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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
2章ー発芽1日目ー
22/105

大人になってから。

ORZ......矛盾してr

魔法の適性を見て貰ったあと、ミストレニア様に契約の対価として捧げた庭園の手伝いをしていました。

土は良質らしく、これなら早く成長するとのことです。

何故でしょう。

誉められると自分の事のように嬉しくなります。


ミストレニア様が選んだ場所は五重塔の周辺で、ミストレニア様は自分の領域魔法から巨大な岩石を取りだし、ある一定の大きさに切っていきました。

岩石を斬るなんてさすがファンタジーですね。

はじめは刀でアニメみたいにスパスパ斬って、「つまらんものを......」みたいな感じだと思ったら、全く違いました。

切り方が、豆腐を型で切る感じに、霧で形作った形枠を岩石の上からスススッと下まで通すだけで、全く同じ大きさに切り分かれていたのです。

どうやって、切ったのか聞くと光属性魔法を使ったらしく、霧分子を光魔法分子に変異させて超高速振動で切ったと言っていました。

す、すごっ!これが魔法......ちなみに中級レベルだそうで私には絶対に出来ないですね。


それで私は、切られたブロックでミストレニア様の指示のもと道を作っていったのです。

重労働ですが、南側エリアとこの五重塔がある庭園以外では土しかなく、道は円環水路沿いに舗装されているだけなので、これからのためには必要な事でしょう。

それに段々と、道と庭園が形になってくると嬉しいですしね。

私は髪兼触手を使い、たくさん運び並べていきました。


3時間くらいしてある程度基礎が出来てきたら、今度は今まで野ざらしなっていた土をかき混ぜました。

ここはさっきみたいに魔法でささっと......と思いましたが、ミストレニア様は水と光の2つの適性しかないらしく人力で頑張りました。

道具は、2階に揃っていたのでそれを使い、全体をやったので2時間くらい掛かりました。

二人して作業したのですけど、ミストレニア様は全然疲れた様子を見せませんでした。

く、体力の差が半端ない。


「ふふふ、もう今日はおしまいにしましょうか。」


「う、まだ行けますよ。」


「じゃあ、気分を変えて魔法を実際に使ってみましょうか。」


「......なにするんですか?」


首を傾げましたが、試し撃ちですよ。というミストレニア様に渋々従いました。

この世界の魔法は呪文は補助みたいなものだそうで、基本は発動のキーワードを言うだけでいいそうです。

「サンダー」とかで良いみたいですね。また、呪文は頭の中に勝手に浮かぶそうで、それを唱えることで1.1倍の威力だそうです。

微妙......

あと、ミストレニア様と契約したことで使えるようになった魔法とスキルも練習しましょうと言われました。


そして、ミストレニア様監修のもと始まった魔法実習!


「【エリアル・ライン】!!」


フワッーーー。


「「......」」


「【アース・クエイク】!」


ポコッーーー。


「「......」」


「......ふ、【ファイヤー・ボール】」


ポンッーーープシュンーーー。


「「......」」


「【ウォーター・シュート】おぉぉぉぉ!!!」


チョローーー。


「えっと、そのー。」

「ぐすん。」


「う、うぐ、ふぇ、【ライト】」


ピカッーーー。


「アン、私は、その、アンらしくっていいと思いますよ?その泣かないでください。」

「役たたずで?いいです。自然魔法には期待してませんもん。」


まぁ、散々だったわけです。


ミストレニア様の魔法を使ってみることになったんですけど、

この原理は、【黄金の輝き】と同じで、ミストレニア様に依存していると見て間違いなさそうです。

ミストレニア様かミストレニアの花のどちらかがないと使えないということですね。


いまは、花は植えていませんがミストレニア様がいるので問題ないでしょう。


始めに手本として見せてもらいました。

なるほどそういう風にやればいいんですね。

では、実際にやってみます。

まぁ、自然魔法の惨状から期待はしてませんでしたが。


「【霧衣(ミスト・クロス)】発動。」


そう言った私の黒い服の周りに真っ白な霧がまとわりついてきました。

動く私に合わせて分散しつつ、密度が変わらないように再構築されていく様に、いい知れない感動を覚えました。


「見てください!発動しましたよ!!どうです?どうですか?」


「ほっ......ええ、ええちゃんと発動していますし、濃度も申し分ありませんよ。」


しっかり発動出来たことに舞い上がり、ミストレニア様の周りをくるくると廻ってはしゃいでしまいました。

ミストレニア様は、ほっとした顔をして優しく微笑んでくれました。


そのまま【光子減衰(フォトン・アブソーバ)】も上手く発動しました。

この見た目は、【霧衣】と変わりませんでした。


ミストレニア様いわく、私では効果のほどは試せないので、外の相手にお願いしてください。と言われました。


スキルの方も問題なく発動可能でした。

確認したところ、【霞喰らい】は私の【嘆きの慟哭】の対象を取ったバージョンて感じでした。

違うことは、生命力を持ったものは分解できないということでしょう。

対象を粒子分散させて、霧として吸収する能力みたいで、今の私では、野球ボールくらいの大きさの石の分解しかできませんでした。

しかも、分解するのに5分ほど掛かるみたいです。ミストレニア様みたいに瞬時に分解は出来ないようで、オリジナルと同じ威力は発揮できないことがわかりました。これは他の魔法やスキルでも同じでしょうね。

もうひとつの【霧の拡散】は文字通り、自らの周りから霧を噴出して煙幕とする能力みたいです。

霧の中を平然と歩けるミストレニア様が使うと、ものすごいアドバンテージですが、私は視界が防がれた状態で悠々と行動できません。

つまり、緊急時の目眩まし程度に考えておきましょう。


このことから、私自身の自然魔法適性は0でそれ以外の固有魔法なら扱うことができる、というわけでしょう。

しかし、固有魔法なんて普通は会得できません。

ということは、たくさんの植物精霊様と契約を交わしていけば使える魔法も増えていくというわけですね。

やる気が出てきました。


無色透明なカードを弄りそう思いました。

始めはカードがこの独立空間では使用できないと注意書がありましたが......

魔法適性を見て貰うときに、長い時を生きるミストレニア様に、裏技を教えてもらい使うことが出来るようになったのです。

時間が外界と違う私の魔法内でカードを使う場合、魔法所持者の生体情報が詰まった何かを粒子化してカードに取り込ませればいい。

そういいました。血とか、髪の毛一本でいいみたいです。

試しにさっそく【霞喰らい】で抜けた髪の一部を粒子化して取り込ませました。すると、今まで何も反応を返してこなかったカードが起動したのです。これで、自分のスキルの再設定が出来ます。

また、神様の便利ツールで早速自分をチェックしてみます。


(アン)

コア :20000/20000 +(1200)

MP : 400/400 +(120)

魔法 :【小さな庭園(リトル・ガーデン)

発動スキル:『【精神安定】【黄金の輝き】【重ね掛け】』

固有スキル:【絶叫】【花粉】【想天花(緋色)】

new→保有スキル:【霞喰らい】【霧の拡散】

備考 :【重ね掛け】を『魔法回復力』×3と『身体(器用)』×2に対して発動しています。



となっていた。

おお、コアっていうのが魔核ですか。これは多いのか少ないのか......でも、少なくともこれで目安が立てられます。

ん?【霧衣】と【光子減衰】が乗っていませんが......もしかして、魔法は主魔法しか表示しないんですか?

いや、でもそうですよね。

だって、たくさん使える人はカードの表示が物凄くなりそうですから、納得です。

そして、保有スキルってのは発動を宣言しないと使えません。

これは先程の適性検査のときに教えてもらいました。

ふんふん、そういってカードを弄り倒しました。

暇な時間これくらいだしね。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


そして夜になり、

五重塔一階の部屋にて私は暗くなった外の風景を眺めていました。


「はじめてここで夜を過ごしますけど......ここは静かでおだやかですね。」


「どうしたのですか?黄昏ちゃって。」


「いえ、あ、そういえば......」


「いえば?」


後ろから覆い被さってきたミストレニア様に聞けなかったことを聞こうと思いました。


「【花粉】スキルってなんですか?」


「......え?」


動きを止めて硬直するミストレニア様。

その様子を見て、慌てて言います。


「いえ、何かはわかりますよ。ただ、どうやって使うのかなって(戦闘で)」


「うぇ?あっと、ううん!うん、ゴホンゴホン!」


抱きついて動きを止めるミストレニア様に視線を向けると、ミストレニア様は顔をみるみる紅葉させ、わざとらしい咳払いをしました。


「そ、そういうのは、アンにはまだ早すぎますよ。大人になってからでいいのです。」


「?いえ、花粉がどういうものかは理解してますけど、何時使うのかなって(戦闘中で)」


「何時!?」


すると、ミストレニア様は抱き締めていた私を引き離し、私を正面に捉え肩を両手でホールドし、

真剣な顔で言いました。

ちょ、なんか勘違いしていそうなんですけど?あれ?


「アン......確かに種をその、あれして残そうと言うのはわかりますけど、まだ生まれたばかりですよ?おませさんになることはーーー。」


そういって始まる、ミストレニア様の長い話を聞いていて、私の発言が植物としてスゴく、あれだったと察してしまった。

でも何故かあまり恥ずかしくないですね。やっぱり元人間だったからかな?羞恥のポイントじゃありませんでした。

そしてまた、何気なくミストレニア様のぼかしたニュアンスの言葉をありのままで言ってしまいました。Oh......


「いえ、それは私もわかりますよ?めしべにおしべで、花「やめなさい!」」


ものすごい気迫でしゃべるのを中断されてビクっとなった私に、咎めるような視線を送りました。


「はしたないですよ。いいですか?そういうのは話題に出さないこと。」


コクコクとうなずく私。

だって怖すぎます。


「で、でもスキルとしてあるからつ、使い方くらいは......弾幕にもなりそうですし。」

そういう私は、植物の花粉はチャフやデコイになるんじゃないかと考えていましたが......


「弾幕......ですって?そんなに節操なしでしたかアン......」


「っ、い、いたぃ......ご、ごめんなさい。」

思いっきり肩を掴んできて、冷たい目を向けるミストレニア様に謝ることしかできませんでした。

別にその、そういう意味で言ったんじゃないですよ!?

そんなことは言える空気じゃありませんでした。

どうする私......


そして、外が薄明かるくなるまで、植物の保健体育と倫理面についての説教を受けて、気を失いました。

意識が遠ざかるときこれで解放されると思いホッとしたのもつかの間で、ミストレニア様は言いました。


「続きは戻ってきてからします。」


なん、だと?


完全に意識を失いました。












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