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cards[トランプ]  作者: しるしん
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13/43

被験体番号012(pelmanism)

pelmanism=神経衰弱

『期待して待ってるよ』


私は落ちた。

鳥かごの底に穴が空いて、そこから落ちた。

期待してた...

初めてあった、自分と対等に話してくれる相手に...


友達になれると、期待してた...


私は下唇を強く噛み締めた。

昔からの癖、納得行かない時はこんな風に唇の皮を剥ぐ。


わすれてた。

私は...


人間じゃないんだ。






ここに居候が2匹住み着いて3日ほどか。

何かしようと率先してくれるのはありがたいが、どれもこれも俺が指先1つ動かせば何とかなる事ばかりだから、正直してもらう事はほとんどない。


まあ1人の時よりは何かと退屈しなくなったが、コイツら本当に外に出れるのか?

片方は武器を取られてて、もう片方はアホ。

今更になって疑心が湧いてくる。


《おい、ユーフィ》


「へ、な、なんでしょうか」


《お前らはこれからどうやってこの世界を出るつもりなんだ?》


そもそもの話、これが決まってないのなら話にならない。


「ぼ、僕は...モルさんに付いて行くだけ...なんで...」


コイツは1人じゃ何も出来ないんだな。


《そういえばモルのヤツ、朝外に出てから戻って来ないな。》


「武器のありかを探してる...みたいですよ...」


《この区画にはないぞ》


殺戮兵器の区画は武器を奪わない。

ユーフィみたいに、武器が体から生えてるヤツはもちろんだが、自分の身を守る為だけに、この区画は武器の所持を許されている。

なにせ殺戮兵器の区画だ、先日みたいな巨人なんかから身を守るには生身じゃ難しい。

まあ、それでも死んだヤツは少なくないけど。


「今は、武器が何処に保管されてるのかを探してるみたいです。」


《この辺りに真面に会話を交わせるヤツが居るとは思えないがなぁ》


ユーフィがこっちをガン見して来た。

まあ初めて会った時でも思いだしてるんだろ。

モルもそのつどゲームでもして、情報を引っ張り出すなんて面倒臭いことしてんるんだろうか。

そんな情報を持ってるヤツが居るとは思えないが...



「AaaAAAaaaAAAAAAaaaaaaaAAA!!」



突如、断末魔が聞こえる。


「え!?なに!?兵器!!??」


ユーフィがあわあわするもんだから糸で縛った。


《落ち着け、これはミノタウロスだ》


しかし悲鳴が妙だ...

いつもの雄叫びじゃなく、断末魔だった。

何かと交戦でもしたか?



「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」



マーメイドの悲鳴、マーメイドの殺戮兵器は俺と合わせて3人だけ。

二人とも大人しいヤツだ。

暴走なんてほとんど無かった、むしろ暴走を止めに入る側だ。

これも悲鳴...いったい何があってる...


《...おい、ユーフィ》


「こ、これは...いったい...何が...」


《これは、もしかしてだが...》


ありえないとは思うが、今考えられる可能性としては...


《モルがやってるんじゃないか?》


「...え?」


《外に出た、人に声をかけて回ってる...それらを考えると、モルしか考えられないが...》


「そ、そんなはずない!!そもそもモルさんは武器も何も持ってないのに!!」


《武器を見てないんだろ?万が一、ここで見つけられたら...アイツにもそれなりに力があったはずだ。》


「そ、そんな...モルさん...が...?」


外からは絶えず、断末魔や悲鳴が聞こえる。

どうやら無差別のようだ。


《この騒ぎがもしアイツだったら、責任は俺にもかかるじゃねぇか...》


非常にめんどくさい。

まあ問題がこの区画で起こった事なら、そんなに大事にはならないだろうが...

一応確認する必要がありそうだな。


《ユーフィ、見に行くぞ》


「え...?二ーファさんも...?」


《めんどくさいがな》


水槽の縁に手を付く。


《かなり久しぶりの外だ》

指紋が...指紋が足りなくて...

スマホが反応しない!!!

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