第15話 トリップ オア ジャーニー.1
「うわぁ〜、すっご〜い!!」
山々にアカリの声がこだまする。
「山は大きいし空気も美味しい!
自然を感じる〜!!」
到着した途端、アカリは目を輝かせながらはしゃぎ回っている。
「こらこら〜あんまりはしゃがないの〜」
いつも通りユイはアカリを注意するが、その声音はどこか浮かれている。
「うぉぉ、スッゲェなこりゃ!」
カンジも感嘆を漏らした。
アオイも先程からその迫力を感じ、息を飲んだ。
見渡すかぎりの美しく生命力溢れる緑が彼らを囲み、雄大な山々が連なっていた。ここは都市部から遠く離れた大型レジャー施設である。山をそのまま施設として使っているせいか、迫力があり清々しい。そんな自然をカヤックやアスレチック、サイクリングなどの様々な体験を通して直に感じることができるのだ。日々のストレスを解消するという点においては最良のスポットと言えるだろう。そのせいか、ここは大人気の施設となっている。今はGW明けなので人こそは少ないが。
ユイ、アカリ、カンジが旅行の際計画案を思いついてからというもの、トントン拍子で事が進んだ。カンジからそのことを聞いたアオイは快諾し、ユイとともにこの場所を選んで予約を取り、次の週に行くことに決まったのだ。
「よーし、じゃあ飯食って色々しようぜ!」
「そうだね、いこいこ〜」
何だかんだ2人ともアカリに続いた。どこかみんなハイテンションだ。遅れないようにアオイはそれに続いた。
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日が落ちて4人は予約しておいたロッジに戻った。山の中にあり、木のぬくもりを感じられるいい雰囲気のロッジだ。
先程BBQも終わって今日1日のイベントが全て終了した。彼らは多くの体験をしたようである。カヌーにサイクリング、さらにはパラグライダーといった、普段できないような爽快な経験を通して自然の居心地の良さを感じた1日であった。皆満足そうに振り返り、楽しそうに話している。楽しげに話す声と笑い声が辺りに響いていた。
話がひと段落したのでお風呂に行くことになった。なんでも近くに温泉まであるそうだ。1日の疲れも癒せるという素晴らしき施設である。
10分ほど歩いたところに温泉はあった。
「じゃあ、また後でね〜」
「おう。」
男女で分かれて暖簾をくぐった。
白い湯気のたつ石造りの湯船にアオイは浸かっている。白く濁った湯が心地よい。
暑がりのカンジは先程風呂を後にし。今では彼1人がこの場にいる。
今日一日の出来事を思い出し、満足そうな彼の頭に、NWCのことなど浮かんでこなかった。




