これ監禁じゃないの?ねえ?
「あれ?そういえばここってコンクレントじゃないのね.......その外側かな。」
シュレイはふと周りを見渡した。
どうやら、ここは小人族の集落みたいだ。
しかし、おかしいわね......私が最後にアンといたのはコンクレント城の城壁前だと思ったのだけれど、何が起きたのかしら?
シュレイはアンがコンクレント地下でやらかしたことを知らなかった。
「どうしました?シュレイさん。」
「いや、別にそんなかしこまらなくても、さっきみたいに気軽で良いわよ。」
シュレイに話しかけたのは赤い髪の悪魔だったが、今までの雰囲気がまるで違うので苦笑いしてしまった。
悪魔は困ったような顔をしたが、息をはくと同時に切り替えたようだ。
「では、そうさせてもらうけど、い、いきなり襲ってこないでしょうね!?」
「メイロード......それでも悪魔公爵なの?らしく振る舞いなさいよ、セバが泣くわよ。」
「な、なんで!?私の.......それに大祖父様の名前も......」
シュレイは詳しく答える気がないのか、手をヒラヒラと振った。
悪魔は説明もしてないのに、自分のことを知っている雰囲気を出され、戸惑うばかりだった。
「みんなして、歩いているけど.......どこに向かってるのよ?町外れじゃない。」
「まぁ、町外れではあるけど『リストリア』のメンバーがよく利用するのが......あの先に見える『クレーフの宿屋』よ!!」
シュレイは話し合いをするために彼らについてきたが、町からどんどん遠ざかり、行き着いたのが悪魔が指差すこじんまりとした3階建ての宿屋だった。
「......ねぇ。」
「ん?なにかしら?」
悪魔が首をかしげるが、シュレイの視線は看板の一ヶ所を見つめ、手を向ける。
「まるが足りなくないの?あれ。」
「ん?まる?んん?」
どうやら、異世界で聞いたことのある食べ物のことではなさそうだ。
シュレイはため息を付き、玄関をくぐった。
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ひんやりと気持ちいい感覚が全身を包み込んでいた。
なんでしょうか、このままゆらゆらしていたい......
クラゲになりたい.......
おっと、私はいったい何を言ってるのでしょうね?
困っちゃうな、もう。
段々と意識が覚醒してきた私は、深い眠りから目を覚ましました。
「ゴバ?」
「対象確認、異常状態検出.......クリア。身体組織ーーー」
私の目の前でじっとこっちを凝視する緑髪の女性はいったい何を.....
私がなにかおかしいのかな?そう思ったので身体を見渡すと、ゴボゴボという音が耳に伝わった。
......
「ゴバババ、ば!!」
「?言語不明、正しい発音を心がけてください。ーーー」
いやいや、発音とか言ってる場合じゃないでしょ?
私、なんでカプセルの中でまっぱなのよ!
てか、息!!ここ液体オンリーじゃん。息できな......くないわね。
いや、うんわかるよ、いわゆる研究機関で実験動物みたいな?
そんな、映画見たことあるもん。私はないけど!記憶にあるの!!
とりあえず、出してよ、おもろいことないわ!私の頭に花が咲いてるだけよ!!
縦に伸びる筒状の培養カプセルをガンガンとぶっ叩いていると、目の前の女性が話しかけてきた。
「接触開始......今の状況を説明いたしますので、聞いていてください。あと、あまりうるさいと毒を流し込みますよ。」
女性はニッコリ笑っていたがどう見ても、頭に怒りマークがついていましたね。
ちょっと、いや、かなり怖いんですけど、しかも毒って.......私、死ぬの?
壁ドン.....いや、カプドンしただけで死ぬの?
戦慄する私に、女性は色々と説明してくれました。
どうやら、私が悪魔さんの尻尾に胸を貫かれてから3日が経っており、あのときの試験の結果はとりあえずは合格で、合格の印のカード拡張セットを貰ってあるそうです。
それを私が持つ無色透明のカードに取り込むと専用の色がついて、ネットワークにも接続ができるようになるそうです。
あとで試しましょう。
あの試験のとき、私と交代で出てきたシュレイさんは魔精と勘違いされて戦闘になった結果、ギルドをぶっ壊してしまったらしいですね。
で、今現在、『フルエンクがいい加減邪魔くさい』同盟を立ち上げて有志を募り、近日攻め込む予定みたいです。
ふーんと聞いていましたけど、あれ、それってシュレイさん参加する気満々じゃないですか.......つまり、私も参加決定じゃないですか
.....お、Oh。
培養槽の中で頭を抱えたポーズを取っていても、女性は触れずに説明を続けました。
いまいる、参加メンバー。戦闘力・連携強さなど、教えてもらいました。
「最後になりますが、自己紹介をさせていただきます。私は【セント・エルシュ】といいます。主様の領域魔法の管理者になりますので以後お見知りおきを。」
ロングスカートを軽く持ち、頭を下げてお辞儀をする女性に、こちらこそ、と言おうとしましたが......
「もががが。」
くっめっちゃ恥ずかしい。顔が赤くなるのがわかりますよ。
そして、女性がこっちを見る目、なんていうのか、そう!!時々私がヘマしたときに見せる生暖かい目にそっくりだった。
もう、しゃべらないわ!!
ということで、身ぶり手振りで、エルシュさんに「ここから、出して!今すぐ!!」というジェスチャーをしたところ。
エルシュさんには、
「え?ここから......」
そうそう!
「飛び出て?」
う、うーんまぁ、あってる。
「キヨスク?」
いや、言ってないよ!?
だいたい、私の中にキヨスクないから!それ駅にしかないから!
そもそもキヨスクってなんで思ったんですか!エルシュさん。
「やはり、唇を読み取るのは難しいみたいですね。」
ほほう、唇でしたか......私が動いていた意味は!
ねぇ意味は!!
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「ふふふ、残念ですけど、まだ、治療と解析しないといけないのでそのままでいてくださいね?」
「ごばごご。」
「主が庭園内に来たみたいですので迎えに行って参ります。」
そんな凸凹のやり取りを10分くらいしていると、エルシュさんは上を向いてその場からバシュッと転移してしまった。
しばらくして、シュレイさんがエルシュさんを伴って私の前に立ちました。
「異常はなかったのよね?胸を貫かれたことで魔核が傷ついたりしてなかった?」
「ええ、確認済みです。魔核事態が小柄で助かりましたね。」
「そう、よかったわ。」
シュレイさんは培養槽の中でマッパな私の身体をじーと隅々まで観察してきます、抵抗すると時間が掛かりそうなので、羞恥心は押さえ込みます。
あれ、もしかして、私胸貫かれたとき結構ヤバかったってこと?いや、きっとシュレイさんが過保護なだけでしょ?
そう思うことにしました。
身体を一通り確認された後、
シュレイさんはホッとした顔をしていました。
そうか、3日も眠っていれば心配を掛けちゃうのも当然か.....申し訳ないかな。
シュレイさんは後ろを振り返り、エルシュさんに相談しているようだ。
「庭園内くらいは平気かな?」
「問題ありません。私の監視下ですので。」
「庭園内で死にそうにはならないわよね?」
ジト目で見ないでください。
心当たりがありサッと首を振る。
「......エルシュ。」
「ええ、ピッタリついていますのでお任せください。」
な、んだと?わたしのリフレッシュタイムはいずこえ......
そして、『監視』って私をですよね?
どうやら、致命傷を受けたことで私の行動制限が厳しくなった気がするけど気のせいじゃないよね?
シュレイさんを上目使いで見つめ、なんとか譲歩しようとしますが、無理でした。
「そういう仕草は誰に教わってるのよ?あざといわ......」
シラっとした目で見られ顔を背けられましたけど、シュレイさんの顔が少し赤くなってるのは気のせいじゃないと思います。
最後に培養槽に入っている私にシュレイさんがこちらを振り向かずに言いました。
「明日は出してあげるから、今は身体を休めなさい。」
そういわれると、待つしか無いわけで、この中ではやることがないのですぐに眠りました。




