被験体番号023(werewolf)
繋がれ
ちゃんと未来に繋がれ
っと思いながら書いてます
『前の事なんて忘れて楽しんじゃったが勝ちだよ』
目覚めてから約半年。
俺はこの世界で平和に暮らしている。
あれから、車椅子無しでの外出のやり方や
ミュウが面白半分で身体に付た、この糸の練習をしていた。
他には、食べ物育てたり、俺のような被検体を助けたり
とりあえず今までで、最も充実した日々を送っていた。
「あ、二ーファ!!こんな所にいたのか」
遠くからセラスが駆け寄って来る。
《どうかしたのか?》
「ミュウが呼んでるんだ、用件はわからないけど」
《え?》
何か悪い事でもしただろうか?
思い返してみたが、心当たりはない。
「心当たりがないなんて、忘れっぽいんですね」
後ろからエスパーがやってきた
「エスパーじゃありません、メアです。」
エスパーだよ、完璧な。
「セラス、貴女も呼ばれましたよ」
「え?俺も!?」
「えぇ、あとミコト、ディアもです」
《お前ら4人組が呼ばれるのはわかるが、
俺はなんで呼ばれたんだ?》
この4人は、ミュウに一番近い存在
ちょっとした用件で呼ばれる事があっても、おかしくない
「とりあえず行こうか」
「ええ、先に行っててください
私はミコトを連れてき...」
「メア!!見つけたでぇ〜!」
メアの背後にミコトが被さる。
「メア!一緒にミュウんとこいこ!」
「私も貴女と一緒に行くつもりでしたが...」
「なんかミュウが呼んどるんよぉ」
「何故せっかく来た用のある人を
外に出すんですかあの人は」
《激しく同意》
「ミュウはそういう所あるよぁ」
「はよいこ〜?ディアはもうおるさかい」
ミコトはメアの手を引き、テクテクと歩き出す。
そんな感じで、俺達4人はミュウの部屋に着いた。
ミュウは、この世界の中心にある城の地下にいる。
太陽の光が当たると集中出来ないらしい。
城の前まで歩くと、地面に穴が開き
そこから落ちてミュウに会う。
「ようこそ皆〜」
電球に照らされたミュウが、こっちを見る。
隣には、ディアがミュウを見つめて座っている。
それにならって、俺達も座る。
「えっと、今日来て貰ったのはね」
ミュウが手に持った大きな袋を突き出す。
「ようやく、二ーファを元に戻す材料が揃いました!」
「おぉぉ...」
「結構かかりましたね」
「しかたないやん、ミュウいつも忙しいみたいやし」
皆それぞれ思った事を口に出している。
「別にそんなヤツの為に、ミュウ様ががんばらなくても...」
端っこでディアがぼそっと言う。
ディアは何故か、俺をライバル視してくる。
《その材料があれば、俺は元の姿に戻れる?》
そんな事よりと、俺はミュウに問いかけた。
「そうだよ!長く待たせてごめんね?」
ミュウが申し訳なさそうにする。
《いや、ありがとう。とても嬉しいよ
嬉しいけど...まだ、このままでいいんだ》
元の身体に戻れるのは、嬉しい事だが
今の身体の方が動きやすいし、
それに...
《歌う事しか出来ない身体より、皆を守れるこの身体の方が
心地いいんだ》
この言葉に嘘は無い
本当に、思っている事なんだ。
「じゃあ、二ーファは...
この世界に残る事を選ぶの?」
《ふふ、ミュウ...今更なんて質問するんだ
外に未練なんてありはしないよ》
俺は、さも当たり前のように答えた。
当たり前だと、思っていたから...
「そっか...
じゃあ、この材料どうしようかな」
《他の俺みたいなヤツに使ったら?》
「ううん、これは二ーファにしか使えないの」
その時、俺はその袋の中身を知らなかった。
「ねぇ?外に、本当に未練ないの?」
《んー、そこまで言われると...なんかあるのかもしれないけど...》
ここに来る前を必死に思い出そうとする。
しかし、おかしな事に...
何ひとつ思い出せなかった
《...俺、外に何かあったっけ?》
確かにあったはずの記憶が、綺麗に思い出せない。
大切な人とか、居たかもしれないが
忘れてしまう程だし、そんなに大切じゃないのかもしれない。
「そっか、未練ないんだね」
そう言って笑ったミュウの顔は...
泣きそうなのに、とても嬉しそうだった。
筋書きはあるけど、実際書いてる時は
ほとんどがその場での思いつきだから
綺麗に未来に繋がる自信が...




