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魔法想花の小さな庭園  作者: 流水一
新章ー大陸を歩くー『勇者捜索』
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「......わざと、言ってるの?」

今日の朝から動けなくなる前まで、魂の半身を受け持っていたルシャがいなくなり、身動きが取れなくなっていた私ですが、あの後、わりかし早く動けるようになったんですけど、ルシャの姿が見えませんでしたね。体が動けるようになったことで当然ルシャも一緒にいて普通に私の周りを光の玉と化して飛び回っているものばかり、と思っていたのですが、今思えばルシャにしてはアサギリさんに対して大人しかったですね。まぁ、そんなことあり得ないわけで結局は、私の側にはルシャがいなかったと言うわけです。


でも、それならば可笑しいことが出てきます。

何故私は平然と行動できたのでしょうか......

自慢ではありませんが、私は【半精霊】ですので、片側を受け持ってくれる力がないと行動も起こせません。

昨日の段階でルシャが私から離れたことによる、手足の痺れ、立ち上がることも出来ない不自由な状態になってしまいます。

......身に染みました。

なのにルシャがいない状態で行動できた不自然さ。

しかも、ルシャは、少年の父親に検討をつけ、探す旅に出掛けたので、すぐには戻ってこない筈です。

となれば、私の半身を支えてくれたのは一体......


ぺちぺちと頬を叩かれる感触。


「......んあ?」

くすぐったい感触に意識が覚醒してきました。

ぼやけ(まなこ)でじっと見つめると、カーテンが引かれた天涯付きのベッド。

私の顔元に伸ばされた滑らかな手。

手の先そこには、紫の髪を持つ女性が私を覗き込んでいました。

綺麗な紫の瞳。

にっこり微笑む童顔。

前髪を留める白い宝石がついた装飾品。


絡み合う視線は、厭らしさがなく清らかな心にさせてくれます。


「お目覚め? お転婆王女」


ちんまりした口からはくすぐるような優しい声。

しかし、寝ぼけた私は頭が働きません

王女だとか?ここはどこだとか?色々と抜け落ちています。

朝だし!寝起き弱いしね!!


「ん~......ミストレニ、様?」


身体を起こし、目元を手で擦りあくびをして意識の覚醒を待ちました。

クスクスと笑う声。


「違いますよ? 朝弱いのですね......ほら良く見てください」

「ふぶっうぇら!?」


顔を捕まれ、強制的に向きを変えさせられました。

首がっ!?痛っ!!

手加減、ちょ、この人加減しました!?


しかも変な声でましたよ!!


痛みをもって一瞬で覚醒した私は、涙目になりつつも挨拶を交わします。

口許がひきつっていましたけど.....


「お、オハヨウゴザイマス......アメジスト、さん」


「ええ、おはようございます王女」


表情をひきつらせる私とは違い、爽やかに挨拶を返すアメジストさん。

とりあえず、顔を挟んだまま持ち上げようとするのは止めてください.....

アメジストさんは、シュレイさんに支える物質精霊の一人です。

魔皇城では、警備のリーダーだった御方です。

仲間に優しいって浸透してますが、一つだけ沸点が低いものがあって......

アメジストさんは、にっこりと笑っていますが、段々と顔を締め付けてくるような.....

危機を感じる前に、ここは、


「ご、ごめんみぇさい.....もう間違えません」


「なんのことでしょうか?」


にっこり微笑むアメジストさんは手を離し顔を解放してくれました。

私は顔を擦りつつ、乾いた笑いをこぼすのみです。


「それでは王女、王座まで来てくださいね?」

「りょ、りょうかいです」


そういってアメジストさんは、何もなかったように退出していきました。

閉められた扉を見つつ、怖かったとこぼすのは、仕方ないのです。


何を隠そう、アメジストさん、いや、他の方もそれなりですけど、ミストレニア様と仲がよろしくないようで、アメジストさんなんて、色合いがちょっと似てますねって昔言ったら、魔皇城のどこかにあるお仕置き部屋に連れていかれそうになったことも、その際は、オリジンさんに助けられたのです。


「もう、間違えないようにしよう.....というか、ここはどこ?」


そうしてやっと、自分の現状に気がついたのでした。







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