表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無双したくて異世界転生したらステータス全部1だったので努力で最強になる  作者: 月城リク


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/16

2話 最弱、街に出る

読んでいただきありがとうございます。

ブックマークしていただけると励みになります!

「……詰んでね?」


もう一度言う。


「いやこれ詰んでるだろ」


白い空間に一人、俺は頭を抱えていた。


無双したくて死んだ。

結果、ステータス全部1。


これ、どういうバグ?


「いやいやいや、まだだ」


落ち着け俺。


こういうのって“隠しスキル”とかあるパターンだろ。

ほら、よくあるじゃん。最初弱いけど実は最強でした、みたいな。


「ステータス、再表示!」


――――――――――

名前:???

レベル:1


筋力:1

体力:1

敏捷:1

魔力:1

スキル:なし

――――――――――


「変わってねぇよ!!!」


知ってたけどな!


「くそっ……説明書どこだよ……」


ゲームならチュートリアルあるだろ普通。

なんでいきなり放り出すんだよこの世界。


その瞬間、視界がぐにゃりと歪んだ。


「え、ちょ、待っ——」


気づくと、俺は石畳の上に倒れていた。


「いってぇ!!」


全身に走る鈍い痛み。


「え、痛い!?ちゃんと痛いの!?リアルすぎない!?」


顔を上げると、そこは見知らぬ街だった。

てか石畳の上?雑すぎるだろ。


中世ヨーロッパ風の建物。

鎧を着た男。ローブ姿の女。

そして、明らかに“冒険者です”って感じの人たち。


「……来たわ」


異世界、来たわこれ。


テンションが一気に上がる。


「よし、無双——」


一歩踏み出した瞬間、足がもつれた。


ズテッ。


「よっわ!!!」


自分でびっくりした。


「何この体!?赤ちゃん!?」


ステータス全部1をなめてた。

想像以上に弱い。


「いやいやいや、でも大丈夫だ」


街に来たってことは、まずはアレだろ。


冒険者ギルド。


ここで登録して、クエスト受けて、成り上がる。

テンプレ展開、俺知ってる。


「行くしかねぇ……!」


フラフラしながら歩き出す。


通行人がちょっと避けてる気がするけど、気のせいだな。うん。


数分後。


「ここか……」


目の前には、いかにもな建物。


木製の扉に、大きな看板。

剣と盾のマーク。


間違いない。


「冒険者ギルドだ!」


テンション爆上がりで扉を開ける。


ガチャッ。


中は酒場みたいな雰囲気だった。


ガヤガヤとした空気。

屈強な男たち。

美人受付嬢(重要)。


「うお……マジで来たわ」


完全に異世界。


「よし、とりあえず登録だな」


受付に向かう。


途中、ガタイのいい男と肩がぶつかった。


ドン。


「……あ?」


低い声が響く。


「あ、すみません!」


反射的に謝る。


やべ、絡まれるパターンか?


男は俺を見下ろしたあと——


「……ちっ」


それだけ言って去っていった。


「セーフ!!!」


危なっ!絶対勝てねぇあれ!


ステータス1で喧嘩とか自殺行為すぎる!


「……いやもう死んでるけどな」


自分で言ってちょっと悲しくなった。


「ご用件は?」


受付嬢がにこやかに聞いてくる。


「冒険者登録お願いします!」


元気よく言う。


こういうのは勢いが大事だ。


「かしこまりました。ではステータスの確認を——」


「ちょっと待ってください」


俺は真顔になった。


「これ見ても引かないでくださいね?」


「……?」


不思議そうな顔をされる。


俺はゆっくりとステータスを表示した。


受付嬢の目が、スッと細くなる。


「……あの」


「はい」


「これ、本気ですか?」


「大マジです」


沈黙。


周りの空気が、なんかざわつく。


「ステータス……全部1……?」


小声で呟かれる。


「初めて見ました……」


ですよねぇ!!


俺も初めてだよこんなの!!


「えっと……失礼ですが」


受付嬢が少し困った顔をする。


「冒険者として活動するには、最低限の能力が必要でして……」


「はい」


「その……非常に危険かと」


「知ってます」


めちゃくちゃ知ってる。


「でも、やります」


きっぱりと言う。


ここで引いたら、何のために死んだのか分からない。


無双するために来たんだ。


最弱でも、関係ない。


「……理由をお聞きしても?」


受付嬢が少し真面目な顔になる。


俺は一瞬だけ考えて——


「無双したいんで」


即答した。


「……はい?」


「無双したいんで」


大事なことなので2回言った。


受付嬢が完全に困惑している。


周りからもクスクス笑いが聞こえる。


「……分かりました」


ため息をつきながら、彼女は書類を差し出した。


「自己責任になりますが、登録は可能です」


「マジで!?」


「はい。ただし——」


少しだけ、真剣な目になる。


「絶対に無理はしないでください」


「……」


一瞬だけ言葉に詰まる。


でもすぐに笑って、


「大丈夫です」


と答えた。


「どうせ最初から無理なんで」


「それ大丈夫って言わないんですよ」


即ツッコまれた。


こうして俺は、異世界での第一歩を踏み出した。


ステータス全部1。


スキルなし。


完全なる最弱。


それでも——


「やってやるよ」


小さく呟く。


無双したくて死んだんだ。


ここで終わるわけにはいかない。


たとえ最弱でも。


たとえ誰に笑われても。


俺は——


「……で、最初のクエストって何やればいいんですか?」


「スライム討伐ですね」


「いけるな」


「いけません」


即否定された。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

面白いと思っていただけたら、評価やブックマークぜひお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ