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無双したくて異世界転生したらステータス全部1だったので努力で最強になる  作者: 月城リク


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3話 最弱、名前を名乗る

読んでいただきありがとうございます。

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「いけません」


受付嬢の一言で、俺のやる気は秒で折られた。


「いやいや、スライムでしょ?一番弱いやつじゃん」


「一般的にはそうです」


「じゃあいけるでしょ」


「あなたの場合はいけません」


「なんでだよ!」


「ステータス全部1だからです」


ぐうの音も出ない。


結局、半ば強引にスライム討伐クエストを受けた俺は、街の外に来ていた。


「……来ちゃった」


目の前には、草原。


いかにも“初心者狩場”。


そして——


「いた」


ぷるぷるした青いやつ。


スライム。


「……よし」


拳を握る。


ここがスタートだ。


無双への第一歩。


「いくぞ!」


俺は勢いよく突っ込んだ。


そして——


バチンッ。


「……え?」


スライムを殴った。


確かな手応え。


なのに。


「効いてなくね?」


スライム、ノーダメージ。


ぷるん、と揺れただけ。


「いやいやいや」


もう一発。


バチンッ。


「いや効いてねぇって!!」


手が痛いだけなんだが!?


「なんだこれゴム!?スライムってゴムなの!?」


混乱している間に——


ベチッ。


「いったぁ!?」


顔面に体当たりされた。


「痛い痛い痛い!」


普通にダメージある!


なのにこっちの攻撃は効かない!


「バランスおかしくない!?」


もう一発殴る。


バチンッ。


「だから効いてねぇって言ってんだろ!!」


完全に詰み。


「……いや待て」


俺は後ろに下がりながら考える。


殴ってもダメ。


蹴ってもダメ。


じゃあどうする。


「……これ、物理無効じゃね?」


いやいや、序盤の敵でそれはないだろ。


でも実際効いてない。


「……だったら」


正面からやるのをやめる。


これだ。


俺は地面に落ちていた枝を拾う。


ツンツン。


「……」


スライムに刺してみる。


ぷるん。


「意味ねぇ!」


むしろ跳ね返された!


「なんだこいつ!?」


最弱どころか理不尽なんだが!


ベチッ。


「ぐはっ!」


また顔面ヒット。


「いやちょっと待って!」


一旦距離を取る。


冷静になれ。


こういうときは——


「考えろ」


周囲を見る。


草。石。木。


そして——


「……水たまり?」


雨のあとか、小さな水たまりがあった。


スライムを見る。


ぷるぷるしてる。


水っぽい。


「……まさか」


ダメ元だ。


俺は石を拾って、水たまりに投げた。


バシャッ。


音に反応して、スライムがそっちへ移動する。


「やっぱ音で釣れる!」


じゃあ——


「いけるかも」


俺はさらに石を投げて誘導する。


少しずつ。


少しずつ。


スライムを水たまりの中央へ。


「よし……」


タイミングを見て——


思いっきり走る。


「うおおおお!!」


そのまま全力で——


ドンッ!!


体当たり。


スライムごと、水たまりに押し込む。


「うおおおお沈めえええ!!」


バシャバシャ暴れる。


スライムも暴れる。


「くっ……!」


力では負けてる。


でも——


「お前、水だろ!?」


だったら混ざれ!


かき混ぜろ!


「ぐちゃぐちゃになれええ!!」


必死に踏みつける。


かき回す。


潰す。


もう戦い方じゃない。


ただの嫌がらせ。


数秒後。


……動きが止まった。


「……え?」


恐る恐る見る。


スライムは、水たまりと一体化していた。


もう“個体”としての形を保っていない。


「……勝った?」


しばらく待つ。


動かない。


「……勝ったわ」


その場に崩れ落ちる。


「はぁぁぁぁ……!」


疲労が一気に押し寄せる。


「何この戦い方……」


想像してたのと違いすぎる。


剣で一撃とかじゃないの?


「水遊びで勝つって何!?」


そのとき。


――レベルが上がりました。


「お?」


ステータスを開く。


――――――――――

名前:???

レベル:2


筋力:2

体力:2

敏捷:2

魔力:2

スキル:なし

――――――――――


「上がった!!」


めっちゃ地味に上がった。


でも。


「めっちゃ嬉しいんだが!?」


ちゃんと積み上げてる感。


これだよ。


「……悪くねぇ」


むしろ楽しくなってきた。


そのとき、ふと思う。


「……名前」


俺、まだ名乗ってない。


せっかくの異世界。


どうするか。


カッコいい名前?


いや——


「やり直しだしな」


最初から。


もう一度。


今度はちゃんと。


「俺は——」


空を見上げて、言う。


「ハジメだ」


風が吹く。


それだけなのに、妙にしっくりきた。


最弱。


ステータス全部1。


でも——


「ここから始める」


小さく笑う。


そのとき。


ぴょん。


「……ん?」


振り向く。


スライム。二体。


「……は?」


ぴょん。ぴょん。


さっきより元気そう。


ていうか増えてる。


「いやちょっと待って」


「タイム!!」


もちろん通じない。


「うわああああああ!!」


ハジメは全力で逃げ出した。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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