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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
新章ー大陸を歩くー『精霊の住み処』
97/105

奴隷商.....どうみても盗賊ですよ

大変遅くなりました。

申し訳ありません。


ひび割れた空からばらばらと落ちてくる結界の破片。

アクセルさんが貼っていた結界が無惨に破壊されていきます。

破片は地面に落ちる前に粒子になりますので、二次災害はなさそうですね。


「ダメです! 囲まれてますよ」


「ふむ、強行突破しかないぞ」


「あら? 全滅させませんの? 」


私を横に寝かせた後、アクセルさんが身長ほどある大きな杖を構えています。

シユウさんは、槍を肩に乗せたまま自然体で立っていますね。

アサギリさんは、花飾りがある銀色のレイピアをヒュンッヒュンと振るっていました。


そして、私は......そうですね、一歩も動けない足手まといです。

ちょっと!? 敵の数が50はいるんですけど!!

でもでも、こちらは植物精霊様に、龍人族と魔女族のAランクの冒険者、多勢に無勢とはいえ負けることはないでしょう。

ですが、


「う、あぁぁ、うぅ....」


倒れて動けない私のすぐ側で、うずくまるこのハーフの少年を守りながら戦うのは至難でしょうね。

それにしても、魔王の系譜ですか?

物質精霊のメイドさん達に色々聞いた気がしますが、【魔王】っていうのは転生者や転移者って認識で良いのですよね? 例外としてこの世界で種の魔王種に進化を遂げた者を【魔皇】という使い分け見たいですし。


「ちょっと、泣き虫さん泣き虫さん、まずは出来ることをしましょう!」


「む、無理だよ!? 母さんだってヤられたんだよ!!」


む、逆ギレされましたか......確かにいきなり出来ることと言われても.....困りますよね。

ですが、なぜこうもネガティブに考えてるんですか?


なにかやれば気が紛れて、落ち着くかもしれませんし、そもそも、何もしないと足手まといゴールド免許になってしまいそうですよ。

チラッと周りを見ると、取り囲んでいる盗賊.....で良いんですよね? 盗賊達は慎重派のようでじりじりと輪を縮めながら迫ってきます。

視界に写る盗賊は、私のトラウマの記憶の黒い装束の連中のようじゃなくてホッとしてしまいます。

バラバラの服装。

奪ったものなのか、見せびらかすようにアクセサリーを着けていました。

統一性のない服装の癖に、連携だけはいっちょまえですねぇ。

輪を狭めてくる盗賊達ですが、こちらの三方は縮められようがお構いなしにその場に立っていました。

丁度私と少年を中心に正三角形のような形でした。

囲んでいた大きい輪が半分になったところで足を止める盗賊達。

私の予想ですが、あと数cmで相手の射程圏なのでしょう。


「やはり、膠着になりますよね.....」


「おほほほっ、さぁ、やりあいましょう!! 目立つために!!今日は月明かりも良いですわ。」


「血が騒ぐのかもしれないが、ちょっと待つのだぞ」


三者三様の声をあげる。

その後すぐに

盗賊団のお頭だと思われる人物が割れた人垣から堂々と出てきた。


「どうだ、この戦力差.....諦めて渡した方が身のためだぞ」


「「「「へい、そのとおりでさぁ!!」」」」


明らかな上から目線の男と手下共。


「世界をまたにかけるこの奴隷商の俺様にな!! 」


決めポーズをするお頭と太鼓持ちの手下達......って、


え?


奴隷商.....なの?


一触即発の空気の中、氷魔法【フリーズ・エリア】を使われたかのような静けさと寒さが襲った。









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