粉砕
ウィークネスを解いた瞬間、一条との戦いでのダメージが回復していく。この感じなら大丈夫だろう。
僕は狐面を被ると、試合場へと向かった。
ー
『さぁ!今日の最終試合、スイゲツ対ロッタスだぁー
ッ!』
「「うおおおおっ!!」」
『明日の準決勝に駒を進めるのはどっちなのか!?』
試合を一つこなしたお陰か、僕の感覚はいつもより研ぎ澄まされている。
『始めぇーッ!』
僕は開始と同時に魔銃を放った。だがロッタスさんも流石と言うべきか、魔法を放ってきていた。僕はすかさずその火の玉を斬る。
「な!?」
「甘いです」
実はあの火の玉、触れると爆発するように出来ていたのだが、僕があっさり斬ったのでロッタスさんは驚いている。まあ、空間ごと斬り裂けば可能なことだ。
「掃射」
先程の一発は対処されたようなので、今度は連射する。
「な、なんですじゃ、それは!」
ロッタスさんは必死に土の壁を作り上げるが、御構い無しに破壊する。だが壁の向こうにロッタスさんはいなかった。
「上か。」
見ると、風魔法を使い、浮いているロッタスさんがいた。ニヤリと笑っている。
「もう遅いですじゃ、ハイ・ライトニング」
僕は上から襲いかかる雷を、鴉を避雷針にする事で避けた。すかさず開いた手で地面を殴る。
立ち上った土煙が、視界を妨げた。
「くっ、どこですじゃ!」
僕は上に跳び上がる。ロッタスさんの位置を確認すると、雷を纏ったままの鴉を振り下ろし、雷を落とした。
「さっきの雷、お返ししますっ」
「げぐぅ…」
『勝者、スイゲツ!!』
流石は魔法師団団長。それなりには強かった。
ー
とうとう決勝の日がやって来た。今日は準決勝から決勝まで、一気にやることになっている。
闘技場では、手に汗握る戦いが行われていた。と、いっても僕はだいぶ寝坊したので途中から観ている。
一条対剣聖・ケヴィン
まあケヴィンが勝つのは分かりきってるが、どこまで一条が食い下がれるかが見どころだ。
さっきからケヴィンからは仕掛けず、一条の攻撃を受け流すだけだ。少し天狗になっていた一条には、いい薬に思えた。ケヴィンもそれを理解してやっているのかもしれない。
結局、勝負はケヴィンの勝利で終わり、負けた一条はすっきりした顔をして退場していった。
ー
『さあ!準決勝もこれで終わりだぁー!スイゲツ対エヴァン!どちらに軍配があがるのか!?始めッ!』
エヴァンには申し訳ないが、僕は早く剣聖と戦いたくてしょうがない。一瞬で終わらせるとしよう。
僕は地面を蹴り、加速すると、エヴァンに迫った。
焦って剣を突き出してくるが、まるで僕の速度に追いついていない。僕は拳を繰り出し、剣を砕き、そのままの勢いでエヴァンを殴り飛ばした。
「ぐぁっ!」
エヴァンは壁まで飛んでいき、気絶した。
『し、勝者、スイゲツ!!圧倒的実力を見せつけたァーッ!』
「「うおおおおおおッ!!」」
本番はここからだ。




