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35.〜ちょっと寄り道〜 望月のコーヒー談義 二杯目

 夏休みが始まっている。そして、今日は海の日だ。良い天気に恵まれ朝からとても暑い一日が始まり、今は昼下がりを迎えている。


 望月は新しく購入したコーヒー豆を、ミルでゴリゴリと挽いていた。

 今回はキリマンジャロブランド。キリマンジャロの芳醇な香りを楽しめる味わい、との謳い文句に惹かれた。

 前回はペルー産の豆で、華やかな香りと味を楽しめた。果たして今回の豆はどうだろうか。


 コーヒー豆は全部挽かない。十粒程度残す。雑味が入らなくなるらしいが、そこまで分かるほどの舌は持っていない。だが、少し注意する事で美味しいものが飲めるのならば、やってみる方が良いだろうと思う。最後までゴリゴリ挽いた達成感は無いが、美味しいものを味わいたい。


 豆を挽き終え、香りを嗅いでみる。

 「ザ・コーヒーだ」

 ペルー産の豆とは違い、パッとするような華やかさは無い。深みのある香りが漂う。


 ミルからペーパーフィルターに開けると、よりコーヒーの香りが増す。

 「落ち着いて飲むのには良いかもしれない」

 お湯を注ぎながら、ザ・コーヒーの香りを楽しむ。


 テレビのニュースでは、浅草の混み具合が中継され、海沿いのお祭り、そして泥まみれになって綱引きをしたりと、各地での様子が映し出されていた。


 熱いコーヒーを少し口にする。豆から挽いたコーヒーは、口当たりが優しい。お湯にコーヒーが溶けているような印象だ。

 そして、案外苦くない。苦さで言うならもしかすると缶コーヒーの方が強いかもしれない。


 コーヒーを少しずつ冷ましながら、ニュースを見る。水辺での痛ましい事故は、毎年必ずある。

 どうか、新学期はクラスの、そして学校の生徒が誰一人欠ける事の無いよう、夏に引き込まれず、そして呑み込まれないよう元気に過ごして欲しいと、テレビを見つめながら祈りのような気持ちを抱くのであった。

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