想天花(黒/白)
「ほら、しっかり魔力を練る!休まない!」
「もう3時間ぶっ続けですよ!?MP赤なんですけど!」
前世といわれていた想天花のシュレイさんに話しかけてから......
あれからもう三日経ちました。
「大丈夫、無くなったら注入してあげるから。」
「なんで、手をワキワキしているんですか?変態ですか!」
大きな木の下で黒革のソファーに寝転がるシュレイさんを睨み付ける。
魔力を纏うのも最初の内は1時間も持ちませんでしたが今は余裕があります。
「といいますか、なんで『だが、断る!』とかいって見せないんですか!?」
そういう私にシュレイさんは鼻で笑う......イラッとしました。
「言ったじゃない?封印されているから見せられないって......ばかなの?」
「っ、この。」
「ほら!集中乱さないで!いつまでたっても見れないし出れないわよ~。」
つまりはそういうことだ。
セレナイトさんのスキルで魂に刻まれた過去の記憶を見ていたはずが、封印のせいで見ることが出来ないらしく。
肝心な場面を見ることができないのだ。
それ見ないと出れませんし......
見るには封印を解かないと......
というわけで、封印を解くために私が特訓しているわけです。
「シュレイさんが封印したなら、自分で解いてくださいよ。」
「ばか、今の私は当時ほど力なんてないのよ。アンの10倍は強いけどね。」
「......そんなこといって、あれじゃないですか?自分で決めたパスワード忘れたみたいな。」
「......うぇ?」
「ちょ!殴らせて、忘れたんでしょ!そうでしょ!?」
ソファーでギクッと跳ねたシュレイさんに飛びかかった。
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お互い揉み合いになり、服と髪が乱れたままゼーゼーと息をしつつ、もう一度確認する。
「はぁはぁ........ふぅ。とりあえず私はシュレイさんの生まれ変わりってことですか?」
「はぁ、はぁ、」
首を縦に降るシュレイさん。
「厳密には、星とシュレイさんの魂をひとつにし、神様の手によって星とシュレイさんを分けられて、星の記憶を持ったシュレイさんの魂ということですね。」
星って言ってますけど、名前思い出せませんし......そういうことにしておきましょう。
まぁ、そうなった原因が封印された記憶にあるみたいですけど......
シュレイさんはソファーに倒れ込み返事をする。
体力ないなシュレイさん......
「そう、それで私の記憶がアンに全然ないのはスキルの代償ね。」
寝転がるシュレイさんに触手兼髪で扇の形を作り仰いで上げました。
「スキルの代償?」
ふう......と息を吐き気持ち良さそうにするシュレイさん。
「今使えるのは【想天花(赤色)】だけでしょ?」
「緋色ですけど......」
「薄まってるのね......それは後でどうとでもなるわ。」
薄いって......
シュレイさんは気にしないでといった風に手を振っていた。
「それで、【想天花(赤色)】『具現』の代償は『記憶』の消失。」
「え?記憶の.......」
忘れていく、つまり、私を形作るものが失われていくって......
そう思い青ざめる私をスルーして6つすべてを教えてくれました。
【想天花(赤色)】『具現』......今の世界には無いものを作り出せる。代償は『記憶』消失
【想天花(青色)】『合成』......あるもの2つを合成し別のものを作る。代償は『消失』自分のスキルまたは説明文がランダムで消失する。
【想天花(緑色)】『絶対盾』......花の盾を召喚する。最大花びら6枚まで。代償は『攻撃力低下』使った時間に比例。
【想天花(黄色)】『残光』......日光または月光が当たるところに転移可能。代償は『停滞』1秒~15分間の間。
【想天花(白色)】『模写』......混じりっ気がない属性魔法をコピーする。ストックは1つ。代償は『魔核減少』使う毎に絶対値が1減る。
【想天花(黒色)】『吸収』......触れた魔法を自身のMPまた魔核エネルギーに変換する。代償は『魔核減少』使う毎に絶対値が1減る。
複合【想天花(黒/白)】『境界生成』......2色により特異な力を及ぼす。様々な事象に疑似的に境界を作る。
これどんなチートですか?シュレイさん自重してください。
でも、相当代償デカイですね。
「大丈夫よ!黒と白で消える記憶と消せない記憶で境界を作れば。」
シュレイさんは優しく笑い近くに棒立ちになっていた私の手を引きソファーに倒し込みました。
シュレイさんに包まれると安心感を感じてしまいます。
「そうですか......複合って他にもあるんですか?」
そういって私を抱えるシュレイさんに首を向けます。
「あるけど?」
それが?という顔をするシュレイさん。
「いえ、封印を解くにはどうすればいいのかと。」
今更ながら思い至ったことを質問した。
だってしょうがないじゃないですか、雰囲気に流されていつのまにか特訓してましたし。
シュレイさんはにっこり微笑むだけで方法を教えてくれませんでした。
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「さて、休憩終了よ!」
「え~やる気が起きません。方法教えてくれないし、ごまかすし、ワケわかんない特訓させるし。」
立ち上がらされ文句を言います。
「うん、それもそうか!じゃあ私に何かで勝てたなら教えてあげるわ。」
「本当ですか!?」
「あ、あれ?そこは『勝てるわけないじゃないですか!』っていうところじゃ......」
私の反応が予想と違ったのか不思議な顔をするシュレイさん。
ふっふっふ、私はこの三日間で気づいてしまったのです。
これは勝ちゲーですね。
「くっくっくっ、シュレイさん......いえ魔皇!私の勝ちは決まっています。」
「なんですって!?この数千年生きた私から何が勝てると言うの!?」
のけ反って驚いてくれるシュレイさん。
私は胸を張り答えます。
「シュレイさんの身長と私の身長の差は約10cm......しかし、私の胸囲はシュ「【ライジング・トライデント】!!」」
私の目の前数cmの所に電気で出来た槍が刺さっていました。
冷汗が出る私。
ニッコリ微笑む少し身長が大きいそっくりな私。
「魔法戦ね。嬉しいわね。そうよね。魔力コントロールの特訓の成果を試せるものね。」
「いえ、私は「嬉しいでしょう?」......はい、う、うれしいです。」
ものすごいプレッシャーを放ち、NOとは言わせないシュレイさん。
私はここを生きて出れるのでしょうか......
「ちょ、待ってください!私自然魔法の適正が!」
「【サンダー・レイン】!大丈夫私も『自然魔法』の適正はないから。」
「びびび、びりびりしてえええ、これは!?」
「私の固有魔法♪ー天より来たれ、雲を貫き大地を焦がせー」
「うそだ!!え、詠唱!?上位魔法!!」
「【ライジング・ノヴァ】」
すべてを染める雷電の柱。
大地を大きく揺らす。
煙が晴れた落雷の落ちた場所は真っ黒な地面に変わり果て、半径30mの円に深さが10mで大きさく抉れており、地面にいまだにバチバチと帯電しているような黄色い閃光がそこら中に見えていた。
えぐれた地面のすぐしたからひょっこり顔を出すアン。
「しんじゃうわああああ。」
「大丈夫、生きてたじゃない」
アンの叫びを軽く流すシュレイ。
そうして一日が明けていった。




