植物精霊ネット
植物精霊ネット。
それは、植物精霊のみが入ることが出る情報交換と憩いの場である。基本的にはカードを使い、ホログラムキーボードを打ち込み会話をするモノだが、魔力を流すことで、文字を打たずに画面だけ見つめて、思ったことを自動で文字化することも出来る。それは好みだ。
ユーレリーゼにおいてこのカードでできるネットの有用性は高く、大陸を越えた相手との会話を楽しむことが出来る。
また、カードを持つものは種族によって決まったネットに繋ぐことになっている。それ以外には繋ぐことが出来ない。
それは世界で決まっている。
しかし、ハーフだったり、勇者や魔王はその限りではない。
例えば、ある魔族の夢魔型に召喚された勇者の場合、次の通りになる。
当然召喚主は魔族ネットのみだが、
勇者は、
魔族ネット
勇者ネット
異世界人ネット
純人ネット
神格ネット
の5つという破格の数だ。
魔族ネットは召喚主が魔族のため。
勇者や異世界人、純人は言わずもがな。
神格ネットというのは、神様から圧倒的なチートをもらった者にのみ開かれる。
内容は、神に質問が出来、リアルタイムで返答がくる。神殿の巫女真っ青な掲示板のことだ。
また、現代社会同様、神格ネット以外は注意して使わなければならい。
現在地の特定や、弱点なんかバレたら日本と違い、いたぶられたり、奴隷に落とされたり、殺されたりと簡単に起こってしまえるのだ。異世界でのネットには現実世界とは違った怖さが存在するだろう。
さらには、沢山のネットに繋げるものはそれだけで価値が高い、まぁ、話してる内容が真実かどうかは分からないため、真実を探すのに一苦労だろうが。
さて、植物間ネットワークとは違い、植物精霊のみが入れる植物精霊ネットにて、あるスレットが大盛り上がりを見せていた。当然相手は、膨大な数を誇る植物精霊達だ。
なんたって、自らの領域から出ないから外の情報に飢えているのだ。
【No.343323345.】
件名《シュレイにそっくりな子と契約しましたが、早速の放置プレイです。》
XX:『シュレイってまさかアイツか!?』
XX:『ああ、空飛ぶ島で俺の庭に突っ込んできた......アイツだ。』
XX:『おい、1000年前のこと根に持ってんじゃねーよ!』
XX:『でもでも、本人とは言っていませんよ?』
XX:『転生してきたのかしら?』
XX:『世界樹様達ならなんかしってんじゃねーの?』
中略
XX:『あ、そういえばシュレイが世界の管理者に会っていませんでしたっけ?その方に本人か聞いたらいいのでは?』
XX:『リーゼ?』
XX:『リーゼさんつけろよ、300年間胸囲測ってるお花様』
XX:『ぶっkろ。そこ動くn、領域こじあけたあげr』
XX:『ねー、ねー、もしや、北大陸?私も加勢しに行ったあげる。』
XX:『......正直、これってマジモンなの?』
XX:『バッカだな、嘘だとしても懐かしい名前で話題に尽きない人物じゃないか!当然乗るだろ?』
XX:『マジで言うと、リーゼさんじゃなくて、ユーレさんじゃね?』
中略
主:『......みなさんお暇なんですね。クスクス』
XX:『ミストレニアああああ、ケンカ売ってんのぉぉぉ?買うわよ!』
XX:『落ち着け、アサギリ、てかはよ詳しく。』
XX:『アサギリ......うるさいの。』
主:『私が契約したのはこの方です。後ろで抱きついているのが私で、抱きつかれて困っているのが「私の」アンです。』
XX:『そっくりや!!』
XX:『ちょっそれ何処にいた?』
XX:『あぁーん、あのとき私選んでほしかったのにー』
XX:『ちょっと「私の」って強調しているくせに......ミストレニア放置されているのでしょう?ざまぁ』
XX:『くわっ!アサギリの姉さん、ぶれないね。でも、ホントに似てる。』
XX:『ナチュリオレは近くにいたのか?』
XX:『いたよー。マンドラゴラのギルフォード・アークウェイと一緒だった。』
XX:『ばか、なんでコンタクトしないんだ!!』
XX:『いや、ボクもいたけど、あのときフルエンクの勇者と「赤いバカ」が森をあらしまくってね。植生乱れて追跡なんて出来なかったよ。』
XX:『ナラの植生で荒れた、てことは「魔性の森」か』
XX:『また、来たのか......ここ300年は平和だったじゃないか!』
XX:『なんでや!なんで、受付嬢で満足しとかないんや!』
主:『ちょっと聞いてます?私のはなし』
中略。ミストレニアによる契約の全貌とアンの魔法領域の異質さで盛り上がっていた。
XX:『ミストレニアさん今何処にいるんですか?』
XX:『ヒマリでも、見つからないんですか?』
主:『今、【小さな庭園】でいじけてます。アンが話しかけてきますが少し意地悪します。』
XX:『普通の魔法領域なら私の領域魔法【天体衛星】で見つけられるんですけど......』
XX:『ヒマリ見つかんないの!?それって異次元領域でも観測できるはずじゃ......』
主:『ふふん。すごいでしょう!因みに私の領域の八倍の広さを誇っています。』
XX:『ミストレニアちゃん......ルシャも住みたいのです!座標送れデス。』
XX:『盛り上がってるところ悪いけど、こうして会話してると言うことは、もう見捨てられ......ちょっ誰!私の庭園にヒビいれたのは!これだから全く......』
XX:『......』
XX:『......』
XX:『行った?』
主:『ルナリアさん......仲良くしてください。』
XX:『ごめんね?アサギリの高笑いが勘にさわるのよ。で、こんなとこで引きこもりの相手してないで、話聞いてあげなさいな。』
XX:『いま、さりげなく俺らのことバカにしてね?』
XX:『ばか、バカにされたのはエンドウだろ?』
XX:『!なんでさ、みんなだよね、みんなのことだよね?』
主:『ルナリアさん見てたんですか?』
XX:『ん~、私が観たのは、その子が魔皇レーゼンに連れていかれるところまでかな。』
XX:『スルーするの?ねー』
XX:『しつこいの、エンドウ。』
XX:『オマエの領域、ルシャでイッパイにするぞー?』
主:『善処してみます。でも、初めての相手なのに異界の神様ばかりと話しているんですもの。私がその場にいるのに、受け答えが出来ない手紙ばかりに構っていて。』
XX:『あらら、もっと私に構えーってことかしらね。』
XX:『おま、少しくらい許してやれよ。浮気した訳じゃねーだろ?それにその庭園の広さじゃ、まだまだ、たくさん増えるだろうが、俺たちがさ。』
XX:『ああ。その通りだ。』
XX:『俺たちがその子を。』
XX:『てとりなにとり。』
XX:『指導してや......ちょ、間に変な願望挟まないでくれるかな!?やべ、誰か北!おまいらあとでおぼえてろよ!』
XX:『ああ、生きていたらな。』
XX:『来世で会おう。ただしエンドウテメーはダメだ!』
XX:『なんでさ!?』
中略。
ミストレニアが霧を解き、アンが申し訳なさそうに謝ってくれたので、思いっきり抱き締めてあげた。
そのあと、アンから青い手紙を渡され、
「差出人が分からなくてドキドキするので読んでもらえますか?」
そう言われ、今度は放置されずにすむ嬉しさで、手紙を取り出したらーーー。
主:『どうしよう?』
XX:『また来たのか?解決したかと思ったのに。』
主:『手紙を読む役に任命されたんだけど、手紙の内容にイラッときて「霞喰らい」で分解してしまったわ。』
XX;『なにしてんの!?』
XX:『確信犯こいつです!』
XX:『ミストレニアついにやらかしたのね!ざまあああ、ほっほっほっ』
XX:『北』
XX『アサギリの姉さん来ちゃった。』
主:『でも、後悔はしていません。寧ろ達成感と多幸感で一杯です。アンのあわてふためく姿と膝から泣き崩れる姿になんか目覚めそうです。ちゃんと頭も撫でてフォローしておきました。』
XX:『その時のアンちゃんの映像を売ってくれ!』
XX:『ああ、是非頼む。』
XX:『一番良いのを頼む。』
XX:『そうですか、あの子映像流失の恐れがありますね。私ルナリアが、映像が流失する前に植精の恥さらしを駆逐しに行って上げましょうか。さてと。』
XX:『......ちょっ格がちがうんだけど!?』
XX:『頼む、3人集まるから5分くれ!』
XX:『逃げも隠れもしない!なぜなら俺はろりkぐはっ!「あらら、もうついちゃいましたけど。」』
XX:『ミストレニア、バカどもは放っておいて、どうなったのか教えなさい、私のアンのことを。』
XX:『アサギリ、うざいの』
XX:『ルシャが先だかんね。』
主:『一番は私ですふふん!』
主:『ええ、このあと、スキルの使い方とか、植物としての戦いかたとか、魔法の使い方とか教える約束をしました。』
XX:『ミストレニアあなた......普通の自然魔法使えないのに教える、の?......ぶはっ!』
XX:『アサギリ......でも、一理あるの。』
XX:『ルシャ教えるの苦手だから無理だね。』
XX:『わたしなら、自然系全部出来るぞー』
主:『帰れ、ナチュリオ!私は行く!』
XX:『あの、だからその子の座標は何処なんです!?』
XX:『あって聞きなよ......ヒマリ。』
そんな感じのやり取りが、ネットを伝い常に行われていた。
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ミストレニアは、袖口にクリアパープルのカードをしまい、アンと向かい合った。
今の場所は、大樹を挟んだ南エリアだ。ここでは舗装された道があるだけでいまだに野ざらしだったが、模擬戦には都合が良かった。
「それでははじめましょうか」
「お願いします!」
元気な声が庭園内に木霊した。




