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8幕 原理

 続いて、数学の時間。担当のアルキメデス先生は自己紹介をしてから、真面目に授業を始めてくれた。僕は一安心しながらノートを書き始めた。

 と、太子の手が挙がった。先生は、

「太子くん。何でしょうか?」

と聞いた。すると、彼は

「アルキメデス先生ってエレベーター会社・プロトベースの社長さんですよね?」

と質問したのだ。すると、先生は

「そうだ。私がプホトベース社長のアルキメデスだ。」

と答えた。

 次いで、松尾芭蕉が、

「先生はとある原理の博士川。芭蕉、質問の一句。」

と、川柳で聞いた。博士川ってなんだよ!先生もそう思っただろうが何とか伝わったようで、アルキメデス先生は、

「そうだ。私がてこの原理、そして、アルキメデスの原理を詳しく知るアルキメデスだ。」

と答えて、その2つの原理について説明をし始めた。

 「まずは、てこの原理だが、これは少しの力で大きな力をうみだすことが出来る、画期的な技術だ。」

先生はそう言って筆箱から、ペンと定規を出し、シーソーのようなものを作った。そして、その片方に筆箱を起き、もう片方を指1本で押した。しかし、筆箱は持ち上がらなかった。

「てこには支点、力点、作用点がある。支点は支える点、力点は力が加わる点、作用点が加わる点だ。この場合は、ペンが支点。ここが力点。あと、筆箱は作用点。」

と言って、今度は黒板に、「d1×F1=d2×F2」という式を書いてからそれぞれの記号の意味を下に書いた。しかし、僕を含め、みんなちんぷんかんぷん。それを見た先生は、

「まぁ、簡単にまとめると、力点と支点の距離は長い方が良いのだ。ところが、支点と作用点の距離は短い方が良いと言うことだ。」

と、締めくくった。それから、先生はてこの原理を利用した、バールやプルタブの仕組みについて説明した。これまでの話を、太子と松尾芭蕉は珍しくノートを書いていた。しかも、よくまとまっている。なんだ、ただのバカと思ってたけどやればできるじゃん。僕は彼らを見直した。

 その後、先生はアルキメデスの原理も説明してくれた。それが終わると、太子が

「その原理はアルキメデスさんが作ったんですよね。じゃぁ、先生はアインシュタインの相対性理論を使って、タイムスリップしてきたんですよね!」

と質問した。一見、賢いように聞こえるが、言ってることはバカだ。あれは、理論上の話で今のところ、そんな技術はない。それでも、僕は彼らを見直す精神は残そうと思った。すると、先生は

「ただの、同姓同名だ。」

と答えた。太子はさらに質問する。

「ということは、アルキメデスが生み出した原理を同姓同名の先生が説明しているってこですよね?それは、偶然的なことでしょうか?必然的なことでしょうか?」

先生は、答える。

「いや、偶然だろう。」

 そんな質問だけで、残りの時間が潰され、先生はなぜか、

「今日の所、テストで出すからな!」

と言って教室を出た。

 その休み時間、僕はまた頭をかかえた。ましたけど、アルキメデス先生は真にまともは言いがたいと。言ってることはバカだったが、太子が賢く見えたと。今日は雨降るんじゃないかと。

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