落ち着いたエーネ、明るいブレア。
そんなところだろう。
身長は同じくらいで、体格も似ている。
まるで、ラミさんのお城の門番の女ヴァージョンみたいだ。
「私はラミィヴァーニ、
こっちのエルフはモルダバイトだ。」
ラミさんが、慣れたように紹介してくれる。
僕は反射的に会釈をした。
「私ラミ様の大ファンなんです!
フィナーレの舞台、すっごい楽しみにしてます!!」
エーネさんが、やや食い気味にラミさんを絶賛する。
「それはそれは、ありがとうございます。」
ラミさんも慣れているのか、やや対応が雑だ。
「さて、ゲームについて説明しておこうか。」
人間がエーネさんの肩を引き、ラミさんから離す。
...本当は視界にも入れたく無いが、さすがにそれは出来ないようだ。
「ゲームは大富豪、場に出ているカードよりも強いカードを出していき、早く自分の手札を無くすゲーム。
もちろん知っているだろう?」
知ってはいる、詳しくはわからないが
駆け引きする時に、1戦だけやった事がある。
「ゲームは5セット。
ゲーム終了時の地位で、ポイントがはいるシステムさ。
大富豪2ポイント、富豪1ポイント、平民0ポイント、貧民-1ポイント、大貧民--2
5セット目終了時に、一番ポイントが多かった人が優勝だよ。」
「プレイヤーが5人のようですが、
もしやタカカズ様も参加なされるんですか?」
「もちろん、僕もあの天使が欲しいからね。」
ラミさんの質問に、当選と言わんばかりに人間は答える。
つまり、形勢的に言えば2対3の戦い。
僕達が不利なゲームということだ。
今までもそんな事はたくさんあったが...
「まあなんであれ、1位をとったものが
あの2つを貰えるシステムさ。
皆勝てる確率は5分の1だよ?」
汚い...
しかし、ここまで来て諦めるわけにもいかない。
ようは勝てばいいだけだ、そう...
僕かラミさんが勝てば、丸く収まるのだ...!
「じゃあゲームをはじめようか...
ディーラー、頼んだよ」
「かしこまりました。」
黒いタキシードを着た、羽根の生えた被験体が返事をする。
妖精の被験体か?珍しいな。
「それでは皆様、席にお着き下さい。
カードを配ります。」
ディーラーに言われ、僕達は席に着いた。
順番は僕、人間、エーネ、ブレア、ラミさんの順。
カードが配られ、手札を確認する。
[♦3][♣3][♣4][♠︎6][♠︎9][♣10][♠︎J][♥K][♦K][♣K][♣2]
弱いカードも多いが、Kが3枚揃っている。
これは悪くない手札だ。
何が何でも勝つんだ、負けるわけにはいかない...!
ゲームが始まった...
「...3セット目、お疲れ様でした。」
3セット目が終わり、ディーラーがカードを回収した...
現在ポイントは
僕 -3
人間 6
エーネ -1
ブレア -1
ラミさん -1
...とてもまずい状況になっていた。
3セット目で、勝っていたところ
一番強いカードを最初に出してしまい、
反則で大貧民となったのが痛かった。
ルールを完璧に理解していれば、こんな事にはならなかったのに...
これからもし、僕が大富豪を2セットともとって
人間が2セットとも大貧民だとしても
1ポイントと2ポイントで、どちらにしろ負けてしまう。
これで僕が勝つ見込みは無くなった...
ひどく後悔している...
いや、後悔なんてものじゃない...
これから、本当に...
ラミさんが勝てるのか...
「4セット目の準備を致します。
カードをご確認ください。」
目の前に差出された、数枚のカード。
僕はそれをめくった...
[♣3][♣5][♣6][♥7][♦8][♣8][♦Q][♦K][♣A][♥2][♣2]
...前戦いで、大貧民だったため
強いカードは、交換しなければならない
[2]のカードは、[♠︎9]と[♦10]のカードと交換された。
この戦いで、もし人間が勝ってしまったら
ラミさんでも勝てなくなる...
僕は、ユーフィも武器も
失う事になるんだ...
嫌だ...
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!
ゲームは進んでいる。
皆、カードを出して枚数を減らしている。
なかなか減らない自分のカードにイライラしていると、隣の人の動きが止まっている事に気付いた...
...あぁ、どうしてこんな事に
見たくない、だが確かめなければならない...
本能で拒絶しながらも、隣に目を向ける...
そこには、手札の無くなった人間が座っていた。
「...フザケルナ」
それは、誰かの口から零れた...
誰かの言葉だった...
大富豪いちいち書いてると
物語が進まなかったので
ほとんど端折りました。
ごめんなさい。




