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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
新章ー大陸を歩くー『精霊の住み処』
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実戦その①

おくれました!すいませんです。

読んでくれてありがとうございます。

「ここまでにしておきましょう」

「はぁ、はぁ、了、解です.....」


正面に立つアクセルさんは、私との間に張ってあった魔法障壁を解除しました。

アクセルさんとの訓練内容は意外に簡単で、アクセルさんが張った魔法障壁に私が教えて貰った魔法をぶつける、というものでした。

魔法障壁を作り出す途中で、その魔力を弾丸にして打ち出したり、魔力で腕を覆い込み擬似的な刀身を作り出して、障壁に攻撃をしましたが、障壁を割るどころか私の作り出した刃が砕ける悲惨な結果になりました。訓練はそれの繰り返しだったのです。

私的には少しくらいヒビが入ったとか、そういう振りでやる気も上がるんですけど、アクセルさんは容赦がありませんでした。

『さっきより威力が弱いです!』

『今のは均等に魔力が行き渡っていません!』

とか、

『全然だめです、障壁に押し負けてどうするんですか!!?』

とか、言われまくりだったのです。くっそー、悔しいです。


実際すぐには訓練を始めたわけではなく、初めは論理的な事、つまり頭で覚えることが主でした。

しかし、魔力がどう形成されているのかとか、体の中をどう巡っているのかを説明されましたが、アクセルさんが話す内容は、私を指導してくれたシュレイさん達と同じでした。そこでお試し体験でさっきの訓練に移ったんですけど、もう、ガチ本気訓練じゃないですか!!驚愕ですよ。


でも、実際に体を動かすと魔力がどう流れているのかがちょっと分かってきた気がしました。

そして、魔女族であるアクセルさんの魔法陣・魔法構造・魔力錬成の速度の異常さも......


「アクセルさんは魔女族でも強いほうなんでしょうか?」


『まぁ、魔女族は名を持つものとそうでないもので差があるから、強い方ではないですぅ?』


「名?アクセルさんはなにか持ってるんですか?」


『あれ?気づいてないです?その名前がそうなのですよ』


名前?アクセル....加速でしょうか?つまり......

私が考えているとその先を言われました。


『「加速の魔女」といわれているのです』


へぇ~、そうなんですね.....

感心してる私に呆れた声が脳内に直接流れます。


『いや、もっと種族とか勉強してほしいのですよ、』


う、すいません。


魔女帽を風で飛ばされないように押さえているアクセルさんを見ていると、私の周りを周回していた私と念話していた光の玉....『幻妖花のルシャ』が、ため息のあと答えました。


『それに魔女族は使い魔を召喚して護衛させるのですが......』


「使い魔ですか?動物とか魔法生命体とかです?」


『そうなのですよ、使い魔は主を守護する存在でして魔力供給したり、魔法発動の補助をしたり、さらに主の盾となり敵を寄せ付けないモノなのですが.....彼女は出していない.....つまり、使い魔を使う必要もないくらいの実力者と判断できるのです』


「え?じゃあ、普通の魔女は、使い魔を前衛にして後衛からバンバン魔法を打つ感じですか?」


私の予想した戦術にルシャが頷いた気がしました。


『魔女族は、魔法障壁を張って防御を固めていても、接近戦になれば重撃・連撃・防御突破スキルなどもあるので抜かれることが多いのです、そこで接近戦を前衛に任せることで、安心して最大火力をぶっぱする......これが基本的な魔女族の戦法ですよ』


近づかれる前にやっちまえなのです!

とルシャは言っていました。


なるほど......つまり砲台タイプなんでしょうか?

一方的に相手を射ちまくり、近づく敵は召喚獣で押し返して、さらに砲撃するということですか.....


「しかし、アクセルさんは召喚獣を連れていない.....ってことですね」


そんなこんなで話を聞いた限り、基本的に魔女は使い魔という従者を随伴させるものらしいのですけど、そう言われるとアクセルさんは一回も出していませんね?まぁ、これが訓練でなにそれと襲撃されることはないので、出す必要もないとも考えられますけど.....実際私も、ナチュリオレさんから貰った召喚獣の『メリーさん』出してませんし。


まあ、今は......


「ぬ、意外にやるな.....」

「ふっ、まだ.....いけますわ」


一体何本目になるんでしょうか.....レジャーシートの上に散らばる空き瓶の数にため息を吐きながら、飲み比べをしているアサギリさんとシユウさんの元に、アクセルさんと一緒に駆け寄っていきました。


「リーダーはバカなんですか?何にし来たんです?」


そういうアクセルさんは、新しい酒ビンを開けようとしていたシユウさんの手からお酒を奪いました。


「むっ、ふむ、うるさいのが来たな」


アクセルさんにお酒を取り上げられて残念そうな顔をするシユウさん。

シユウさんの隣で飲んでいたアサギリさんもこちらに振り向きました。ちょっと顔が赤いですよ!


「あら?もうお遊びは終わったのかしら?」


「お遊びって言いましたか?アサギリさん!!私がヘロヘロになるまでやったことを!!」


レジャーシートで楽な姿勢を取っているアサギリさんが近くに来た私にそう言いました。

くっ、別に遊んでいた訳じゃないのに......


『てか、おめぇーはマジでなにしてんです?帰れですー』


「おほほ、お断りしますわ!」


私の今日の精霊部分を受け持つルシャの感覚からどろどろした感情が流れてきていて、私までちょっと嫌な気分になってきました。

シュレイさんが半身の時にはそんなことはあまり無かったのですが、これは魂の適合関係かもしれませんね。というか、ルシャの感情の上下左右の幅が私よりでかすぎますよ。


私がそんなことを考えていると、ルシャとアサギリさんの言い争いも収まってきたので、この場所から移動することにしました。



「では、ここら辺に生息する魔獣とちょっとやりあってみましょうか?」


「おお実戦ですね!」


アクセルさんの声に賛成しました。

マニフェレンから港町までの街道を、少し外れて湿地帯に入る私たちの前に、ガサゴソと草を揺らす生物を発見しました。大きさは湿地帯の栄える草で全体が判断できませんが、私の腰元くらいでしょう。

ちょうど草の高さがそのくらいですからね。色は保護色とか関係ないピンクの色彩。鳴き声はブタに近いのでしょうか?そんなやつが呑気に湿地の草を一生懸命かじていました。そんな光景はある意味ほのぼさせてくれます。

しかし、


「......これ?ホントに魔獣ですか?」


私にはつぶらな瞳を持つ可愛いブタにしか見えないんですけど......


『ああ、私達の子(種)を食らう仇敵なのです』

「そうね、私にとっても草食系は抹殺すべき敵ですわ」


そういう植物精霊と


「魔獣ではあるが害はないぞ」

「お肉は美味ですね、害はありませんが」


という、意見に別れてしまいました。

つまり、植物の敵!!.....


「刈りましょう!是非とも、そして食べてやりますよ、へへへっ」


「アン、笑いが見た目に合ってなくてキモいですよ」


.......ショック








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