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cards[トランプ]  作者: しるしん
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35/43

被験体番号034(multimillionaire)

アクセス解析で

アクセス数が61人から185人になってました!

沢山の人に読んでいただき、とっても嬉しいです!!

またまだ拙い文ですが

これからもよろしくお願いします!!

『え?ははは、冗談を言うね?

見合った物は持っているだろう?君のすぐ隣に』



汚らしい



汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い!!!


何故こんなヤツにユーフィを渡さなければいけないんだ!!!

そんな事絶対に許さない!!!


「それじゃあ準備をするからね。

1時間ほど間があるから、待合室でゆっくりしてるといい」


もう声も聞きたくない!

その声を出すな...!!!!


「モルさん...」


怯えた様子でユーフィが僕の名を呼んだ。


「顔...怖いよ?」


ユーフィに言われ、自分の顔に力が入ってる事に気付いた。

鏡を見たわけではないので、どんな顔をしていたのかわからなかったが。

ユーフィの表情からするに、相当あの人間を睨んでいたのだろう...


「...ユーフィ、すみません。

その...待合室に行きましょうか...」


「...うん、そうだね」


ユーフィは怯えたように返事をする。

申し訳ないとおもいながら、

僕は、[Waiting room(待合室)]と書かれたプレートがある扉を開けた。




部屋はとても綺麗で、この屋敷の持ち主があの豚とはとても思えないほどだった。

外見で判断するのは良くないかもしれないが、

あの人間は外見より下心の方が汚く感じる。

何を考えてるか、詳細はわからないが

雰囲気の全てが汚く思える。


ようするに、まったく好きになれない。


僕達は、部屋の中央にあったソファーに腰掛けた。


ユーフィは羽を閉じ、出来るだけコンパクトになって

場所を取らないように、僕の隣に座る。


しばらくの沈黙。


すると、ユーフィが口を開こうとする...


「モルさん、その...」


ユーフィ...

人間の目的はユーフィだ。

何故今さらになって狙い出したのかわからないが...

僕はコイツを渡すつもりはさらさらない


「絶対に渡すものか、絶対に勝ってやる...」


「...」


ユーフィが心配そうな、泣きそうな目で見つめてくる。


「モルさん...無理しちゃダメだよ?」


「え?」


「その、僕は大丈夫だから...!

モルさんを信じてるから...ね?

それに、もし負けたとしても...

モルさんには二ーファさんもいるし...」


...ユーフィは本当に優しい。

けど...


「ユーフィ、その優しさは

僕の為にならないよ...」


「え...?」


ユーフィは僕の為に言ってる。

本気で僕の事を心配してくれてる。

だから、こんな事言うのは

本当に心苦しいんだ...


「僕にはユーフィ必要なんだ...

だから...

遠くに行っても大丈夫なんて、言わないでくれ...」


僕はユーフィ肩に、頭を乗せた。


顔を見て欲しくなかった

ユーフィの傍に居たかった...



「で、でも

僕にそんな言葉を言ってもらう価値なんて...」


まだ言うかと思い、僕はすこしムッとした。

泣きそうだった顔を上げてユーフィを睨みつけてやった。


肩にもたれてたおかげで、ユーフィとの顔の距離が半端なく近かった。そんな事気にしたら負けだろうか?


「だ、だってよく見てよ。

この醜い体を、

形の悪い翼、人の物じゃない脚、目、髪...

どんなに足掻いたところで僕は人になれないし、必要として貰えないよ...」


やっぱり、ユーフィが一番気にしているのは外見のようだ。


確かに、外見は大切かもしれない。

ユーフィの外見が、あの人間のようにまるまると肥えた体型だったら

もしかしたらこんなに執着してないかもしれない。


「鏡に映る度に実感するんだ。

やっぱり僕は、化け物だって...」


...自信がないんだろうか?


「...ユーフィ、いや、ユンフィリィト」


「は、はい!」


一呼吸おいて、落ち着いてから

言葉を発する。


「...お前の価値は、幾らだ?」


「...僕の、価値?」


ユーフィは、泣きそうな顔をして

アホ毛で疑問符を作る。


「お前は、お金にすると

何円くらいの価値がある?」


「僕に...そんな価値なんて...」


「...0円か?」


「...」


ユーフィが黙ってしまった。

ショックだったのか、下を俯いてしまった。


僕は、ユーフィの頬に手を添える。

被験体の、売買ようのバーコードが

ユーフィは右頬にある。


それを指でなぞり、

そして...




僕は、ユーフィのバーコードに

キスをした。




...覚悟してはいたが、少し恥ずかしいな。


ユーフィはというと、何が起こったのか理解出来なかったのか

目を見開いたまま、フリーズしている。


「バーコードへの口付けは、買い上げの意味を表す...」


「...モル...さん?」


「お前はこれで僕のものだ!

勝手な事は許さないぞ!!」


そう言うと、ユーフィは硬直したまま

唐突にポロポロと泣き出した。


「あ、言葉が強かったですか?

それとも、僕に買われるのが嫌でしたか??」


勢いでとんでもないことをしたことに気が付き、

顔が熱くなった。


「...違います」


すると、ユーフィはその硬直した顔のまま

静かに言った。


「...うれしくて

...涙が止まりません...」


...どうしよう、この雰囲気。


僕はとりあえず、ユーフィから顔をそらした。

さっきから熱が収まらないんだ、きっと真っ赤っかなのだろう。


「...これで僕の物なんですから

絶対にあの人間なんかに渡したりしませんからね!」


「...はい...はい...!」


顔は見てなかったけど、恐らくユーフィは

顔にまんべんの笑みを浮かべてるんだろう。

2回目の「はい」が、とても嬉しそうだったから...



それからは時間まで、ユーフィと話したり

賭けのこと等を考えたが...


やはりヤツらに従うしかないようで、

僕はユーフィを賭けるしかないだろう。


...全ては運だ。


神が僕に味方していれば、きっと...



その時、なんとなくラミさんの言葉を思い出した。

初めてあった日の、ゲームの前に呟いた言葉...


『世界は...の都合の...にしか...らない...』


あれはどういう意味だったのだろう?

あれ?戦いに入れない...

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