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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
新章ー大陸を歩くー『精霊の住み処』
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聞かされる真実

「つまり、珍しいレア属性ってことでいいんですか?」


真剣でピリピリした雰囲気に包まれた、ギルドの対魔法個室。

私も容易に発言できない雰囲気ですが、さすがに固まっている二人に対して何かしらのアクションを起こさなくては.....


私の発言に、ハッとした表情をして目を覚ましたような感じの二人。


「え?あ、ああ、そう......ですね」


魔女帽の位置を直しているアクセルさんはそう呟きました。

何ででしょうか?

ことはそれだけではすまないのでしょうか......


私は斜め後ろに控えるように立つシユウさんの反応を伺いました。

シユウさんはあごに手を当てて考え込んでいるようです。


「アンさん?いや、アンちゃん?いえもうアンと呼びますけど」


アクセルさんが呼び方に四苦八苦していましたけど、どっちでもいいので好きに呼んで欲しいのです。


「はい?」


返事をする私に水晶を挟んだ対面に座るアクセルさんは、テーブルに手をついて顔の前で手を合わせていました。


「いいですか?」


そう、前置きをした後少しの間を挟みました。


「自然属性を使えないのは主に、『星』属性の適性が限り無く高いからです」


その『星』属性っていうのはなんなのでしょうか?


「な、なるほど、つまり一極型ってことですね!」


どうやって鍛えればいいのでしょうか!レアですよレア!最強への系譜です!


私がウズウズしていても、真剣な表情は崩さないアクセルさんからの雰囲気に段々と飲まれていきます。


「使ってはいけませんし、誰にも話してはだめです」


「ど、どういうことですか?私の唯一の適性なんじゃ.....」


なぜ、そんな心にもないことを!


私の不満を感じ取ったのかアクセルさんはため息を吐きます。


「その力は、ろくなことにならないからです」


「え?」


見てきたかかのように言われ愕然とします。

そうです!今まで一緒にいてきた精霊達なら、きっとこの力を理解してくれますよ。

そう思う私はミストレニア様にさっそく聞きました。


(ミストレニア様は「コレ」がろくでもない力だと思うのですか?)

『......アンの適性を初めて聞きましたが、コレは忘れましょう?』


ミストレニア様まで!!

『アン......もし、その力に飲まれてしまった場合殺さなくてはなりません』


そこまでの力......

申し訳なさそうに言うミストレニア様ですが、冗談を言っている感じはしませんでした。


ここまでのことで思い当たるとするならば......


「さっき、話した『シュレイさん』『双月花』『原子マクスウェル』が何か関係があるんでしょうか?」


爆弾を抱えてしまったような気持ちの私ですが、星属性がなぜそこまで言われるのか、聞かないことには魔法への憧れは止まれません。


アクセルさんはコクリと頷きました。


「ええ、そうですね。ですが......」


アクセルさんは申し訳なさそうに指を立てました。


「いくら魔導の叡智を求める魔女族と言われても、若輩者の私の知っていることは少ないです。本当なら、宝石系の物質精霊に聞くか、想天花本人に聞くかですけど.....」


そうですよね.....アクセルさんの言うことは間違いではないですが、私はシュレイさんがワザと話さなかったのではないのか?とも思っているのです。

それに、オリジンさんやセラフィは適性魔法よりも戦闘の基礎とか、生活魔法だけでしたから、明らかにシュレイさんに止められていたのでは?


うううう、疑いたくないですが、そう考えると気になって仕方ありませんよ。


うんうん、唸っている私に、思い出しつつ話してくれました。


「1200年前、世界が少し乱れました。その乱れの元は、この世界に存在しなかった考え方と力を持ったモノ達の出現です。しかし、姿形はこの世界の種そのものですが、そのものは生まれながらに高度な知能と高い能力を持っていました。そんな彼らの登場に、この大陸全てで目まぐるしい発展や、新たな宗教が生まれたりして、世界がまるで別物でもなったような感じがするほどで、はじめは同じ種族の変わり者って認識だったのが、いつのまにか、古き考えを捨てその種を導いていくモノも出るほどです。そんな世界の変換期に混じって現れたのが【星の一族】でした。」


アクセルさんは昔の文献を読み上げるように記憶を頼りに教えてくれました。

1200年前?世界の乱れ.....どこかで聞いた気がします。


「彼らは純人族に生まれ、たぐいまれない身体能力と特異な魔法を持って、この世界に住まう種を脅かす存在にまで成長していったのです。世界に名だたる魔王や魔皇も彼らの一族に挑む場合、最悪共倒れを想定しなければならならい程でした。」


それほどまでの存在ですか.....

でも、なぜ、恐れられたのか分かりません.....


「彼らの一族は強さを求める一族らしく、色々な所に戦いを仕掛けていったのです。そして、蹂躙し、暴虐し、奴隷にし、さらには実験材料にまでして、一つ一つ種を襲っていきました。そして、世界の準不滅存在と言われる精霊種さえも相手に取ったのです。」


それにしても、実験材料とか.....極悪非道な連中ですね。

しかし、こんどの相手は精霊ですし?返り討ちにあったんじゃないですか?

たかが数十年、数百年ぽっちで千年以上生きる存在には叶いませんよね?


アクセルさんはここからが大事、と言わんばかりの真剣な表情でした。


「結果は『想天花』『双月花』『原子マクスウェル』の三勢力に一族はひとり残らず消し去られましたが、決着がつく3年間の間に、精霊側は294種がこの世界から消え去る被害を受けたのです。」


「精霊を殺した?ですが、それは種が絶滅しない限り、精霊は復活できるのでは.....」


そうです、種が一人でもいる限り精霊が滅されることは......


「彼らは可能だったんですよ.....持ちうる魔法と眼の力で」


隣に置いてある杖を大事そうに抱えアクセルさんは言いました。

私が何かを言う前に、今まで黙って話を聞いていたシユウさんがポツリと囁きます。


「【星喰の魔眼(ギルガ・リビリウム)】......」


なんか、物騒な.....魔眼。きっと怪しく赤く光っているのでしょうか?


シユウさんの台詞を引き継いだようにアクセルさんが説明してくれました。


「その魔眼は願いを叶える力があるんですよ......それこそ星の理を喰らい、常識をねじ曲げるように」

「うむ、簡単に言えば、神のルールを好きに破れる力だ。精霊種を殺すのも容易だぞ」


そんな!?世界のバランスが崩れるほどの力を一族全てが持ってるなんて......


「なんて怖い.....」


私の発言に頷く二人。


最後にアクセルさんが忠告のように言いました。


「まぁ、魔眼の方は分かりやすく両目が金色だけど、一族しか持ってない星属性の魔法は使わなければバレないので、使わないようにということです」


「金色の眼.......」


「ん?どうしました?」


私は思い当たる節があるので、冷汗だらだらですよ!!

とりあえず話を変えましょう


「一応参考までに、その魔法で出来ることとはなんでしょうか?」


「ん、ああ、そうですね.....」


不思議そうに見つめられたましたけど、なんとか話をそらせました。

ふぅ、あぶない。


「星属性は、浄化と再生の一面と、天体狙撃系つまり、上からの狙撃系ですね」


使ってみたい!!でも、いえ少しならいいのではないのでしょうか?

ほら、まだ熟練度0ですもん。


「一回だけで『ダメです!』......」

「ダメですよ!絶対」


ミストレニア様とアクセルさんの二人に止められてしまいました。

じゃあ、私の欲求はどうすれば.....


ものすごくしょんぼりしている私を見かねたのか、アクセルさんが妥協案を出してくれました。


「......はぁ、まったく、原初魔法の【マナ・ボール】くらいなら魔力を練るだけで出来ますので......明日それを練習しましょうか?」


「よろこんで!!!」


攻撃魔法ですよね?そうですよね!!もう、こうなれば使えるものがあるだけでおっけーですよ!!

さっそく早く帰って睡眠をしっかり取らないといけませんね!!

私はシュタッと立ち上がり、帰るむねと明日の集合場所を伝えて一目散に駆け出しました。


「じゃあ、私はコレで!!」

「え?」

あっけに取られるアクセルさん。


「明日は朝ここのギルドでいいですね!じゃあ」

「うむ、気を付けるのだぞ......大丈夫だとおもうが」

シユウさんの脇を抜けていきました。


さぁ、待っていなさい!私のファンタジー!!





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