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cards[トランプ]  作者: しるしん
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23/43

被験体番号022(werewolf)

werewolf=人狼ゲーム

『バイバイ』


あの事件から数日


俺は直後に気を失ったらしく、気が付いたら見覚えのない部屋で寝ていた。


《これは...》


目が覚めた瞬間、何となく発した声に驚く。


自慢だった美しい声は無くなり、ロボット...アンドロイドのような声。


視界も違和感があり、美しいと評判だった人魚の脚は機械仕掛けになっていた。


《...え?》


「あぁ、おはよう二ーファ。

起きたんだね」


声をかけたのは、あの日

俺を救ってくれた神。


《...神様》


「ふふ、名前はミュウティア

人間の前意外では、ミュウって呼んでね」


《...ミュウ》


可愛らしい顔立ちと振る舞い。

獣の耳と、狐のような尻尾が2本。

不思議な雰囲気を纏うその人は、あの日と同じ優しい声で話しかける。


《ミュウ...さま...これは...》


俺は自分の体を見渡しながら聞く。


「もう、ミュウでいいって!

その体は応急処置の様なもの。

動きにくいのは辛いだろうし、ちょっといじっちゃった」


《なるほど、これはミュウがした...え?》


「ん?」


《ミュウがやってくれたの?》


「そうだよ?」


《......》


この神様はどんだけ万能だよ。


「ちょっと今材料が足りないからそんな姿だけど...

材料が揃いしだい、元の綺麗な身体に戻すからね」


...おぉ、神よ。


背中から大量の光が見える...

眩しい、軽い目潰しだ...


「おい、押すなって」

「人魚ちゃん起きちゃうやろ」

「もう起きてます」

「ミュウ様とあんなに近づいて...」


《......》


なんだろう、扉の向こうから沢山の声と目が見える。


「皆どうしたの?」


「「「わーーー!!」」」


ミュウが扉を開けた。

なだれのように被験体達が倒れながら入ってくる。


「いてて...」

「きゅぅー...」

「重いです、降りてください」

「み、ミュウ様!これは誤解です!!」


入ってきた4人は、あの日、ミュウの後ろにいた人。


「えっと...」

「ウチらは...その...」

「......」


4人中3人の視線が1人に集まる。

あの人は...ユニコーンの被験体?


「新しく入った被験体に、挨拶をしに参りました。」


そうユニコーンの人が答えると、他の3人が必死に頷きだす。


「そーだったんだ!二ーファはもう起きてるよ!

さっ!どうぞどうぞー!!」


ミュウが俺に手を向け、4人をうながす。



「えっと、自己紹介からかな?」


褐色肌の青年が話しかける。


「俺はセラスロンテ、ミノタウロスの被験体で元傑作品の殺戮兵器だ。

セラスって呼んでくれ。」


そう言って二カっと笑う。


《元、傑作品?》


1番気になったところだ。

最高ランクの傑作品から、最低ランクの殺戮兵器になった事が信じられなかった。


「あぁ...まぁ...いろいろ...ね?」


セラスは言いにくそうに、俺を見つめながら苦笑する。


自分の体を見直して、何となく察した。


そうか、俺も元傑作品の部類に入るのか。


どう見ても、どう考えても俺は...

もう傑作品じゃない...


「あぁあ!!く、暗い顔しないで!!」


セラスが慌てだす。


「俺、そういう雰囲気、あんまり得意じゃないから...笑って?ね?」


セラスは、笑ってこそいるが大量の冷や汗をかいている。

なんかまだあわあわしてる。


「セラス終わったやろ?

次行かせてや!」


肌が真っ白な女がセラスを横に押し出しながら俺の前に立つ。


倒れたセラスがおよよってなってる。

女か、見た目男前なのになんでそんなに女々しいんだ。

ギャップかよ、萌え狙いかよ、やりおる...



「ほなウチの紹介するな!

ウチはユキノミコト、ミコトて呼んでな」


不思議なイントネーションで話しかける。

確か...着ている服は

何処かの地方で作られてた民族衣装か何かで...[キモノ]と言うヤツだ。


神も少し似たような服を着ている。


「ウチはここからすっごい遠くの場所で生まれてな、そこでしか作られなかった[雪女]って言う被験体の唯一成功作で、今は殺戮兵器や!」


ミコトも殺戮兵器か...

殺戮兵器は、人を殺す力を持った被験体だから...まあ、あの日あの場所に居た被験体は全員、殺戮兵器で間違いないだろう。


「次は私が」


「あう...!」


ミコトがユニコーンの人に押し出される。


「いけずぅ...」


ん?今ミコトのユニコーンを見る目が怪しかった...

なんかいけないヤツな気がする。

え?そういう仲の人もいるの?

見た感じユニコーンの人も女なんだけど



「私はメアシュトゥール、メアと呼ばれています。

ユニコーンの元傑作品、現在殺戮兵器です。」


馬の耳、額に生えた長い1本の角、凛々しい目付き、それに見合わない低い身長...


「今失礼な事考えましたね?」


...エスパーでもあるようだ。


「エスパーではありません」


...エスパーじゃん。


被験体はあくまで人間が元だから、巨人の被験体でも背が低くなる事もある。


馬と同じ身長と考えれば、ユニコーンも大きいイメージだが、メアはどちらかというと...


「ポニーではありません」


...エスパーだ。


「ディア、貴女も自己紹介してください。」


そう言ってメアが声をかけたのは、あの日、一番最初に戦っていた悪魔の被験体。



「...」


一言も発さないで俺を見つめてくる。


なんとなく見つめ返してみる。


「ずっと見つめ合ってても進まないよ?」


「...はい」


ミュウの言葉にやっと反応する。


「ディアヴォルラ、悪魔の被験体、殺戮兵器だ。」


素っ気ない紹介。

他の3人ほど友好的ではないようだ。


「ディア?どうしたの?

今日不機嫌だね?」


「そ、そそそ、そんなことありません!

別に、この人魚がミュウ様と親しげに話していたから嫉妬してるとか、そんなんじゃ...」


ダダ漏れダダ漏れ!

ミュウに話しかけられるだけでボロボロこぼしてる!!



そんな感じで、自己紹介は終わった。


「皆いい子でしょ?」


《...はい》


個性的過ぎて、いい人とかよくわからなかったけど、ミュウが言うのだからいい人なんだろう。


「ふふ、ここは被験体の為の世界...

前の事なんて忘れて楽しんじゃったが勝ちだよ」


《...前の事を、忘れて...》




今思えば、これは催眠か何かだったのかもしれない。


俺は神の言葉を、疑う事が出来なくなっていた。

セラス、ミコト、メア、ディア...

モブの予定だったのに、結構凝った...

そして気に入ってしまった...

...描くか(スッ

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