第12話 孤児院にて
「ここが…俺たちの孤児院だよ…」
ジェイに案内されて件の孤児院にたどり着いた俺
中に入ろうとすると子供の泣き声と怒声が響いてくる…明らかな異常事態を感じ取った俺はジェイに避難するように指示して孤児院の中へと駆け出す
俺が孤児院に入ると…そこには年老いた男性とその男に鞭で叩かれ、泣いている女の子の姿が見えた
するとどうやら俺のことをジェイだと思っているのか、年老いた男性がこちらに話しかけてきた
「やれやれ…ジェイ!お前がこんなに遅くまで遊び惚けているから!アーニーがこんな罰を受けることになったんだぞ!お前も早くこちらに来い!」
「…ん?お前…誰だ…?ジェイじゃないな…フン、ガキの女か…おい!お前!ここで見たことは…」
俺はバカが何か言っているのを無視しながら前へと歩き出す
「ストレージ起動」
ストレージから鉄剣を取り出し無言でバカに斬りかかる
「ん…?何を………う…うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
バカの鞭を持っていた右手はきれいに斬り落とされ、切断面からはとめどなく血が流れ出ている
俺はバカが騒いでいるのを尻目に治癒魔法を使い女の子を治療していた
「ヒール」
初めて使う治癒魔法ではあったが、見る見るうちに少女の痣が消えていく、どうやら問題なく魔法は発動したようだ…
「あ、ありがとうございます…」
ようやっと口を開いた女の子
俺は自分が誰かということ、なぜここにいるのかを簡単に説明する
「ジェイがそんなことを…すみません…」
そうやって誤ってくるが俺は
「君が謝ることじゃないよ…本人も反省したみたいだしね」
と優しく語りかける
そうこうしているとバカの声がだんだん小さくなっていくのを感じる…俺としてはこのまま死んでもらっても構わないのだが…流石にいきなり殺人はまずいだろうと死なないように傷口を治癒魔法で回復してやる
「…ヒール」
傷がふさがり血は止まったようだ…だが当然切断面を塞いだだけなので腕はその辺に転がっている
「おい!貴様!俺様にこんなことしてどうなるかわかってるのか!」
傷がふさがり元気になったのかまたわめき始めるバカ
そうこうしているとどうやら複数の人間がこの孤児院に来ているようだ…足音が響いてくる
「おい!誰かはわからんが助けてくれ!急に襲われて腕が…!」
こちらに向かってくる足音にバカも気づいたのかそう騒ぎ出す
しかしこちらに来ていたのは…
避難させていたジェイに呼ばせていたギルマスと衛兵たちだった
「話は聞いていますよ…マックス院長…」
そうギルマスが話を切り出す
「どうやら孤児院の金を横領し、さらに子供たちに暴行まで加えていたらしいじゃないですか…」
「そ、そんなの子供のついた嘘だろう?事実無根だ!それより俺の腕を切り落としたその犯罪者を…!」
「…残念ながらあなたの横領の証拠は挙がっているんですよ…今日のような事件がなくとも数日中にはあなたのところに向かう予定でしたよ、ほら」
そうやって複数の書類を見せつけるギルマス
「う…だ、だがそいつは俺の腕を斬り飛ばしたんだぞ!それは許されることじゃないだろ!」
罪が明らかとなっても、ならばお前も道連れとばかりに俺を糾弾するバカ
「フム…確かに腕を切り落としたとあればそれは重大な犯罪行為です…」
「そうだよな!なら…」
「ですが…本当に彼女に切り落とされたものなのでしょうか…?」
「………は?」
「いやはや…我々としても切り落とされたところを見ていないのでね…初めから切れていたんじゃないんですか?」
「…………は?そ、そんなわけないだろう!!腕が勝手に斬れたとでも言うのか⁉」
「そうです!きっと魔物のカマイタチが街に紛れ込んであなたの腕を切り落としたのでしょう…なんて不運なんだ…かわいそうに!」
「………は?おいおいおいおい!!!そんなわけないだろう!」
「…衛兵の皆さんはこの周辺を封鎖してまだ街にカマイタチが隠れていないか確認してください」
「「「はい!わかりました!」」」
そうやって茶番の後に衛兵に指示を飛ばすギルマス
「…ついでにこの犯罪者も留置所に放り込んでおいて下さい」
「はい!」
衛兵に連行されながらもバカは何かよくわからないことをずっと喚き散らしていた…
「フム…しかしルリさん…腕を飛ばすのはちょっと…やり過ぎでは…?」
「すみません…ちょうど鞭でたたかれているところを目撃してしまって…頭に血が上ってしまいました…」
「それなら…まぁ仕方ないでしょう…それに、子供たちを虐げてきたクズの腕の1本や2本、飛ばされた方がいいでしょう」
俺はその後ちょっとした取り調べを受け…すぐに問題なしと解放された
院長に対する罪は大きく、どうやら奴隷へと身を落とされ、鉱山労働へと赴かされるらしい
孤児院には新しい院長が置かれ、しばらくの間定期的に衛兵も巡回するということで、子供たちがこれまでのような仕打ちを受けることはないだろう…
処女作です!まだまだ未熟な身ですので暖かい目でご覧ください!
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