被験体番号027(multimillionaire)
夏休みの宿題に追われて
更新が遅れてます!
ごめんなさい!!
『ついでに、この鳥ヤローもよろしいですね?』
唐突に城の地下の神様とやらに呼び出されて、外に出たが
何をすればいいかわからず、なんとなく暴れて
マーメイドの被験体に負け、急に昔話を聞かされ
話の流れで俺は城に帰ろうとしている。
...気まずいなぁ
城を抜け出してこんな直ぐに帰るなんて...
なんかかっこ悪い...
そして多分御主人が怒ってるよなぁ...
さらに御主人が探してる囚人を連れて帰還か...
なんだか嫌な予感しかしない
というか、コイツらの言う事聞く必要あるのか?
私がこのまま逃亡を勝手に続ければ
今の昔話も全部無視すれば
普通に友達探してやりたい事やれるよな...
「確かに、ラミさんがこのまま逃げ続ける事も可能でしょう
そこはお任せします。
しかし、その場合は
またゲームをして賭けてもらいましょうか」
「いや、何も失わない私が何を賭け...」
...ん?
「え?私の考え...」
「あ...」
緑色のエルフが しまった みたいな顔をした。
「すみません、何故かラミさんの思考を読み取れまして」
「いや、なぜ!!!」
とんでもない話だ、私の思考がダダ漏れだっただなんて。
「僕は動物と交流のできる被験体でして、人等の思考が複雑な生き物は読み取れませんが
なぜかラミさんは読み取れてしまいました」
「どういうことだ!!私が動物と同等のアホということか!!!」
なんて屈辱だ!
傑作品で人々から称えられるべき存在であるはずの私が!
こんなエルフごときに!!!
「...なんか、単純なんですよね」
「つまり馬鹿ということか!!」
「落ち着いてください、普通に貴女の立場で考えてたら貴女の思考にリンク出来ただけです。
つまり、僕と考え方が似てるだけとも言えます」
...リンクとかよく分からない言葉も出てきたが、恐らくコイツ特有の専門用語か何かだろう。
「つまり、私が馬鹿な訳でなく
お前が私と同じ知能ということだな!」
まあそれなら特に問題はないだろう。
うむ!問題はない!!
《盛り上がってる所悪いが、今日はやめておけ》
「え?」
急にマーメイドが喋りだし、エルフが変な声をあげる。
《区画を荒されたんだ、その原因がすぐに外を歩くのはあまりよくない。
区画が落ち着くまではここで大人しくしてろ》
「なぜよくないんだ?」
建物壊された程度で一体何が悪いんだろうか?
怪我もしただろうが、所詮殺戮兵器。
どうなろうと知ったことではないだろう。
《それはこれからゆっくり教えてやる。
言うこときかなかったら日光の下に放り投げてやろう》
「なんて恐ろしい事を言うんだ!!」
幸いにも今日は曇りだったため、私は外を歩き回れたが
私はヴァンパイア。
日光は天敵なのだ。
「十字架もニンニクもどうってことないけど、日光だけはだめだ!
肌が直ぐに死ぬ!!」
一度だけ日光に当たった事があるが、皮膚が一瞬で焼け、酷いところは黒くしぼみ始めたのを思い出した。
手術でなんとかなりはしたが、その跡を隠すため包帯を巻くほど酷いのだ。
《まあそういうことだ、大人しく俺の言う事を聞け
そして、逃げようなんて考えるな
ミュウへの突破口はお前となるんだから。》
「たいしてメリットもないのに...
理不尽な話だ...」
イライラしてきた。
なぜ私が今日出会ったばかりのこのマーメイド達に好き勝手されなきゃいけないんだ。
「え、えーっと...ラミくん...」
「あ゛あ゛!?」
自分でも出したことないダミ声が出てしまった。
話しかけてきたのは天使の被験体。
「そ、その...えっと...」
返事があまりにも悪かったのか、涙目でうろたえ始める天使。
「用件はなんだよ、早く言え」
「あ、うん...
あのね
なんで、外に出たの?」
「......」
コイツらに私の馴れ初めはまだ説明していない。
まあ会話の流れから、私が軟禁されてる状態から抜け出して来た事くらいはわかっただろう。
「その地下に居る神様とやらに、ゲームで負けたんだよ
それで、私は外に出る代わりに
代表集めを言われたんだ。」
「そうじゃなくて...
外に出たかった理由が知りたいの。」
私が外に出たかった理由...
城から逃げ出したかった...違う。
御主人が嫌いになった...違う。
本来の目的...
「友達が...欲しかったから...」
部屋が静まり返る。
こんな子供みたいな理由で、沢山の人を裏切り
沢山の人を傷つけたくないのか...
我ながら恥ずかしい行為だと、後悔した。
「ならば、話は早いじゃないですか」
エルフが口を開く。
「これも何かの縁でしょう
貴女はまだここに居るべきですね」
あぁ...確かに...
私とこのエルフは、考えが似てるかもしれない...
「ら、ラミくん!」
天使が話しかける。
どこか緊張した感じだ。
「ぼ、僕はユンフィリィト!
ユーフィって呼ばれてます!!
そ、その...と...
友達になってください!!!」
天使は私に向けて手を差し出す。
目は閉じていて、顔も下を向いている。
かすかに震えてもいるな。
こんなヤツが友達なんて、正直どうかと思う。
この私には絶対ふさわしくない。
犯罪者で醜くておどおどしてて今日出会ったばっかりの被験体。
ほんとにありえない、この私がこんなヤツと友達なんて...
「仕方なくだから、仕方なく私はお前と友達になるんだ」
だから、仕方なく
私はそいつの手を握ってやったんだ。
ユーフィの事を「天使」って呼ぶと
聞こえがかなりいいけど
実際は毛が全て羽毛で目も怖い脚が鳥のバケモノだからなぁ...




