『星』属性
遅れて申し訳ありません。12月中は1週間にひとつになりそうです。
大体水曜から金曜の間にあげます。
えたらないよ!!
「わかりました。でも個人個人で使える魔法が限られるのは知っていますよね?」
「それは勿論です」
少し考えてみると......
ミストレニア様は水と光の適性と言っていましたし、物質精霊の皆さんも2つか、3つくらいの自然属性の適性を持っていました。
シュレイさんは聞いてませんけど、記憶世界での修行で、自然属性は使えないって言ってましたね。
オリジンさんは、全属性使える見たいですけど.....
まさに人それぞれですね。納得します。
アクセルさんは話ながら、私の目の前でラム肉を食べるメリーさんに、ワキワキと手を伸ばしてきました。
「攻撃、つまり危害を加える魔法を習得するってことは、その分責任が発生するものわかりますよね?」
ひょいっとかわしたメリーさんは私の頭の上に乗りました。重いです.....
少し残念そうなアクセルさんに返事を返しました。
「責任....勿論です!!」
どうやら、アクセルさんは攻撃魔法の危険性を言っているようですけど、残念ながら私はもう『実体験』してますので、風の魔法で首を飛ばされそうになったり、爆散させられたりと散々ですが!
それでも私の異世界での魔法憧れはとめられないんですよ!!生活魔法?あれは認めません。
というわけで......
理屈云々なんていいから、使ってみたいんです!!
そんな気持ちが全面に出ていたようで、アクセルさんはため息をついていました。
「では、実際に魔獣相手に試してみましょうか....」
「やったぁ!!」
両手を万歳する私を今まで黙ってみていたシユウさんが暖かい目を向けてきました。
悪い気はしません。
今の私の気分はどんなになじられても、笑って受け流せるほどの心の広さを有しましたよ!!
「想天花にそっくりだが性格は全然違うようだぞ」
「ふふん、私は私なのですよ」
胸を張り、椅子の上でふんぞり返りました。
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シユウさんとアクセルさんは夕飯がまだのようで、一緒に取ることになりました。
しかし、私は先に済ませていたので、基本的に待ちです。
「植物精霊なんですね.....」
「はい、半分だけ!」
「は、はんぶん.....」
元気よく答えた私に、アクセルさんは魔女帽がずるりと下がりました。
詳しくは聞かれませんでしたけど、気にならないのでしょうか?
それとも、食事時の話じゃないとか?
『Pi-pi-pi』
メリーさんが疲れたのか私にすり寄ってきて眠そうにしていました。
なので、私は労ってから『送還』しました。
「また明日お願いしますね?」
『Piii』
「送還!」
ボフンというコミカルな音とちょっとした煙が発生した場所には、象牙色のメダルになったメリーさんがあります。それを回収し、黒いワンピースの隠しポケットにいれました。
隠しポケットの作り方は、何故か器用なアサギリさん教えて貰いました。
アサギリさん、侮れない精霊です。
「.....って!ちょっと待ってください!」
私は、意識せずに自然にやった行動ですが、どうやらアクセルさんには不思議に見えたようです。
椅子から立ち、わざわざ私の前まで来たアクセルさんは、私の肩を揺らしてきました。
「あ、あ、貴女は、本当に何者なんですか!?召喚?メダル?つまり、ナチュリオレ大森林の聖獣じゃないですか!!それに、ハーフとか簡単にバラしますし、確かにいますよ、この世界には沢山!しかし、受け入れられる場所とそうでない場所もあるのに、貴女は能天気に答える異常です!さらに言えば、その霧!それ、かなり高位の精霊ですよね?精霊契約もしていますよね?もっといえばーーー。」
「あわわわわわわ、目が、目がああああ」
がくんがくんと揺すられ、行動不能の私を誰でも良いので助けてください!!
すると、思いが通じたのか、シユウさんがアクセルさんを槍の石突きで襟元を器用に持ち上げ、担いでいました。捲し立てていたアクセルさんは借りてきたネコのように大人しくなりました。少し顔が赤いように見えます。
「ちょっと、お、下ろしてください」
「少しは冷静になるのだぞ」
「う、でも.....本能は止められないです」
下ろされたアクセルさんは迫る勢いは衰えましたが、チラチラと私に鋭い視線を送ってきます。
ぞくりとします。
『......あの魔女、やはり、分解しましょうか?』
(やめてください!!ミストレニア様!!)
チカチカと発光しだすミストレニア様を止めに入りました。
アクセルさんの命は私が救いましたよ!!
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夕飯を食べ終わった私たちは、これで解散かと思われましたがまだやることがあるみたいです。
受け付けカウンターの前に三人で待っていました。
しばらくすると、アクセルさんとなにか話して、一回奥に下がった受付のお姉さんが戻ってきました。
「お待たせしました、アクセルさん」
ペコリと頭を下げる受付嬢さんに、アクセルさんも頭を下げました。
「いえ、こちらこそすいません、私が持ってれば良かったんですけど、フルエンクで無くしてしまいまして.....」
受付嬢さんから手渡されたのは、大きな水晶でした。
無色透明な水晶はソフトボールくらいの大きさでしょうか.....
それを貰い、さらに部屋の鍵を貰っていたのです。
「いま、使える場所はA-3しかありませんけど....狭いからって壊さないで下さいね?」
「うっっ、ここでも、それを引っ張りますか.....忘れてくださいよ」
からかうように笑う受付嬢さんにアクセルさんは顔を真っ赤にして俯いていました。
なんでしょうか、語り継がれる伝説?
首をかしげる私に、隣に立って手持ちぶさたのシユウさんが言いました。
「ふむ、昔な、冒険者ギルドで借りれる対魔法個室でS級魔法の練習をしようとした魔女族がいたんだぞ」
「......凄いことを考える魔女もいたんですね.....」
その光景が頭に浮かびそうになりましたが、突然の声に現実に戻されました。
「!?私じゃないですよ!!他人の空似です」
渡された鍵を持ってギルドに隣接する個室に早足に向かっていきました。
やれやれという仕草をするシユウさんは私に声を掛けて歩き出します。
でも、それって逆に考えると、S級より下なら魔法の練習が出来るということなんじゃないか?
そう思った私は、今から何をするのか悟りワクワクしてきました。
「わーーー」
「こら、走ると危ないぞ、魔女殿みたいに転けてしまうぞ」
「ぐうぇる」
シユウさんの横を走って通り抜けようとしたら、ワンピースの首元を捕まれてしまいました。
とりあえず、空中は私のリアル弱点なので、借りてきたネコのように大人しくなります。
「誰が!こけ!ますか!!」
遠くの扉の前から杖をブンブン振り回し怒っているようなアクセルさんが見えました。
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「いいですか、この水晶はギルドでスキルの修得手助けをするモノで、何が向いてるのか調べるものなのです」
カラオケルームみたいな薄暗く狭い部屋で、真剣に語りだすアクセルさんにこちらも息を飲んでしまいます。
雰囲気に飲まれているのかもしれません。
「しかし、私たち【魔女】が使えば違うこともできるのです!魔法威力増幅、魔力の保存、など様々です」
「すごいですね、水晶さん!!」
「.......なんか喉に引っ掛かりますけど、いいです」
うん?応用の幅が大きい水晶がすごいと言うことなのでは?
「それで、今からやるのは、これを媒体にして潜在能力.....将来の魔法の適正を見ます」
おおー!ついに来ましたね?来たんですね?
私の目が星のようにキラキラと輝いていますよきっと。
アクセルさんは私を見て頬を緩めました。
「普通は、将来の才能が分かると不安がるものなんですけど......いい性格してますよ」
「あれ、バカにしました?」
「いえ?まったく」
というわけで、アクセルさんが8層からなる多重魔方陣を水晶に込めていきました。
なんという神秘的な輝き!
これぞ魔法!!
準備が完了したようで手を翳すように言われました。
ドキドキしながら手を翳し、水晶がどう変化するのか期待しましたが.....
「......あれ?」
水晶の内部はもあもあした煙に覆われているようにしか見えず、不安になりアクセルさんを伺いました。
「アクセルさん、わたし.....」
アクセルさんは目を見開き固まっていて反応がありません。
どうやらよほど酷いようですね.....
だから、皆して私に魔法を教えなかったんですか.....
落ち込みだした私にアクセルさんの声がぼそりと聞こえました。
「うそ、今は失われし『星』属性ですって!?」
なんのことかさっぱりですが、シユウさんを見て異常に確信が持てました。
シユウさんは表情を険しくさせ、アクセルさんに言ったのです。
「1200年前に途絶えたハズだが、生き残りか?」
アクセルさんはブンブンと顔を横に振りました。
「いえ、それはありえません!『想天花』『双月花』『原子マクスウェル』によって一族は消されたはずです」
私には何が起こったのかおいてけぼりなんですけど......




