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5話:商売の女神からのKPI(試練)。最強の営業マンは異世界に『THE HUB』を創る

いつもお読みいただきありがとうございます!

第5話は、ついにあの「みたらし団子好きの常連客」の正体が判明します。

彼女から突きつけられた途方もない目標数値(KPI)に対し、マコトが打ち出した次なる一手とは……?

物語のタイトルでもある『THE HUB』創世の瞬間を、ぜひお楽しみください!



商業ギルドのトップであるゴルドを【Win-Win】の契約で「優秀な流通パートナー(下請け)」として組み込んでから数週間。



大衆酒場『ドワーフの金床』は、ルイーダの街で最も利益を上げる店へと急成長していた。



その日の夜。



怒涛の営業を終え、店主のガンツが賄いの準備をしているカウンターで、俺はシオリと共に本日の売上データ(議事録)をチェックしていた。



「素晴らしい伸び率だ。ゴルド社長の流通網のおかげで原価率も下がり、利益率が劇的に改善している」



「はいっ、先輩! 今日も過去最高益を更新しましたよ!」



俺たちがノートの数字に満足げに頷いていると、不意に、カランと店のベルが鳴った。



「わりぃな、今日はもう店じまい――」



ガンツが言いかけて、言葉を失う。



そこに立っていたのは、連日この店に通い詰め、いつも特等席で『みたらし団子』を静かに平らげていた金髪のエルフの美女だった。



「あら、ごめんなさい。でも、どうしても『経営層』のあなたたちと、少し静かな場所で商談がしたくて」

彼女はそう微笑むと、カウンターの上にコツンと一枚の硬貨を置いた。



それは、現在の流通では使われていない、圧倒的な魔力を放つ古代の金貨だった。



「……ただの常連客リピーターではないと思っていましたが。改めまして、当店のコンサルティングを担当しております、マコトと申します」



「ええ、知っているわ。マコト、そして優秀な書記官のシオリ。私の名前はシエラ。……この世界では一応、『商売の女神』なんて呼ばれているわね」



「め、めめめ、女神様ぁ!?」



シオリが素っ頓狂な声を上げてひっくり返りそうになるのを、俺は手で制した。



「なるほど。この世界の経済と流通を統括される、いわば『最高経営責任者(CEO)』でいらっしゃいましたか。これはご挨拶が遅れ、大変失礼いたしました」



俺は一切動じることなく、完璧な45度の角度で一礼した。



相手が神であろうと魔王であろうと、トップに立つ人間への礼儀マナーはビジネスの基本だ。



「ふふっ、あはははっ! 本当に面白いわね、あなた。普通は平伏すか、震え上がるかよ?」



シエラは愉快そうに笑い、俺の目をまっすぐに見つめた。



「あなたのその『コンプライアンス』や『ウィンウィン』という魔法……いえ、異界のルール。あれは、私が管理するこの世界の経済システムを根底から書き換える力を持っているわ」



女神の瞳の奥に、鋭い知性と値踏みするような光が宿る。



「だからこそ、あなたに『試練』を与えに来たの。あなたのその力が、この世界を豊かにするのか、それとも壊すのかを見極めるためにね」



「試練、ですか。お聞かせ願いましょう」



「期間は5年。その間に、大陸の全商人が夢見る絶対的な最高位ランク……【ダイヤモンド】の称号を獲得しなさい。そして、年間で2000万Gゴールドの純利益を達成すること。それができれば、私はあなたに『神の加護(独占販売権)』を与え、最強のパートナーになってあげるわ」



5年でダイヤモンド・ランク。そして年収2000万G。

シオリが「に、二千万!? 国の国家予算レベルですよ!?」と悲鳴を上げている。



確かに、この路地裏の酒場をただ回しているだけでは、到底到達できない途方もないKPI(目標数値)だ。



だが、俺の胸の奥では、トップ営業マンとしての血が激しく沸き立っていた。



「……お受けしましょう。非常にやりがいのあるプロジェクトですね、シエラ様」



俺は営業スマイルを深め、女神に向かって言い放った。

「その目標を達成するためには、単なる飲食業(酒場)の枠に収まっていては不可能です。これより、我々はビジネスを『次のフェーズ』へと移行させます」



「あら? どうするつもり?」



「ここを、すべての情報と人が交差する『中心地』にします。極上の酒と食事を提供するスタンドバー・カフェとしての機能に加え、最新の防具やアパレルの販売、さらには冒険者と企業を繋ぐ人材斡旋までを統合した、巨大な複合型店舗を創る」



俺はカウンターの上の空間に、指で大きな円を描いた。

「美味しい食事、洗練されたファッション、そして有益な情報。すべてがこの場所に集約され、ここから世界へと発信される。……新たな事業コンセプトの名前は、【THE HUBザ・ハブ】です」



「……THE HUB」



シエラがその言葉を口の中で転がし、頬を紅潮させた。



「素晴らしいわ……! 点と点だった商売を、面にして世界を支配しようというのね! ええ、期待しているわよ、マコト!」



女神シエラとの強烈なトップ会談キックオフ・ミーティングを経て。



俺とシオリ、そしてドワーフのガンツによる、世界最大の複合商業施設『THE HUB』建設計画が、ついに動き出したのだった。



第5話もお読みいただきありがとうございました!

ついに「商売の女神シエラ」とのトップ会談、そして複合施設『THE HUB』の構想が立ち上がりました!

「5年で最高位ランク&年商2000万G」……普通の商人なら絶望する数字も、マコトにとっては最高の商談プロジェクトのようです。

「THE HUBの展開が楽しみ!」「神様相手でもブレないマコト最強!」と少しでも楽しんでいただけましたら、

ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、本作へのご評価(大型投資)をお願いいたします!

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