030-後日談
第二話はこれで終了です。
ありがとうございます。
ボルダにふたりが帰って、少したったある日。
エムネア女史の名で、対象者全員の謝罪文いりのおわびの手紙がミリアの元に届けられた。
ミリアはというと、いい子たちだね、次があればお話できるかなと嬉しそう。
なんとも微笑ましいものだ。
そんな笑顔を見ていると、コータもまた嬉しくなるのだった。
それはいいのだけど、同じ便で送られてきたもうひとつの手紙はちょっと違っていた。
読んだミリアは顔をひきつらせた。
女子のひとりの魔導コアが覚醒したらしい。それも巫女でなく魔道士として。
その原因が、何かに身体に入りこまれたことだという。
何か?
その理由に、ミリアはピンときてしまった。
「た、大変コータちょっと!」
『なになに……え、未確認の異星起源の精神生命体?』
「ねえ、これってコータ、あの時の妖精ちゃんじゃない?」
その指摘に、コータが目を見開いた。
『あの時のって……おいまさか、本当に妖精がいたってのか?』
「うん。やっぱあの時、精霊界からついてきてたんじゃないかな」
『あれだけ調べたのに、それでも抜けてたってのか……ほんとかよ。
で、ついてきてたとして、数はわかるか?』
「一匹」
『断言か。それは間違いないか?』
「うん。こないだから、単独で精霊界でまとわりついてた子だと思う」
『ほう、しってる個体か。ん?
ちょっとまてミリア。
そこまで確信できる個体なら、魔力波動も覚えてんだろ?』
「うん」
『だったら、なんであの時気づかなかった?』
「それなんだけどね、今、唐突に思い出したの。なんで気づかなかったんだろ?」
『……精神干渉か!』
しまった、そうきたかと天をあおぐコータ。
「精神干渉?」
『……つまり俺たち、意図的に気づけないようにされてたんだよ。やられた』
「えええっ!」
驚くミリアに、がっくり来るコータ。
『まじかぁ……なんでそんな奴が』
「そんなにすごいの?」
『レベルが違いすぎるんだよ。
ミリアどころか俺でもお話にならないレベルだ』
「ええっ!」
ミリアの目が点になった。
「ど、どうしようコータ?」
『あわてるな、どのみち俺らじゃどうしようもないよ。
とりあえず女王には、急いで説明しよう。
……ところで、その子の適性は?』
「結界師と調教師だって」
『ほほう、その特性を活かして生きるとしたら、あっちでなくボルダだな』
「そうなの?」
『アマルー領は本来、普通の科学世界なんだ。あの星域だけ特別なんだよ。
そういう技術を活かして生きるなら、ここか、それとも古い宗教のある地域かな。
けど、どこもアマルー領から遠いからなぁ。とりあえず選択するならボルダだろ』
オン・ゲストロの提案でマドゥル星系にもゲートができている。
アルカイン王国がなくなった時に連邦によって回収・廃棄されていたゲートだったが、ボルダとオン・ゲストロの間に渡航が増えてきたもので、改めて設置されたものだ。
これにより、アマルー領の入口までは気軽にスパッと行けるようになった。
むしろ、そこから惑星シャク=コターンにいくほうが時間も面倒もかかるほどだ。
コータに見せて二人で話した結果、トラファガーを含む数カ所に知り合いに送った。
その結果、結界師と調教師という組み合わせに劇的に反応したところがあった。
『まさか、店長が反応するとは』
「乙女な店長さんとこ?」
『そうだよ、あそこだ』
「紹介する?」
『ま、店長なら悪いようにはしないだろ。
ただし移動が問題だ。面接だけにしろ引っ越すにしろ』
「……どうする?」
『むかえにいこう。
事情を話してトラファガーの仕事にできないか聞いてみる。ダメなら休みもらって自費だな』
「だねえ」
ふたりは、大きくためいきをつくのだった。
(第二話終わり)




